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ヴァレール様からのお守り
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わたくしはしばらくして、大人の姿に戻った。
けれどどういうわけか獣人化は解けず…けれど獣人を神聖化する我が国ではすんなりと受け入れられ、むしろ未来の王妃に相応しいとさえ言われる。
それと、驚くべき副産物があった。
なんと、聖魔力が獣人化前の何十倍もの値に増えたのだ。
おかげで魔力石を作り放題だ。
「シャル、無理はしていないかい?」
「お兄様!大丈夫ですわ。今では魔力量がすごく増えましたもの。おかげでたくさんの魔力石を負担なく備蓄できますわ」
「負担がないならいいのだけどね」
お兄様は心配性だから、わたくしが無理をしないか気にかけてくれる。
けれどわたくしは大丈夫。
獣人化してからすこぶる元気だから。
「ふふ、お兄様。心配してくださってありがとうございます。でも本当に無理はしていませんわ。それにこんなにも魔力石を備蓄できていますから、仮になにかあっても心配は要りませんわ」
「それなら良かった」
お兄様はわたくしの頭を撫でてくれる。
わたくしは、照れてしまうけれど嬉しくて耳がピクピク尻尾がピーンとなってしまう。
「ふふ、シャルは素直だね」
「うう、獣人化の弊害が…」
「弊害?わかりやすくていいことじゃないか」
「わたくしは恥ずかしいんですのよ!」
もう、お兄様ったら!
「ふふ、ごめんごめん。でも、そろそろ魔力石の生成は一旦おいておいて王太子殿下を迎える準備をしようか」
「え、もうそんな時間ですの!?大変!」
急いでヴァレール様を迎える準備をする。
「やあ、シャル」
「ヴァレール様っ!」
ヴァレール様は出迎えたわたくしを抱きしめる。
「大人の姿に戻ったね。そんな君も美しくて好きだよ」
「え、て、照れてしまいます…」
「ふふ、そんな君にこれを」
ヴァレール様はわたくしの首にネックレスをかける。
「これは…」
「教会に頼み込んで作ってもらったんだ。守護石を加工したものだよ」
守護石とは、この国の教会に伝わる特別な石。
神様の加護があると言われている。
「肌身離さず身に付けていて。僕の気持ちだよ」
「はい、ヴァレール様…!」
ヴァレール様の気持ちが嬉しい。
ヴァレール様がわたくしを想って贈ってくださったネックレス。
絶対に大切にしよう。
「ところでシャル、聖魔力が増加したって本当かい?」
「ええ、本当ですわ!たくさんの魔力石を備蓄できていますの!」
「それは素晴らしいね。けれど無理はしていないよね?」
ヴァレール様はわたくしを見つめる。
わたくしがもちろんですと頷けば、安心したように微笑んでくれた。
けれどどういうわけか獣人化は解けず…けれど獣人を神聖化する我が国ではすんなりと受け入れられ、むしろ未来の王妃に相応しいとさえ言われる。
それと、驚くべき副産物があった。
なんと、聖魔力が獣人化前の何十倍もの値に増えたのだ。
おかげで魔力石を作り放題だ。
「シャル、無理はしていないかい?」
「お兄様!大丈夫ですわ。今では魔力量がすごく増えましたもの。おかげでたくさんの魔力石を負担なく備蓄できますわ」
「負担がないならいいのだけどね」
お兄様は心配性だから、わたくしが無理をしないか気にかけてくれる。
けれどわたくしは大丈夫。
獣人化してからすこぶる元気だから。
「ふふ、お兄様。心配してくださってありがとうございます。でも本当に無理はしていませんわ。それにこんなにも魔力石を備蓄できていますから、仮になにかあっても心配は要りませんわ」
「それなら良かった」
お兄様はわたくしの頭を撫でてくれる。
わたくしは、照れてしまうけれど嬉しくて耳がピクピク尻尾がピーンとなってしまう。
「ふふ、シャルは素直だね」
「うう、獣人化の弊害が…」
「弊害?わかりやすくていいことじゃないか」
「わたくしは恥ずかしいんですのよ!」
もう、お兄様ったら!
「ふふ、ごめんごめん。でも、そろそろ魔力石の生成は一旦おいておいて王太子殿下を迎える準備をしようか」
「え、もうそんな時間ですの!?大変!」
急いでヴァレール様を迎える準備をする。
「やあ、シャル」
「ヴァレール様っ!」
ヴァレール様は出迎えたわたくしを抱きしめる。
「大人の姿に戻ったね。そんな君も美しくて好きだよ」
「え、て、照れてしまいます…」
「ふふ、そんな君にこれを」
ヴァレール様はわたくしの首にネックレスをかける。
「これは…」
「教会に頼み込んで作ってもらったんだ。守護石を加工したものだよ」
守護石とは、この国の教会に伝わる特別な石。
神様の加護があると言われている。
「肌身離さず身に付けていて。僕の気持ちだよ」
「はい、ヴァレール様…!」
ヴァレール様の気持ちが嬉しい。
ヴァレール様がわたくしを想って贈ってくださったネックレス。
絶対に大切にしよう。
「ところでシャル、聖魔力が増加したって本当かい?」
「ええ、本当ですわ!たくさんの魔力石を備蓄できていますの!」
「それは素晴らしいね。けれど無理はしていないよね?」
ヴァレール様はわたくしを見つめる。
わたくしがもちろんですと頷けば、安心したように微笑んでくれた。
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