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ー本編ーその辺のハンドメイド作家が異世界では大賢者になる話。

第16話 優しさに包まれたなら

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人から悪意を向けられたことも殺意を向けられたことも、俺には当然なかった。
きっとこの時を狙っていたんだろう。
入浴中はたしかに最も無防備だ。
特に俺は…。

いつの間にかは知らないがその情報を仲間に送り、俺を仕留めて俺の装備を手に入れて、自由になるその時を狙っていたんだろう…。

元々敵だったようなものの、彼女をドジだから大丈夫と安心して信じていた俺が悪かったんだ…。

そうか…俺はこうやって…人を信じ過ぎるからこそ利用されたり裏切られるんだな…。

「なんだおめぇ?さっきから膝を折ってへたり込みやがって。
命乞いの一つでもしてみやがれってんだ!
あと、他の女湯の連中!!
下手に手を出してみな!
お前らの命も勿論だが、こいつの首が先に飛ぶことになるぜ!」
「どうした?ご主人様…?恐怖で声も出せなくなったか…?何か言ってみろよ。言いたいことがあるならよ!」

…………。

「何も…。言うことはないよ。
それが君の幸せに繋がるなら、好きにしてくれて良い…。」
「オレの幸せ…。…。」
「もういいだろう。ボス、殺しますぜ?」
「ま、待て!!」

盗賊団の下っ端がオレめがけてナイフを投擲する。
胸に突き刺されば出血多量で苦しみながら死ねるだろう。
俺は目を閉じそれを甘んじて受け入れる覚悟だった。

が、ナイフが俺に刺さる気配はなかった。

「ふふん、間に合ったようじゃのう?
無事かの?主(あるじ)さまよ。」

あるじさま…?俺はいつの間にまた奴隷ちゃんを増やしていたんだ…?
いや…この見た目…見覚えあるぞ…。

「なんだおめぇは!!どっから出てきた…!!」

その問いに妖艶な白い狐の亜人が答える。

「私はこの方の…おいなりさんじゃ!!」

それは私のおいなりちゃん(本当の意味で)だ。

「うっそーん。この世界じゃ羊毛フェルトで作った人形もこうやって動き出すってのか…?」
「妾には他の人形と違うて心臓があろう?
パワーストーンの心臓を、主さまが埋め込んでくれておったではないか。
他のアクセサリーたちの近くに居たからかのう。
なんとか自分で動き出せたわい。
主どの!受け取るが良い!そなたの剣じゃ!」

おいなりちゃんがシュッとインフィニティブレードを俺に投げて渡してくる。

「何をほうけておる!戦わねば殺されるのだぞ!
妾がなんとか動き出すのが間におうて、ここに来れたから良かったものの!」

そうだ。俺は今まさにこの男に殺されそうになっていたんだよな…。

「おい、ボス!なんであんた俺に待てと言った!こいつはボスを奴隷にして使役してるんだぞ!
一緒にいるうちに変な情でも湧いたってぇのか!
だったらそりゃあ奴隷紋のせいだ!
あんたの本当の愛情じゃねぇ!
そりゃあただの性欲だ!!」

その言葉に俺も胸が痛んだ。

そうなんだよ…。俺も、最初の彼女にはきっと性欲で受け入れてもらえていたんだ…。

彼女の方から好きと言われ、すぐに身体を求められそれに答えた。
そして、彼女の好きがただの性欲だったから満たされた彼女はあっさりと俺を捨てた。

そしてきっと、最初にそれを受け入れた俺も、結局は性欲でしか彼女を見てなかったんだよな…。
だからたった1週間で破局した。


「おい、ご主人様…。さっきからお前…なんでそんなに胸痛めてんだよ…。
いいか!?オレにはお前の性欲も丸わかりだけどな!お前が喜んでいるか悲しんでるかとかの感情も伝わってくるんだ!
死ぬのが怖いとかの恐怖の方が普通は上に来るはずだ!
なのに、なんで今のお前は…そんなに悲しい顔をしてるんだ…!
なんでオレに、そんな感情を向けるんだ!
今から殺される人間が…なぜ…悲しいと言う感情になる…!」
「そりゃ、悲しいよ…。
少しでも好きになったり、好かれたいと思った人に殺意を向けられたら…辛いよ…。苦しいよ…。」
「そうか…。ちっ…。
クソが………。もういい、お前は下がれ。
あとおい、ここに来ている下っ端連中を集めろ。」

盗賊ちゃんは先ほど俺に向けられたナイフを回収し、下っ端連中に渡した。

「どう言う事だボス。あんた…まさか本当に…?」

一瞬で下っ端の背後に回り首を折る体制に入り、口元を押さえつつ、先ほど下っ端に渡したナイフを下っ端の手を使って腹の付近に近付ける盗賊ちゃん。

なかなかの手際だ…。

「う、うるさい…!!それ以上は今…お前の口からは言うな…!あとでオレの口から全員に告げるから…!」
「はぁ…。わかったよボス…。あんたがそう言うなら仕方ねぇ…。
俺たちはあんたのものとして従うって決めてんだ。好きにしてくれ。
あんたと一緒に奴隷になれって言われても受け入れる覚悟はしてここまで助けに来ている。」
「あぁ…。いつもありがとうな…。」

盗賊ちゃんは手をほどき下っ端ちゃんを解放すると、ほれ早く行け!と背中を蹴り飛ばす。

「なぁ、ご主人様…。オレが…お前に惚れた…って言ったら…どうする…?」

盗賊ちゃんが照れ臭そうに俺に向き帰りモジモジとそんな質問をしてくる。

「アンタは、今までいろんな奴に拷問されたり道具として扱われたり蔑まれてきたオレに…はじめて愛情を注いでくれた…。
俺の仲間たちともまた違う、本当の愛を教えてくれた…。俺のことを…年相応の女の子として見てくれて…挙句の果てには可愛いなんて言ってくれた…。
俺もその言葉にずっとドキドキして、嬉しくてたまらなかった…。
初めはこの奴隷紋のせいだって思ってた。
本音を言えば、それを確かめるためにも今の今までアンタの命を誰かに奪われても構わないと思ってた…。

でも、アンタの感情や言葉を知って、俺はアンタを殺されたくないと思っちまった。
側にいたい。側にいてほしい。そんなふうに思っちまったんだよ…。

経験したことないからよくわかんないだけどさ…、きっと、これが恋で…良いんだよな…?
男に惚れるって事で…良いんだよな…?
だったら教えてくれ。オレに惚れられたアンタは…どうする?」

すごく胸に響く、と言うかすごくキュンキュンくる愛の告白をされた気がする。
というかすごく答えに困る質問だ。
今の盗賊ちゃんは、お風呂タイムだったのもありしっとりと肌や髪が濡れて、さらにエロさが加わっている。

そして、割とみんな忘れているかもしれないが…。

今俺たちは…お互い全裸で向き合っているのである!

絵面も含めて色々とまずい。

だが、俺はこの子にどう答えれば良いんだ…。

「さっさと抱きしめてチューでもしてやれにゃ。」

いつの間にか女湯からこっちに移動してきていたギルマスちゃんにそう言われて背中を叩かれる。

「いや…そうは言うけどだな…。俺もまだ本気で好きかどうかもわからないのに…。」

その言葉を聞いて魔女さんもため息を漏らす。

「ほんと…君は変なふうに優しいんだから…。
それならいっそ、みんな満遍なく愛してくれた方が、好きになった側としてはむしろスッキリする。自分と同じ男に惚れた女を、私はむしろ受け入れるし、そしてまた多くの女に愛される自分の惚れた男を誇りに思う。
貴方の世界では、まずあり得ないとは思うがこの世界ではそういう女が多い。
無論、1番に愛されるのが何よりの幸せだがね。」
「たしかに…。この空気ならキスのひとつでもしてあげないと割に合わないよね。
私にはまだあんな愛の告白できないもん。
ちょっと灼けたけど…。でも、たしかに悪い気分はしないないかも。」
「賢者さまはそれだけ人の心を引きつけるステキなお方です。どうか、答えてあげてください。」

そうは言われてもだなあ…。
俺は…本当ならこの中で1人を選ぶべきだと思うんだが…。
そんな、みんな大好きだーっなんてそれこそ最低のクズ男の所業だ…。

いや、まぁ空気に流されてキスしちゃったりしてる2人もいるけど…。
だが、2人はそもそも立派な大人の女だし…。
一方、この子は俺からすりゃ何も知らない無垢なこどもな訳で…。

むむむむ…。

「ご主人様…?あの…だな…。何回も言うが、ご主人様の性欲はオレには筒抜けなんだぜ…?
せっかくいい空気だったのに、裸の女に囲まれたら感情が完全にムラムラの方に変わってるのは勘弁してくれ…。」
「仕方ないだろう!3日も溜まってたらそりゃムラムラもするよ!しかも全裸の美女に囲まれてんだから!!」

などと言っていたら、おいなりちゃんに背中を押されてオレはそのまま転び、盗賊ちゃんにのしかかるような体勢になってしまった。
いわゆるラッキースケベ状態だ。

「妾の心臓に使われた石は、恋愛の石【ローズクォーツ】。その力に免じて、ここは2人の恋を進展させてやらねばのう?くふふっ♪」

お、おい!おいなりちゃん!やってくれたな…!

そして、目の前には顔を真っ赤にしてキス顔待機の盗賊ちゃん…。
この体勢でするのは心が痛むが、きっと盗賊ちゃんも恥ずかしいはずだ…。
仕方ない…色々と覚悟を決めよう…。

俺はそのまま盗賊ちゃんと唇を重ねた。

「ふぅ…っ んんっ!!」

口付けをした直後、盗賊ちゃんがビクビクっと跳ねる。
な、なんだ!知らないうちに俺の唇に毒でも塗られてて、それが…。
いや、違う、お互いに忘れていた…。

「ごめん…。ご主人様にされると…めちゃくちゃ気持ちよくなっちまうの…わすれてた…。」

これ以上はお子様も見てるので何も言うまい…。

その後、俺らはいそいそと着替えて浴室の外に出る。

すると、浴室の外では下っ端の1人が待っていた。

「ボス。全員集めときましたぜ。
あと、あの後浴室で何があったか知りませんが、その…大人の女の顔になってますぜ…?」
「う、うっさい!お前ある程度わかってて言ってんだろ!ボスをからかうな!チ○コもぐぞ!!」
「ボスになら去勢されてもいいっす…。」
「ウワァ…まじ引くわぁ…。」

ほんとこの世界には変態しかいないのかな。

そのまま俺たちは元々の予定通りに城の食堂へ集結し、盗賊ちゃんの部下たちもそこに集められた。

「こほん、じゃ、まずはオレからお前らにキチンと話しておくことがある。
知っての通り、オレは大賢者様の所有物の性奴隷に堕ちた。
ヘマして捕まって奴隷紋を刻まれた。
捕まってすぐはオレもこいつを殺してさっさと自由になりたい…。そう思ってお前ら全員をここに集結させた。
だが…その…だな…。
これ、見てくれよ?すっごく可愛いだろう?
ご主人様がさっ、そのオレにプレゼントってっ…!
女の子なんだからオシャレもしないとなってつけてくれてさっ!この髪留めも…そのよく似合うねってつけてくれてっ!
はにゃぁぁ…しゅき…。」

威厳が台無しである。
恋する乙女のそれである。
盗賊の下っ端のおっさんたちも流石に真顔で固まっている。

「ボス…。確認兼ねて一つ聞くぜ。
あんた…今、幸せかい?」

その言葉に盗賊ちゃんは涙をこぼしながら最高の笑みで答えた。

「あぁ…!最高に幸せだ…!
生まれてきて…生きてきてよかった…!
そう思えるくらいに!」

その言葉に下っ端のおっさんたちがそれはもう嫁入り前の娘でも見送るような安堵した表情をむかえる。

「そうか…。ボス…。やっと幸せになれたんだな…。俺たちみんな、盗みでしか幸せになれねぇ、そう思って生きてきた。
お前さんが前のボスに拾われて、そのボスが盗掘者向けトラップで死んで、またアンタが自分の人生に悲観して泣いてる姿を見て、俺たちがアンタを前のボスの代わりに幸せにしてやらねぇとなんて思ってた。
おい、大賢者様。
ボスを泣かせるのは、幸せにした時とベッドの中だけにしてやってくれよ?」
「ばかやろう!ベッドの中とかそう言うこと言うんじゃねえ!!ご主人様はそう言う下品な男じゃないんだよ!!お前らと違って!
すきあらばオレの体を洗わせてくれとか言ってくるお前らと違って!」

ほほう。その辺の話、あとで詳しく語り合いたい。
きっと良いお友達になれそうだ。
下っ端Aと目があう。

安心しろ。俺もロリコンだ。

気のせいかそう聞こえた気がした。

「気のせいじゃないにゃ…。いま、本当に心の声でそう言ったにゃあいつ…。」

さて、そうなるとあとは彼らの処遇とかか…。

「すまねぇなお前ら…。前のボスから託されたお前らの人生…。オレの幸せの代わりに台無しにしちまった…。
とりあえず、盗賊団 ドラゴスケイルは解散だ。
お前らはオレに縛られず好きに生きてくれ。」

そういうと、盗賊団のおっさんたちの肩についていた盗賊団 ドラゴスケイルの証たる紋章が消えていく。
きっとこれも奴隷紋みたいなものなのだろう。

「馬鹿野郎だなボスは。
こんなもん、あろうがなかろうが、俺たちは一生アンタの部下としてついてくって決めてたんだぜ?俺たちは下手を打ったら仲間全員で死ぬ覚悟も出来てたんだ。」

ギルマスちゃんと魔女さんが互いに顔を見合わせてコクリと頷き俺に向き直る。

「彼らは元々君の所有物たる盗賊ちゃんの所有物だ。
彼らをどうするかは大賢者くん。君が決めたまえ。
ちなみにこの盗賊団なのだが、主に二つ…。
ルールを決めて動いていた。

一つ、人を殺すべからず。
二つ、盗みは自分たちより幸せな金持ち野郎からするべし。

君たち、さっきの浴室でも初めから殺す気は無かったろう?脅して奴隷紋を解呪させるくらいの考えで。」

下っ端Aが俺に向かって投げてきてたナイフを魔女さんに見せる。
よく見ると全く刃が研がれてないような打撃武器状態であった。

「その通りだ。殺さずの誓いは前のボスからもキツく言われていたからな。
俺たちの武器は、精々骨を砕く程度に抑えて作ってあった。」

いわゆる義賊ってやつか…。

「と言うわけで結構大規模な盗みをやらかしている彼らだが、一部の人たちには感謝もされていたわけだ。
それらも踏まえて、君に処遇は任す。
また、彼らの所有権はそのまま盗賊ちゃんに一任する。
それが私たち2人の決定だよ。」
「それってつまり…。」
「盗賊団 ドラゴスケイルは解散したが、盗賊団じゃないドラゴスケイルなら好きにして良いよってことだ。」

わっと下っ端連中から歓声が上がり盗賊ちゃんもまた安堵の表情を漏らす。

「君ならきっと、そうしてくれと言うだろうとおもったからにゃ。先回りして決定させてもらったにゃ。」

などなど話していたら、昼間ずっと部屋で寝ていた皇国ギルマスが食事にと現れた。

「あ、あれは…。皇国のギルマス!?
お前ら尻を隠せ!!掘られるぞ!!」

それを聞いて

「僕はショタコンだぁぁぁああっ!!はなしかけるんじゃねぇぇぇぇあっ!!」

さっきまでの良い空気全てを消しとばす立派な性癖暴露であった。
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