52 / 68
黒幕の計画
しおりを挟む
「アドミラシオン王国周辺はあの娘の妨害でうまくいかないが、大陸内の他の国はどうなのだ」
主人の言葉に、青年が答える。
「ちゃんと引っ掻き回してますよ!小国に至っては内戦が勃発したところもあります」
「着実に大陸を混乱させられているのだな」
「はいっ!」
自信たっぷりな様子の青年に、主人は満足そうに笑う。
そんな青年を微笑ましげに見守る少女と少年も自信ありげだ。
会話の内容を無視すれば、随分とアットホームな雰囲気である。
「我々の今後の計画のためにも、大陸全土を混乱に陥れる必要がある。だが、ある程度混乱させられればそれで十分」
「はい、フェラン様」
「我々の目的は、我々の時代を取り戻すこと。勢力を増し、大陸を再び支配する」
「もちろんです」
「お前たちは、私が見出した精鋭中の精鋭。期待しているのだ。しっかり頼むぞ」
主人からの期待に、彼らは内心狂喜する。
「…っ、過分なお言葉、ありがたき幸せ!」
「必ずや成し遂げます!」
「もう一度!栄光を我らがフェラン様に!」
自分に心酔する部下たちに、彼は微笑む。
「うむ。忠義に厚い部下を持てて、私は幸せだ」
彼らの結束は固い。
「大陸内のあちこちで、混乱が生じている…ですの?」
「ああ」
ヴァレール様は難しい顔をする。
「シャルの考えた通り、大陸全土を巻き込む大きな流れになっている。やはり闇の組織が暗躍しているようだ」
「むむむ…」
「小国に至っては内戦が勃発したところもある。そこまでいかなくても、革命未遂やら貴族の殺戮やら…」
「恐ろしいですわ…」
国を傾かせるには十分な混乱。
それを先導している誰かがいる。
「他に何か情報は?」
「探りを入れたところ、やはり少年と少女のマインドコントロールの話が出ている」
「ふむぅ」
「あと、国を直接混乱に陥れた人物を焚きつけた青年の話もあった」
「青年…」
少年少女や青年が何故またそんなことを…。
「…狙いがわかりませんわ」
「そうだね。一つの国を狙うならわからなくもないが、大陸全土を混乱に陥れる動きを見るに壮大な野望があることは間違いないとは思うが」
「まさか、狙いは世界征服?」
「ここまでくるとあり得ない話ではないね。だが、誰が世界征服なんて狙っているのか…が問題だけど」
「やっぱりまだまだ情報が少ないですわ!」
「引き続き調査を続けてみるよ」
敵が世界征服を目論んでいるのならば、はやくなんとかしなければならないですわ。
とはいえ限られた情報では難しい…むむむ。
とりあえずヴァレール様にお任せするしかありませんわ!
主人の言葉に、青年が答える。
「ちゃんと引っ掻き回してますよ!小国に至っては内戦が勃発したところもあります」
「着実に大陸を混乱させられているのだな」
「はいっ!」
自信たっぷりな様子の青年に、主人は満足そうに笑う。
そんな青年を微笑ましげに見守る少女と少年も自信ありげだ。
会話の内容を無視すれば、随分とアットホームな雰囲気である。
「我々の今後の計画のためにも、大陸全土を混乱に陥れる必要がある。だが、ある程度混乱させられればそれで十分」
「はい、フェラン様」
「我々の目的は、我々の時代を取り戻すこと。勢力を増し、大陸を再び支配する」
「もちろんです」
「お前たちは、私が見出した精鋭中の精鋭。期待しているのだ。しっかり頼むぞ」
主人からの期待に、彼らは内心狂喜する。
「…っ、過分なお言葉、ありがたき幸せ!」
「必ずや成し遂げます!」
「もう一度!栄光を我らがフェラン様に!」
自分に心酔する部下たちに、彼は微笑む。
「うむ。忠義に厚い部下を持てて、私は幸せだ」
彼らの結束は固い。
「大陸内のあちこちで、混乱が生じている…ですの?」
「ああ」
ヴァレール様は難しい顔をする。
「シャルの考えた通り、大陸全土を巻き込む大きな流れになっている。やはり闇の組織が暗躍しているようだ」
「むむむ…」
「小国に至っては内戦が勃発したところもある。そこまでいかなくても、革命未遂やら貴族の殺戮やら…」
「恐ろしいですわ…」
国を傾かせるには十分な混乱。
それを先導している誰かがいる。
「他に何か情報は?」
「探りを入れたところ、やはり少年と少女のマインドコントロールの話が出ている」
「ふむぅ」
「あと、国を直接混乱に陥れた人物を焚きつけた青年の話もあった」
「青年…」
少年少女や青年が何故またそんなことを…。
「…狙いがわかりませんわ」
「そうだね。一つの国を狙うならわからなくもないが、大陸全土を混乱に陥れる動きを見るに壮大な野望があることは間違いないとは思うが」
「まさか、狙いは世界征服?」
「ここまでくるとあり得ない話ではないね。だが、誰が世界征服なんて狙っているのか…が問題だけど」
「やっぱりまだまだ情報が少ないですわ!」
「引き続き調査を続けてみるよ」
敵が世界征服を目論んでいるのならば、はやくなんとかしなければならないですわ。
とはいえ限られた情報では難しい…むむむ。
とりあえずヴァレール様にお任せするしかありませんわ!
89
お気に入りに追加
596
あなたにおすすめの小説
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
もう一度7歳からやりなおし!王太子妃にはなりません
片桐葵
恋愛
いわゆる悪役令嬢・セシルは19歳で死亡した。
皇太子のユリウス殿下の婚約者で高慢で尊大に振る舞い、義理の妹アリシアとユリウスの恋愛に嫉妬し最終的に殺害しようとした罪で断罪され、修道院送りとなった末の死亡だった。しかし死んだ後に女神が現れ7歳からやり直せるようにしてくれた。
もう一度7歳から人生をやり直せる事になったセシル。
記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
初対面の婚約者に『ブス』と言われた令嬢です。
甘寧
恋愛
「お前は抱けるブスだな」
「はぁぁぁぁ!!??」
親の決めた婚約者と初めての顔合わせで第一声で言われた言葉。
そうですかそうですか、私は抱けるブスなんですね……
って!!こんな奴が婚約者なんて冗談じゃない!!
お父様!!こいつと結婚しろと言うならば私は家を出ます!!
え?結納金貰っちゃった?
それじゃあ、仕方ありません。あちらから婚約を破棄したいと言わせましょう。
※4時間ほどで書き上げたものなので、頭空っぽにして読んでください。
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる