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予定より大幅に遅れた、オアシスからの出立は、なんだかんだと一週間を超え10日後となった。サララまであと三日間の旅とはいえ、大所帯である、十分に警戒して、万全の態勢で砂漠都市サララへ向かう。
リズも頑張って一人で荷物をラクダに括り付けていると、背後から荷物を支えられた。振り向くと、ゼクスが持ってくれていた。
「あ、ゼクスさん、すみません、ちょっと重たくて上手く縛れなくて」
「大丈夫ですよ、俺がやっちゃいますね、あと、俺がリズ先生の護衛に付くことになったんで、よろしく」
「護衛?ラクダに乗るのを手伝ってくださるんですか?怪我もまだ完治してないのに、申し訳ありません」
「いいの、いいの、俺がやりたくて志願したんだ、怪我手当してくれたり、熱の時優しくしてくれた恩返しってやつよ」
「そんな、医師として当然です」
「医師としてかぁ、そうだよね、ま、これからもっと親睦は深まるかもだしね」
「え?」
「いやいや、こっちのこと、さ、ラクダに乗ろうか」
ぐいっと、お尻をおされて、リズは少しかぁっと赤くなった。
「あ……」
「あぁ、ごめんね、痛かった?」
「大丈夫です、乗れました」
「ん、じゃ、俺は後ろに乗るね」
「はい」
少し不安げなリズの顔を見て、ゼクスはにんまりと笑った。
(やばいな~~リズちゃん、見ればみるほど、可愛いな、う~~ん、この子どうみても、オメガだよな、俺のフェロモンに反応したりしないかな、リュカ将軍とはもう番なのかな)
リズの首にはしっかりと、布が巻かれていて、噛み痕は見えないが、ふんわりと薫る甘い香りはどう考えてもまだ、番がいないような気もした。
モーガン団長の号令の後、隊列を組んで、ラクダに乗った総勢100名の騎士たちは、再び、砂漠の旅にでることとなった。
しばらく何の代わり映えもない砂丘を、らくだに揺られ、または、砂風に吹かれ、進むと、前からキャラバンがやってくるのが見えて、団長が挨拶をし、小休憩をとる。
「この先に野営をするにはよい塔がありますよ」
「へぇ、こんなところに塔がたっているんですか?」
「サララとオアシスの休憩地にと、私たちが少しずつたてたんです」
「なるほど」
確かに地図をみると、×が描かれているばしょがあった。おそらくこれの事だろうと、モーガンとホフマンは確認しあって、行き先を少し反らしてその塔へ向かう事にした。
「では、よい旅を」
「そちらも気を付けて」
すれ違っていった、キャラバンに挨拶をかわし、リズたちは、再びラクダに乗った。後ろから支えてくれているゼクスが、ラクダの綱を引き、尋ねた。
「ねぇ、リズ先生、先生はもうリュカ将軍と番になったの?」
「え?」
「だって、先生オメガでしょ?ずっと甘い香りしててさ」
「あ……えっと、まだ、です」
「ふ~~ん、よく番にならないでいられるよね、やっぱり将軍はモテるから、焦ったりしないのかな、俺ならこんな可愛い子がいたらすぐ番にしちゃうかも」
「そんな、可愛くなんて」
「俺さ、ベータだって言ってたけど、本当はアルファなんだよね」
「え……」
「内緒だよ先生、アルファだってばれると色々面倒でね」
ゼクスが虚偽の報告をしていたことに、リズはどう答えて良いかわからず、だが急に背後にアルファがいる事に不安を覚えた。思わず身を固くしたリズに、ゼクスはわざと体を前に倒して、密着してくる。
「怖がらないで、先生に何もしないよ」
「……」
「怖がるなっていっても、無理かな」
小声で耳元で喋られて、ぞわりとリズは悪寒を感じた。
(モーガン隊長に言ったほうがいい、かな、でも、別に、ゼクスさんは何も、別にしてないけど、どうしよう)
離れたくても、ラクダに乗っている以上は、離れることができない。リュカ以外の人の体温が急に不快に思えてきて、リズは戸惑った。
(リュカさん、怖い)
ぎゅっと目をつぶったとき、空からバサバサっと急降下してきたのは、リュカの鷹だった。
「うわっ、何だこいつ」
「鷹さん」
「キュエ、キュエ」
「うわ、暴れるなよ、なにこの鷹、先生の?」
「いえ、この子はリュカさんの鷹で」
「あ~~~なるほど」
しれっと、リズの肩に止まって、羽を広げ、ゼクスとの間に割り込んだ鷹は、金の目で、ゼクスをじろりと睨みつけた。
「はぁ、解ったよ、悪かったよ」
ゼクスは鷹に謝ると、まじめにラクダを前に進めることにに専念することにした。
(やれやれ、鬼の居ぬ間になんて、無理じゃん、こんなに溺愛されちゃって、先生、気づいてるのかねぇ)
嬉しそうに鷹の足の文入れを開けているリズを見つめ、ゼクスははぁっとため息を吐いた。
リズも頑張って一人で荷物をラクダに括り付けていると、背後から荷物を支えられた。振り向くと、ゼクスが持ってくれていた。
「あ、ゼクスさん、すみません、ちょっと重たくて上手く縛れなくて」
「大丈夫ですよ、俺がやっちゃいますね、あと、俺がリズ先生の護衛に付くことになったんで、よろしく」
「護衛?ラクダに乗るのを手伝ってくださるんですか?怪我もまだ完治してないのに、申し訳ありません」
「いいの、いいの、俺がやりたくて志願したんだ、怪我手当してくれたり、熱の時優しくしてくれた恩返しってやつよ」
「そんな、医師として当然です」
「医師としてかぁ、そうだよね、ま、これからもっと親睦は深まるかもだしね」
「え?」
「いやいや、こっちのこと、さ、ラクダに乗ろうか」
ぐいっと、お尻をおされて、リズは少しかぁっと赤くなった。
「あ……」
「あぁ、ごめんね、痛かった?」
「大丈夫です、乗れました」
「ん、じゃ、俺は後ろに乗るね」
「はい」
少し不安げなリズの顔を見て、ゼクスはにんまりと笑った。
(やばいな~~リズちゃん、見ればみるほど、可愛いな、う~~ん、この子どうみても、オメガだよな、俺のフェロモンに反応したりしないかな、リュカ将軍とはもう番なのかな)
リズの首にはしっかりと、布が巻かれていて、噛み痕は見えないが、ふんわりと薫る甘い香りはどう考えてもまだ、番がいないような気もした。
モーガン団長の号令の後、隊列を組んで、ラクダに乗った総勢100名の騎士たちは、再び、砂漠の旅にでることとなった。
しばらく何の代わり映えもない砂丘を、らくだに揺られ、または、砂風に吹かれ、進むと、前からキャラバンがやってくるのが見えて、団長が挨拶をし、小休憩をとる。
「この先に野営をするにはよい塔がありますよ」
「へぇ、こんなところに塔がたっているんですか?」
「サララとオアシスの休憩地にと、私たちが少しずつたてたんです」
「なるほど」
確かに地図をみると、×が描かれているばしょがあった。おそらくこれの事だろうと、モーガンとホフマンは確認しあって、行き先を少し反らしてその塔へ向かう事にした。
「では、よい旅を」
「そちらも気を付けて」
すれ違っていった、キャラバンに挨拶をかわし、リズたちは、再びラクダに乗った。後ろから支えてくれているゼクスが、ラクダの綱を引き、尋ねた。
「ねぇ、リズ先生、先生はもうリュカ将軍と番になったの?」
「え?」
「だって、先生オメガでしょ?ずっと甘い香りしててさ」
「あ……えっと、まだ、です」
「ふ~~ん、よく番にならないでいられるよね、やっぱり将軍はモテるから、焦ったりしないのかな、俺ならこんな可愛い子がいたらすぐ番にしちゃうかも」
「そんな、可愛くなんて」
「俺さ、ベータだって言ってたけど、本当はアルファなんだよね」
「え……」
「内緒だよ先生、アルファだってばれると色々面倒でね」
ゼクスが虚偽の報告をしていたことに、リズはどう答えて良いかわからず、だが急に背後にアルファがいる事に不安を覚えた。思わず身を固くしたリズに、ゼクスはわざと体を前に倒して、密着してくる。
「怖がらないで、先生に何もしないよ」
「……」
「怖がるなっていっても、無理かな」
小声で耳元で喋られて、ぞわりとリズは悪寒を感じた。
(モーガン隊長に言ったほうがいい、かな、でも、別に、ゼクスさんは何も、別にしてないけど、どうしよう)
離れたくても、ラクダに乗っている以上は、離れることができない。リュカ以外の人の体温が急に不快に思えてきて、リズは戸惑った。
(リュカさん、怖い)
ぎゅっと目をつぶったとき、空からバサバサっと急降下してきたのは、リュカの鷹だった。
「うわっ、何だこいつ」
「鷹さん」
「キュエ、キュエ」
「うわ、暴れるなよ、なにこの鷹、先生の?」
「いえ、この子はリュカさんの鷹で」
「あ~~~なるほど」
しれっと、リズの肩に止まって、羽を広げ、ゼクスとの間に割り込んだ鷹は、金の目で、ゼクスをじろりと睨みつけた。
「はぁ、解ったよ、悪かったよ」
ゼクスは鷹に謝ると、まじめにラクダを前に進めることにに専念することにした。
(やれやれ、鬼の居ぬ間になんて、無理じゃん、こんなに溺愛されちゃって、先生、気づいてるのかねぇ)
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