創煙師

第１章

０話 〜語り継がれる伝承〜

※初めに世界観を紹介ついでのおまけです。
本編と直接関係はないので興味のない方は飛ばし可です。

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ある処に　創煙国そうえんこくなる国あり

世界を創世せし神　創始そうし　

巨なる大陸を５つの国に分け　色の名を付けた


　朱しゅの国・赤煙国せきえんこく

　蒼あおの国・青煙国せいえんこく
　
　緑みどりの国・緑煙国りょくえんこく

宵闇よいやみの国・黒煙国こくえんこく

　灰はいの国・灰煙国はいえんこく


創始に　５人の優れた人間の弟子あり

創始　自ら創り上げし精霊宿す器　〈創具そうぐ〉を

５人の弟子に与え　国を　色名いろなを与えた

５人の弟子ら　敬愛せし創始が生みし国を守るため　

創始より授かりし〈創具〉が秘めし強大なる力を用いて

人を治め　国をよく治めた


創始　弟子らの働きに喜び　弟子らの元を去ると　永劫の眠りについた

弟子ら　去りし創始に悲しみ　嘆き　それでも

創始への敬愛尽きることなく　変わらずよく国を治めた

彼の弟子ら　自らの一族に創始より賜りし色名と〈創具〉を　

時を渡り継いで国をよく治めることを残し

自らも創始と同じく眠りについた


〈創具〉と色名　弟子らの残した通りに代々継がれ　やがて彼かの一族　

色の名を冠することより　五色ごしきの一族と呼ばれる

彼の一族が継ぎし〈創具〉　

更にその力により生まれし〈創具〉の守り手たる〈武具ぶぐ〉の使い手

その希少で　強大で　人ならざるどこか奇妙な力の使い手を　

只人ただびとらはこう呼んだ


創始の御業みわざ継ぎし者　　　創煙師そうえんし　と。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～五煙国出版ごえんこくしゅっぱん『創世伝承そうせいでんしょう』より～