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 階段を登って、フロアを進む内に、賢者の塔の法則が解ってきた。最初に二枚の扉、そこからどんどん扉の数は増え、最後に十枚の扉が出現して、そこを出ると安全地帯へ行ける、階段のフロアへ辿り着くのだ。


つまりは、9回化物を倒し、9回扉の謎を解くと、その度に付加魔法を手に入れ、階段が出現する安全地帯となる。

「これ、最初に教えてくれたら良かったのに」

「まぁ、それを含め、テストのようなモノだから仕方あるまい」

「そうだけど、王様は前回誰とこの塔に登ったの?」

「それが解らないんだ」

「えーー!?もしかして、抹消されたりしないよね、僕」

「そんなこと……ない、と、思う」

「ちょっとちょっと!!しっかり否定してよ、不安になるだろ、え?まじなの、怖すぎるんだが、塔から出たとたん抹殺されないよね、ねぇ、ちょっと」


「ならば、そなたをここから出たら、伴侶にする、それならば誰もそなたに危害を加えたりできない」
「は?」

「伴侶にするから、安心するがいい」

「いや、まってよ、伴侶って、アルと番うってこと?」

「だめか?私はリーンがいい」

「いやでも、僕は、お妃様なんてがらじゃないし、それに僕の人生は、ずっと本読んで過ごしたいだけだし」

「王宮図書には門外不出の禁書が山のようにある、だが、王族しか読む権利がない」

「まって、まじで、真剣に考える……アルは、アルファだもんな、俺はオメガだし、番にはなれるけど」

「けど?」

「お前、婚約者とかいるんじゃないの?普通に」

「いるが、破談にする」

ジリジリと、近付いてくる、アルケルトに、少しづつ距離をとるリーン。

「いや、でもさ、身分差が」
「番になってしまったら、誰にも引き裂けない」

「いや、でも、僕、アルのこと」
「嫌か?」

いつの間にか、壁に追い詰められ、手を握られ、リーンは、あわあわと、どうして良いかわからず、アルの服を掴んだ。

「いや……じゃ、ない、けど」
「嫌じゃないなら、私の番になってくれ」

「禁書読める?」
「読み放題だ、なんなら、他国の本もそなたに貢ごう、図書館も建てていい」

「アル、かっこよく思えてきた、好きかも」
「そなた、げんきんだな……なら、約束だ」

アルは、リーンの薬指にちゅと、口付けし、自分のはめていた指輪を贈った。













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