君が僕に心をくれるなら僕は君に全てをあげよう

下菊みこと

文字の大きさ
上 下
28 / 88

仲良し

しおりを挟む
『コトハちゃん、おはよう』

『マミちゃん!おはよう!やっと会えた!色々あったって聞いたけど、大丈夫?』

『うん、色々忙しかったけど落ち着いたよ』

マミちゃんとやらに巻き付いていた悪縁を切ってからしばらく。

マミちゃんとやらのご両親が警察に逮捕された。

悪縁を切っただけで祟ってはいないが、親子の縁を切るとなるとそりゃあこうなるほかないよね。

マミちゃんとやらは祖父母に引き取られて、しばらく色々ごたごたしていたため学校を休んでいた。

だが祖父母はマミちゃんとやらの学区内に住んでいたので転校はせずに済んだらしく、しばらくすればまた登校し始めた。

『マミちゃん、何かあったらすぐに言ってね!私がマミちゃんを守るから!』

『ふふ、コトハちゃんありがとう。でも多分もう大丈夫だと思う。悪縁は切れたよ』

『そうなの?ならよかった!』

『コトハちゃんも何かあったらすぐに言ってね。私もコトハちゃんを守りたいな』

『マミちゃんありがとう!』

マミちゃんとやらにぎゅうぎゅうとハグをするコトハ。

マミちゃんとやらもまんざらでもない様子。

『ああ、そうそう。そういえば聞いた?不審者の噂』

『ああ、聞いたよ。最近通学路に露出狂が出るんだってね』

『うん!マミちゃんも気をつけてね!』

『私は大丈夫。コトハちゃんこそ気をつけてね。登校は毎朝一緒の班だけど、下校も一緒にする?』

『え?いいの?一緒にしよう!』

おや、登下校のお約束をしてる。

可愛いなぁ、下校の時いの一番に帰るために一人で帰ってきてたから心配だったんだ。

マミちゃんとやらなら買い食いとか悪いお誘いもしないだろうし、いいね。

なにかあってもコトハをちゃんと守ってくれるだろう。

まあ実際は、何かある前に僕が守るけど。

『マミちゃんと一緒に下校、嬉しいなぁ』

『もう学校で時間を潰してから帰る理由もなくなったからね。家にまっすぐ帰れるのは幸せだね』

『ふふ、マミちゃん良かった?』

『良かった』

『じゃあ良かったね!』

にこにこ笑うコトハ。

この笑顔が見られたから、マミちゃんとやらの悪縁を切った甲斐はあったかな。

『防犯ブザーもあるけど、変態が出たら急いで逃げようね』

『うん、逃げようね』

防犯意識もちゃんとあるようで大変結構。

まあでも、いざとなったら僕がちゃんと守るからね。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

【完結】美しい人。

❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」 「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」 「ねえ、返事は。」 「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」 彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

愛人をつくればと夫に言われたので。

まめまめ
恋愛
 "氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。  初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。  仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。  傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。 「君も愛人をつくればいい。」  …ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!  あなたのことなんてちっとも愛しておりません!  横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。 ※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...