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出会い〜ツガイ編

7話

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「~~~!!」

(……?あれ、僕……)


ジレウスに抱えられての道中でうとうととしていた僕は、
どうやら本当に寝入ってしまっていたらしい。
それを自覚するとともに、
何やら自分の周囲を取り巻く環境が妙に騒がしいことに気付き、
意識を覚醒させていく。

うっすらと目を開けて辺りを見渡してみるとここが室内であり、
自分がソファの上に寝かされていることに気付く。

(わぁ~、ふっかふかだなぁ!)

そのソファのクッションが意外にも快適な弾力性と起毛性に富んでいて、
状況確認を束の間忘れて思わず寝心地を堪能。
一頻り顔を擦り付けてにまにま笑って満足していると。
ふと視線を感じてパチリと目を開け視線の方角を辿って見上げると、
そこには自分を覗き込むジレウスと見知らぬ男の姿が。

「っ!!?」

びくりと肩を跳ねさせた僕の反応をどう勘違いしたのか、

「あ、ほらやっぱり!
ジレウス様がそんな怖い顔で覗き込んだりするから怯えてるじゃないっすか!!」

「ぁあ?んな訳……ねぇよな?
いやだってここに来るまでそんな素振り一切」

「……やっぱり何処かから拐ってきたんじゃないっすよねぇ…?
っ犯罪!犯罪ですよ!?」

「ふざけんなテメェッ!!」

ギャイギャイと目の前でジレウスを非難するこの男、妙にアクションがオーバーだ。
そして頭にはうさ耳。
揺れている。
それはもう彼の動きに合わせて、わっさわさと揺れている!

本当ならジレウス同様、興味津々で耳尻尾をガン見するところなのだが、
生憎とこの男の声がうるさすぎる。

「え、あれ?」

「うおっ、どうした?」

「………」

ぴょんとソファを飛び降り、てててとジレウスに駆け寄って背後に隠れた僕に、
男とジレウスが目を白黒させる。
ひしっと足にくっついて離れない僕に優しく声をかけてくれる彼。
少し落ち着きふにゃりと笑いかければ、

「っ強面で女子供に年中泣いて逃げられる
あの!ジレウス様相手に笑ってる、だと……!?
あ、有り得ないッッ!!」

「お前いい加減本気でしばき倒すぞ」

何と、しかもこんな可愛い子が!?と慄き震えて見せるうさ耳さんに、
さしものジレウスも眉間にビシリと青筋を立てた。

(この人ほんと、オーバーだなぁ…動きも言葉も。
多少変わった色の髪と目だけど可愛いって。
あ、子供好きなのかな?)

でも流石に失礼過ぎる、と本気で怒っているらしいジレウスの為、
それならと子供ならではのささやかな仕返しをすることにした。
徐にジレウスのズボンをクイックイッとひっぱり、

「…なんだコーキ」

「…あの、ね」

一度ジレウスを見、うさ耳さんを見、再びのジレウス。
そうしてツイッとうさ耳さんを指差して一言。

「大きな声、うるさい。
動きも、変………うさ耳さん、怖い、ひと?」

「っグハァッッ!!?」

コテンと小首を傾げながら告げた子供のシンプルな感想いちげきに、
オーバーリアクションうさ耳男は撃沈した。

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