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第4章 新たな関係
第3話 思わぬ来訪 ユウキ(受け)視点
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※エロなし
来週から2週間、先生が海外に行くというのでピアノのレッスンを詰め込んでもらった
イタリアで行われる国際コンクール…
ドイツにいる両親も聴きにくると、気合いを入れ始めている
とりあえず、恥ずかしくないくらいの演奏をしないとマズい
大学が終わってから2時間のレッスンを連続3日
レッスン内容を消化するために、深夜まで練習
大学の講義がと言ってる場合じゃない
昨日は午前中の講義を休んで、ピアノにかじりついて練習した
なんとか出来るだけのことをして臨んだ今日のレッスン
「……みっちり絞られたな…」
深いため息をついて、ようやくマンションのエントランスまでたどり着く
明日から先生のスケジュールが埋まっていて、次のレッスンは5日後
この5日で、なんとか二次予選の曲を仕上げたい…
頭の中で練習スケジュールを組んでいると、右手首を掴まれた
……!!
ギョッとして振り返ると、知ってる顔でホッとする
「驚かせないでよ…ビックリした…」
「さっきから声掛けてるのに、無視するから」
声掛けてた…?
「え、ごめん
考えごとしてたから…
えっと……どうしてトウマ…ここに?」
「夜ご飯、まだでしょ?お気に入りのお店で弁当作ってもらったんだ
一緒に食べよう」
今晩もカップラーメンで済ませるつもりだった俺のお腹は、その言葉を聞いて反応する
「いつから待ってたの?チャットくれたらよかったのに…」
エントランスを指紋認証で開いて、一緒に中に入っていく
「さっきだよ
先週忙しいって、今週も予定分からないって書いてあったからチャット送っても無駄かなって」
「レッスン詰め込んでもらっててね…今日もヘトヘト」
「そうみたいだね、忙しいの本当だったんだ」
たしかにチャットのやり取りは、俺の「来週は、まだ分からない」で終わっていた
それ以降、トウマからチャットが来てなかったから、そこで終わった話かと思っていたのに…
玄関に入り廊下を歩くと、そういえば1か月前ここでキスされたな、と思い出す
いやいや、ご飯ご飯…
防音室の扉を開け、部屋の角に置いてある机の上にある楽譜を慌てて片付ける
「ごめん、あんまり綺麗じゃなくて
ここしか食べる場所ないから、ここにお弁当置いてくれる?
お茶でいいかな」
冷蔵庫に向かおうと思いながら、あ、イスが一つしかないなと気付き、
横にあるグランドピアノの椅子を机の所に移動させる
「トウマは、そっちのイス座って
俺、ピアノのイスに座るから」
「ありがと
ペットボトルのお茶、買ってきたからゆっくり座りなよ」
お湯を沸かさずに、美味しいご飯にありつけそうだとちょっと嬉しくなる
ここんとこ、学食とカップラーメンの繰り返しだったし
机の高さに合わせて、油圧式のピアノイスの高さをぐいっと下げる
「なにそれ、面白いイス…!」
お弁当を開き、上品そうな割りばしとお手拭きを置きながら、トウマが興味津々といった顔つきで話しかけてくる
「ああ、最近こういうイスが多いんだよね
高さ変えられて便利で」
「へ~~どっちのお茶がいい?」
「選んでいいの?じゃ、玉露の方にしようかな」
トウマが持ってきたお弁当というのは、お気に入りの「割烹」で作ってもらったもののようだ
高そうな割りばしに書かれた店名は、俺でも見たことのある名店だ
「なに?このお弁当、めっちゃ高いやつなんじゃないの?」
「ここのお店、弁当でも美味しいんだよね、食べよう」
さすが、開業医の息子…!
弁当でも、コンビニ弁当じゃないんだな…
来週から2週間、先生が海外に行くというのでピアノのレッスンを詰め込んでもらった
イタリアで行われる国際コンクール…
ドイツにいる両親も聴きにくると、気合いを入れ始めている
とりあえず、恥ずかしくないくらいの演奏をしないとマズい
大学が終わってから2時間のレッスンを連続3日
レッスン内容を消化するために、深夜まで練習
大学の講義がと言ってる場合じゃない
昨日は午前中の講義を休んで、ピアノにかじりついて練習した
なんとか出来るだけのことをして臨んだ今日のレッスン
「……みっちり絞られたな…」
深いため息をついて、ようやくマンションのエントランスまでたどり着く
明日から先生のスケジュールが埋まっていて、次のレッスンは5日後
この5日で、なんとか二次予選の曲を仕上げたい…
頭の中で練習スケジュールを組んでいると、右手首を掴まれた
……!!
ギョッとして振り返ると、知ってる顔でホッとする
「驚かせないでよ…ビックリした…」
「さっきから声掛けてるのに、無視するから」
声掛けてた…?
「え、ごめん
考えごとしてたから…
えっと……どうしてトウマ…ここに?」
「夜ご飯、まだでしょ?お気に入りのお店で弁当作ってもらったんだ
一緒に食べよう」
今晩もカップラーメンで済ませるつもりだった俺のお腹は、その言葉を聞いて反応する
「いつから待ってたの?チャットくれたらよかったのに…」
エントランスを指紋認証で開いて、一緒に中に入っていく
「さっきだよ
先週忙しいって、今週も予定分からないって書いてあったからチャット送っても無駄かなって」
「レッスン詰め込んでもらっててね…今日もヘトヘト」
「そうみたいだね、忙しいの本当だったんだ」
たしかにチャットのやり取りは、俺の「来週は、まだ分からない」で終わっていた
それ以降、トウマからチャットが来てなかったから、そこで終わった話かと思っていたのに…
玄関に入り廊下を歩くと、そういえば1か月前ここでキスされたな、と思い出す
いやいや、ご飯ご飯…
防音室の扉を開け、部屋の角に置いてある机の上にある楽譜を慌てて片付ける
「ごめん、あんまり綺麗じゃなくて
ここしか食べる場所ないから、ここにお弁当置いてくれる?
お茶でいいかな」
冷蔵庫に向かおうと思いながら、あ、イスが一つしかないなと気付き、
横にあるグランドピアノの椅子を机の所に移動させる
「トウマは、そっちのイス座って
俺、ピアノのイスに座るから」
「ありがと
ペットボトルのお茶、買ってきたからゆっくり座りなよ」
お湯を沸かさずに、美味しいご飯にありつけそうだとちょっと嬉しくなる
ここんとこ、学食とカップラーメンの繰り返しだったし
机の高さに合わせて、油圧式のピアノイスの高さをぐいっと下げる
「なにそれ、面白いイス…!」
お弁当を開き、上品そうな割りばしとお手拭きを置きながら、トウマが興味津々といった顔つきで話しかけてくる
「ああ、最近こういうイスが多いんだよね
高さ変えられて便利で」
「へ~~どっちのお茶がいい?」
「選んでいいの?じゃ、玉露の方にしようかな」
トウマが持ってきたお弁当というのは、お気に入りの「割烹」で作ってもらったもののようだ
高そうな割りばしに書かれた店名は、俺でも見たことのある名店だ
「なに?このお弁当、めっちゃ高いやつなんじゃないの?」
「ここのお店、弁当でも美味しいんだよね、食べよう」
さすが、開業医の息子…!
弁当でも、コンビニ弁当じゃないんだな…
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