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あんな小国一捻りだが、シュシュはそれを望まないだろう

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シュシュがパラディースとの決別を宣言した。シュシュは覚悟を決めた目をしていた。シュシュには悪いが…あんな奴らとシュシュの縁が切れて、俺は嬉しい。それに、俺とアトランティデのことを何よりも優先してくれるシュシュが愛おしい。パラディースの国王を送り返した後、シュシュをきつく抱きしめる。

「シュシュ、良く頑張ったな。ありがとう」

「ニタ…私こそ、私の意思を尊重してくれてありがとうございます。ニタがそばに居てくれたお陰でお父様と決別出来ました」

そう言いながらも、シュシュの声は震えていた。俺は気付かないフリをしてシュシュを抱きしめ続ける。シュシュの柔らかな髪を手で梳く。

「シュシュがこんなにも俺とアトランティデを大切に思ってくれているなんて、俺は幸せだ」

「ニタ…はい」

シュシュが愛おしい。シュシュが他国に嫁ぐ前にシュシュを見つけられて本当に良かった。

「シュシュ。愛してる」

「私もです、ニタ」

…正直。パラディースのような小国を潰すのは容易い。シュシュのために復讐しようと思えばいくらでも手はある。だが、シュシュはそれを望ましいだろう。シュシュはあまりにも優しすぎるから。

「でも…やっぱり、悲しいです。お父様が連絡をくださって…私、ようやく家族として認めていただけたのかなって…期待してしまいましたから」

「シュシュ…」

「ニタが居てくれて本当に良かった…一人では、きっと耐えられませんでした…」

「…そうか」

ぐずぐずと泣き出すシュシュ。俺はシュシュが泣き止むまでシュシュを抱きしめていた。
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