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てんやわんやの食卓に、青ざめて座っているリズ。
ティシュカは、必死の形相、リュカにナイフを投げそうな勢いで怒鳴る。
「お前は、いつも自由過ぎるんだよ」
「んだよ、ティシュカの方が年上なんだから我慢しろよ」
「ティシュカちょっと代わってあげなさいな」
「母上、ブランコの順番代わるみたいに軽く言わないでください!!将軍職なんてそんな気軽にかわれるわけないでしょ」
「一年間だけつってんだろ、我慢しろよ」
「その一年が重いってんだよ、こっちは、俺は技術者だぞ、サリザーラの水脈管理とか影で良い仕事してんだよ、暇じゃねーんだよ」
伯爵は、喧嘩をし出した兄弟を何とか宥めようとた、ここはまぁ、兄の方を、兄だしと。
「ティシュカまぁ、落ち着いて、補佐はセブルカがしてくれるらしいから」
「ならオルカ兄さんが、兼任すれば良いでしょ、愛しのセブルカと」
「んなっ!!」
伯爵は、なるほどと頷き、それもそうねと、母は、目を輝かせ、長兄は固まり、次男は自分で言ったこと天才かと自画自賛し、末の弟はどっちでもいいよと、可愛いリズに見とれている。
可哀想にリズは、おろおろと、目を泳がせ、食事をぽろぽろ落としてしまっている。
こほん、とわざとらしく咳をして、伯爵はオルカに話を振った。
「そうだな、では、オルカ、代わってあげなさい(一番お兄ちゃんだし)、伯爵領のことは、まぁ、なんとかするから、セブルカも喜ぶだろうし、というか、いい加減にセブルカのことちゃんとしなさい、いつまで決めきれぬのだ情けない…(何でうちの子達、奥手なん、両想いなのに)」
父にそう言われると、オルカも、うーんと、考え込む。領土の管理と、将軍職の両立なんて出来るだろうか。セブルカと話す機会が増えるのはまぁ嫌ではない、てか嬉しい、むしろチャンス、いい加減にもう結婚したい。
「代わるにしても、本当に一年間で良いのかリュカ?」
「あぁ、まぁ、一年有ればいけるっしょ、新人騎士に入るのは冗談だけど、ちょっとドラクロンをぶっ潰す計画を進めようと思ってさ、ただ、将軍が行かなきゃなんない変な式典とかめんどくて、兄さん、領土の事でもあるんだし、兼任してあちこち、セブルカと行ってきてよ、軍を動かしたり細かいのはこっちで指示しとくから」
「ふむ、式典だけで良いなら……って、リュカ、ドラクロン王国に何をするきだ」
「いやもう、最近向こうから茶々入れてくるのがうざくなってきて、もう一気に黙らしとくかと思って、いっとくけど、あっちから仕掛けてきたんだから、自業自得ってやつすよ、俺のリズに手を出したこと百倍返ししとかないと」
たぶん、後半が本音なのではと、家族一同思った。
「あぁ怖い、こんな悪魔みたいな男で、リズさんは本当に良いのか?」
ティシュカが、野菜をぽろぽろしてる、リズを気遣う。リズは、曖昧に頷き、リュカを見つめる。
「ええっと、リュカさん、危ないことはして欲しくないです」
「ん、大丈夫、向こうのやってきたこと、遣り返すだけだから、すっきりして、結婚式あげような」
「すっきり……って」
「ドラクロン王国すっきり、滅ぼして」
「え?え?」
「大掛かりな戦になるなら、将軍として指揮した方が効率よくないか?」
オルカが、首を傾げた。
「いや、今の王を、新しい王にすげ替えるだけだから、どっちかってと、陰謀だから、戦じゃない」
「ほぉ、そういえば、今回、結構な捕虜を捕まえたと言っていたな」
「ええ、芋づる式に、繋がってて、逆に利用しようと思いまして、軍事国家滅ぼして法律国家にしてやりますよ、ちょっとそれに集中したいんで、兄さん頼むよ、一年間だけ」
「まぁ、国防に関してはお前がクライス王家から、一任されているしな、実際、ドラクロンの暴挙は年々増して、何とかせねばならんのは確かだ、解った祭事及び式典はこちらで引き受けよう」
「うぉっし、気が楽になった、ちゃっちゃと終わらす」
リュカがウキウキとメイン料理のステーキに齧り付き、モグモグしてる横で、目を白黒させて、リズは、何度も同じ所を切っている。
(え?え?リュカさんの話は本気の話なの?ドラクロン王国の王を変えるってどうやって?何でみなさん、平然と……サリザーラ家ワカラナイワカラナイワカラナイ)
ティシュカは、必死の形相、リュカにナイフを投げそうな勢いで怒鳴る。
「お前は、いつも自由過ぎるんだよ」
「んだよ、ティシュカの方が年上なんだから我慢しろよ」
「ティシュカちょっと代わってあげなさいな」
「母上、ブランコの順番代わるみたいに軽く言わないでください!!将軍職なんてそんな気軽にかわれるわけないでしょ」
「一年間だけつってんだろ、我慢しろよ」
「その一年が重いってんだよ、こっちは、俺は技術者だぞ、サリザーラの水脈管理とか影で良い仕事してんだよ、暇じゃねーんだよ」
伯爵は、喧嘩をし出した兄弟を何とか宥めようとた、ここはまぁ、兄の方を、兄だしと。
「ティシュカまぁ、落ち着いて、補佐はセブルカがしてくれるらしいから」
「ならオルカ兄さんが、兼任すれば良いでしょ、愛しのセブルカと」
「んなっ!!」
伯爵は、なるほどと頷き、それもそうねと、母は、目を輝かせ、長兄は固まり、次男は自分で言ったこと天才かと自画自賛し、末の弟はどっちでもいいよと、可愛いリズに見とれている。
可哀想にリズは、おろおろと、目を泳がせ、食事をぽろぽろ落としてしまっている。
こほん、とわざとらしく咳をして、伯爵はオルカに話を振った。
「そうだな、では、オルカ、代わってあげなさい(一番お兄ちゃんだし)、伯爵領のことは、まぁ、なんとかするから、セブルカも喜ぶだろうし、というか、いい加減にセブルカのことちゃんとしなさい、いつまで決めきれぬのだ情けない…(何でうちの子達、奥手なん、両想いなのに)」
父にそう言われると、オルカも、うーんと、考え込む。領土の管理と、将軍職の両立なんて出来るだろうか。セブルカと話す機会が増えるのはまぁ嫌ではない、てか嬉しい、むしろチャンス、いい加減にもう結婚したい。
「代わるにしても、本当に一年間で良いのかリュカ?」
「あぁ、まぁ、一年有ればいけるっしょ、新人騎士に入るのは冗談だけど、ちょっとドラクロンをぶっ潰す計画を進めようと思ってさ、ただ、将軍が行かなきゃなんない変な式典とかめんどくて、兄さん、領土の事でもあるんだし、兼任してあちこち、セブルカと行ってきてよ、軍を動かしたり細かいのはこっちで指示しとくから」
「ふむ、式典だけで良いなら……って、リュカ、ドラクロン王国に何をするきだ」
「いやもう、最近向こうから茶々入れてくるのがうざくなってきて、もう一気に黙らしとくかと思って、いっとくけど、あっちから仕掛けてきたんだから、自業自得ってやつすよ、俺のリズに手を出したこと百倍返ししとかないと」
たぶん、後半が本音なのではと、家族一同思った。
「あぁ怖い、こんな悪魔みたいな男で、リズさんは本当に良いのか?」
ティシュカが、野菜をぽろぽろしてる、リズを気遣う。リズは、曖昧に頷き、リュカを見つめる。
「ええっと、リュカさん、危ないことはして欲しくないです」
「ん、大丈夫、向こうのやってきたこと、遣り返すだけだから、すっきりして、結婚式あげような」
「すっきり……って」
「ドラクロン王国すっきり、滅ぼして」
「え?え?」
「大掛かりな戦になるなら、将軍として指揮した方が効率よくないか?」
オルカが、首を傾げた。
「いや、今の王を、新しい王にすげ替えるだけだから、どっちかってと、陰謀だから、戦じゃない」
「ほぉ、そういえば、今回、結構な捕虜を捕まえたと言っていたな」
「ええ、芋づる式に、繋がってて、逆に利用しようと思いまして、軍事国家滅ぼして法律国家にしてやりますよ、ちょっとそれに集中したいんで、兄さん頼むよ、一年間だけ」
「まぁ、国防に関してはお前がクライス王家から、一任されているしな、実際、ドラクロンの暴挙は年々増して、何とかせねばならんのは確かだ、解った祭事及び式典はこちらで引き受けよう」
「うぉっし、気が楽になった、ちゃっちゃと終わらす」
リュカがウキウキとメイン料理のステーキに齧り付き、モグモグしてる横で、目を白黒させて、リズは、何度も同じ所を切っている。
(え?え?リュカさんの話は本気の話なの?ドラクロン王国の王を変えるってどうやって?何でみなさん、平然と……サリザーラ家ワカラナイワカラナイワカラナイ)
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