女公爵は軽薄に笑う

下菊みこと

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女公爵は天使像を落札する

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さて、船でパラディーゾ半島に来たアンジェリクとリュカはホテルをとり、オークションに行く。普通のオークションのようで、円卓金貨十五枚で簡単に落札出来た。が、天使像を手に入れて帰る際に大柄の男達に囲まれる。ああ、表社会でもこういう連中はいるのかと頭が痛くなる。

「何かしら」

「お嬢ちゃん、その像、円卓金貨七枚で譲ってくれないかなぁ?」

「無理よ。私はきちんと円卓金貨十五枚で買ったわ。大体、貴方達にそんなお金あるのかしら」

「小生意気な娘だ!お前ら、やっちまえ!」

「…ご主人様に近寄らせはしませんよ」

リュカがチェーンウィップを取り出す。すぐに男達はのされた。

「な…!?なにもんだテメェ!」

「貴方方のような野蛮な輩に名乗る名などありませんよ」

「行くわよ、リュカ」

「はい、ご主人様」

「リュカ?リュカって…まさか、ジェラーニオの兄貴を潰した化け物じゃ…!?」

「あら、貴方いつのまに有名になったの?」

「さあ…存じ上げませんね」

「てことは、そっちの嬢ちゃんはまさか…あのエルドラドの女公爵!?」

「うふふ。ねえ、貴方。ここはパラディーゾ半島。ターブルロンド皇国ではないから、見逃してあげるわ。でもね、もしも我らがターブルロンド皇国に来て、表社会でこのようなことをしたら…わかるわね?」

「ひっ…わ、わかった!悪かった!」

「ならば道を開けなさい。ご主人様の邪魔です」

「は、はいぃっ!」

すぐに横に避ける男を尻目に、天使像を運び船に乗る。ターブルロンド皇国に戻るとすぐにベアトリス皇女に献上しに行く。

「我らがお姫様は喜んでくれるかしら?」

「ご主人様がベアトリス皇女殿下のために直接手に入れた品です。きっと喜んでいただけますよ」

「ありがとう、リュカ。…ふふ。ベアトリス皇女殿下の喜ぶ顔が楽しみだわ」

「ええ。私もです」
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