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出会い〜ツガイ編
21話 ジレウス視点
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(Side:ジレウス)
早いもので、コーキが我が家にやってきて2週間ほどが経った。
あの日ーー。
彼が俺の部屋を訪れた日の翌日から、コーキは少し変わった。
元々の素直さや愛らしさはなんら変わることはなかったが、
心の中に溜まった膿みを涙とともに出し切ったかのように、目に見えて明るくなったのだ。
その影響もあって彼の瞳は以前より余程美しく輝き、
一段と俺を慕ってくれるようになった。
その様子を見て、ようやく俺は、
前日に切り出せなかったことを話す決断ができた。
彼に明るさが戻った晩、
俺は本来もっと早く話す予定だった彼のスキルや称号について説明した。
異世界での前世を持つ彼には全く馴染みのない内容に、
かなり戸惑いを感じていた様子のコーキ。
それらの詳細についてどのように把握すればいいのかも当然分かっておらず、
俺は彼に自身のステータスを確認する術を教えたーー
※ ※ ※
「すてたす、おぷ?」
「ステータスオープン、だ」
気分の内側に向けてそう唱えてみろと告げると、
コーキは目を瞑った。
そして何やらビクッッ!と肩を跳ねさせて驚き、
何もない空間を凝視している。
……どうやら成功したようだ。
「なんか、書いてある。
名前と年齢、スキル?っていうのと、……あと称号。
ジレウスが言ってたの、これ?」
「ああ、おそらくはな。
ステータスは基本、唱えた本人にしか見えない。
だから今俺がお前のスキルとかをこの目で確認できる術はないんだが…
俺が説明したものは全て載っているか?」
「……うん、多分全部書いてある。
でも意味がわからない」
「よし。
じゃあ見えてるその名称の詳細を知りたいと強く念じろ。
そうすれば自然と説明が浮かび上がるはずだ」
「ん」
俺の指示に従ってう~んと視線を彷徨かせていた彼は、
ややあってそれぞれのスキル・称号の内容を俺に語り出した。
内容はーー、
………………………………………………………………………………………
癒しの手→魔力を消費して病魔に侵された動植物を
手で触れることにより快癒させる
甘露→体液を甘く変化させる(常時発動)
摂取した人間には生命力や魔力を回復・増大効果あり
自己犠牲→自身の生命力を代償にして
他者の身体・精神的ダメージを肩代わりする
称号:無念なる転生人→不幸な死を迎えた魂に与えられる
効果:前世と異なる種族への転生
肉体年齢は前世の死亡時に準じる
称号:慈母神の加護→慈母神より加護を賜りし命に与えられる
身体に害を与えるあらゆる病魔の無効化
………………………………………………………………………………………
………やっぱりとんでもなかった。
==================================================
※…うぅ…作者の体調(胃)が安定せずすみません…。
ちょっと復活してきたので投稿再開です。
のんびりお読みください~(`_´)ゞ
早いもので、コーキが我が家にやってきて2週間ほどが経った。
あの日ーー。
彼が俺の部屋を訪れた日の翌日から、コーキは少し変わった。
元々の素直さや愛らしさはなんら変わることはなかったが、
心の中に溜まった膿みを涙とともに出し切ったかのように、目に見えて明るくなったのだ。
その影響もあって彼の瞳は以前より余程美しく輝き、
一段と俺を慕ってくれるようになった。
その様子を見て、ようやく俺は、
前日に切り出せなかったことを話す決断ができた。
彼に明るさが戻った晩、
俺は本来もっと早く話す予定だった彼のスキルや称号について説明した。
異世界での前世を持つ彼には全く馴染みのない内容に、
かなり戸惑いを感じていた様子のコーキ。
それらの詳細についてどのように把握すればいいのかも当然分かっておらず、
俺は彼に自身のステータスを確認する術を教えたーー
※ ※ ※
「すてたす、おぷ?」
「ステータスオープン、だ」
気分の内側に向けてそう唱えてみろと告げると、
コーキは目を瞑った。
そして何やらビクッッ!と肩を跳ねさせて驚き、
何もない空間を凝視している。
……どうやら成功したようだ。
「なんか、書いてある。
名前と年齢、スキル?っていうのと、……あと称号。
ジレウスが言ってたの、これ?」
「ああ、おそらくはな。
ステータスは基本、唱えた本人にしか見えない。
だから今俺がお前のスキルとかをこの目で確認できる術はないんだが…
俺が説明したものは全て載っているか?」
「……うん、多分全部書いてある。
でも意味がわからない」
「よし。
じゃあ見えてるその名称の詳細を知りたいと強く念じろ。
そうすれば自然と説明が浮かび上がるはずだ」
「ん」
俺の指示に従ってう~んと視線を彷徨かせていた彼は、
ややあってそれぞれのスキル・称号の内容を俺に語り出した。
内容はーー、
………………………………………………………………………………………
癒しの手→魔力を消費して病魔に侵された動植物を
手で触れることにより快癒させる
甘露→体液を甘く変化させる(常時発動)
摂取した人間には生命力や魔力を回復・増大効果あり
自己犠牲→自身の生命力を代償にして
他者の身体・精神的ダメージを肩代わりする
称号:無念なる転生人→不幸な死を迎えた魂に与えられる
効果:前世と異なる種族への転生
肉体年齢は前世の死亡時に準じる
称号:慈母神の加護→慈母神より加護を賜りし命に与えられる
身体に害を与えるあらゆる病魔の無効化
………………………………………………………………………………………
………やっぱりとんでもなかった。
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※…うぅ…作者の体調(胃)が安定せずすみません…。
ちょっと復活してきたので投稿再開です。
のんびりお読みください~(`_´)ゞ
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