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第3章 関係の変化

第5話 これが俺たちの大学での日常 ヨシユキ(攻め)視点

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※エロなし

「ツキイチ会」後に、恐らく俺がユウキに一番最初に会う

大学生活が始まってから、それが俺のちょっとした優越感につながっている

俺たちの中で、トウマが一番最初にユウキとカラダを繋げ、シゲルはユウキに童貞を捧げ一時期は付き合っていた
この表現しづらい関係の中で、うっかり出遅れた感のある俺は
悔し紛れに高校3年の秋に、ユウキと同じ大学の同じ学科に志望校を変更した

親からは「頼むから国立大学に行ってくれ」と言われていたが、
ユウキの志望する大学は卒業後も太いコネクションができる有名な私立大学
卒業後のことも考えて、奨学金をもらってバイトしながら通うと説得した学業成績優秀な俺に
親もあっさり折れた


そもそも、絶対に合格圏内と言われていた高校受験に
まさかの体調不良で落ち、滑り止めで受けていたお坊ちゃま大学の付属高校に進学することになったことから
俺の人生はガラリと変わった

そこで出会ったのが、
資産家の息子で、初等部からの持ち上がりのシゲルと
開業医の3男坊で中等部からの持ち上がりのトウマ
そして、帰国子女で中等部からの持ち上がりのユウキ

中小企業に勤める父親とパート主婦、妹との4人家族というごくごくありきたりな家に生まれた自分は
それまで、特別貧乏と感じたことはなかった

ところが、このお坊ちゃま高校に進学して、俺が付き合う人間もガラリと変わったと思う
初等部からの生粋のお坊ちゃまのシゲルは、学校も運転手が送り迎えしていたし
トウマもここいらでは有名な総合病院の息子だ

そんな中でちょっと浮いていた俺に話しかけてきたのがユウキだった
特待生で入った俺は、成績が下がると奨学金がストップするから、いわゆるガリ勉野郎
偶然横の席だったユウキは、勉強はあんまり好きじゃないんだよね、と言いながら
ゆるりと平均点を取っていくスタイル

偶然横の席に座りながらも、それほど距離は縮まらない中で迎えた1年秋の合唱コンクール
ユウキがピアノを弾く姿に度肝を抜かれた

音楽なんてこれっぽっちも興味がない俺でも分かる
こいつ、ちょっとピアノ習ってます、ってレベルじゃないだろうという演奏

横でヒソヒソとクラスメイトが噂する

やっぱり〇〇さんの息子だよね
国際的指揮者のDNAをもってるから
お母さまもヴァイオリニストなんでしょ?

このクラスの中で、わりと俺よりの生活環境なのかと勝手に思っていた俺は
ハンマーで頭をカチ割られるくらいの衝撃を受けた


────なんだよ
資産家とか総合病院とか、そんなの遥かに超えた家のヤツだったのかよ────

自分が勝手に思っていた印象と違うことにイライラしながら
教室に帰って机に座ると、横の席に座るユウキは、今まで通りの普通の男だ

「ピアノ、すげぇじゃん」
ポツリと話しかけると

「勉強とかスポーツとかさ、他のことに才能があったらよかったんだけどね…
遺伝子って残酷だよね」

窓の外をぼんやり眺めながら、ぼやく

「ヨシユキはさ、特待生で入るくらい成績良くて、入ったあとも努力してんじゃん
俺もさ、音楽以外がホントはよかったけど、やるしかないのかなって
お前見てて、俺も努力するしかないなって思ってるよ」

「なに?俺なんかに影響受けた?」

からかってやろうかと言った言葉に

「受けてる
お前、学校生活楽しもうタイプじゃないし」

笑顔で返す

ちょっとした会話だった

俺たちが打ち解けたのは、この時からで

まさか毎月、4人でセックスするような仲になるとは思いもよらなかったけど────


今は同じ大学の同じ学科
取ってるクラスもほとんど一緒
平日は毎日顔を合わせ、「ツキイチ会」へも大学から一緒に行く

まぁ、今回は俺のバイト先がクソすぎて途中離脱したわけだけど…
それでも、今では俺が一番長く時間を一緒に過ごしているはずだ

「ヨシユキ、今日もバイトあるの?」

4限目の前に聞いてくる
ユウキがこうやって聞いてくるってことは、誘ってるってことで

「今日は6時から
4限終わってから、3号棟でいい?」

一昨日、「ツキイチ会」があってもコレだ
俺が同じ大学にいなかったら、どうなってたんだろう

そこら中にオトコに色気使ってたんじゃないかと疑うレベル

ふふ、と上機嫌にノートを取り出すユウキの姿

「喉の奥までガツガツ犯してやるよ」

耳元でそっと囁いて、4限の授業が始まった
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