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黒幕の計画

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「アドミラシオン王国周辺はあの娘の妨害でうまくいかないが、大陸内の他の国はどうなのだ」

主人の言葉に、青年が答える。

「ちゃんと引っ掻き回してますよ!小国に至っては内戦が勃発したところもあります」

「着実に大陸を混乱させられているのだな」

「はいっ!」

自信たっぷりな様子の青年に、主人は満足そうに笑う。

そんな青年を微笑ましげに見守る少女と少年も自信ありげだ。

会話の内容を無視すれば、随分とアットホームな雰囲気である。

「我々の今後の計画のためにも、大陸全土を混乱に陥れる必要がある。だが、ある程度混乱させられればそれで十分」

「はい、フェラン様」

「我々の目的は、我々の時代を取り戻すこと。勢力を増し、大陸を再び支配する」

「もちろんです」

「お前たちは、私が見出した精鋭中の精鋭。期待しているのだ。しっかり頼むぞ」

主人からの期待に、彼らは内心狂喜する。

「…っ、過分なお言葉、ありがたき幸せ!」

「必ずや成し遂げます!」

「もう一度!栄光を我らがフェラン様に!」

自分に心酔する部下たちに、彼は微笑む。

「うむ。忠義に厚い部下を持てて、私は幸せだ」

彼らの結束は固い。





















「大陸内のあちこちで、混乱が生じている…ですの?」

「ああ」

ヴァレール様は難しい顔をする。

「シャルの考えた通り、大陸全土を巻き込む大きな流れになっている。やはり闇の組織が暗躍しているようだ」

「むむむ…」

「小国に至っては内戦が勃発したところもある。そこまでいかなくても、革命未遂やら貴族の殺戮やら…」

「恐ろしいですわ…」

国を傾かせるには十分な混乱。

それを先導している誰かがいる。

「他に何か情報は?」

「探りを入れたところ、やはり少年と少女のマインドコントロールの話が出ている」

「ふむぅ」

「あと、国を直接混乱に陥れた人物を焚きつけた青年の話もあった」

「青年…」

少年少女や青年が何故またそんなことを…。

「…狙いがわかりませんわ」

「そうだね。一つの国を狙うならわからなくもないが、大陸全土を混乱に陥れる動きを見るに壮大な野望があることは間違いないとは思うが」

「まさか、狙いは世界征服?」

「ここまでくるとあり得ない話ではないね。だが、誰が世界征服なんて狙っているのか…が問題だけど」

「やっぱりまだまだ情報が少ないですわ!」

「引き続き調査を続けてみるよ」

敵が世界征服を目論んでいるのならば、はやくなんとかしなければならないですわ。

とはいえ限られた情報では難しい…むむむ。

とりあえずヴァレール様にお任せするしかありませんわ!
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