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 僕たちが味を感じるのに最低必要な刺激量の事を、 味覚閾値みかくいきちというらしくて、甘味、塩味、酸味、苦味の順に大きくなるそうな。 つまり、甘味が一番感じ難い味というわけで、昴が、僕の涙に甘味を感じると言うのは、勘違いでなければ、昴のなかでは凄い事なのだそうな。

「甘い、飛羽の涙が甘い、これが甘味」

「昴、どうしたんだよ、、なんて?涙は甘くないんじゃないか?普通はどっちかってと、しょっぱいんじゃないの?味覚バグっちゃった?どうしよ、この子」

オロオロする僕に対して、昴は動揺しつつも口だけは正確に動いた。

「いや、アルファの中には好みのオメガの体液を甘く感じる個体も多数存在するという説がある」

「個体って、え?虫みたいな言い方するなよ、おま、データとられ過ぎて自分のこと実験体みたいに思い込みすぎじゃ、昴しっかりしろって」

呆然としてる昴の頭を掴んで、ぐわんぐわんふってみたが、昴はされるがままになってて、本当に大丈夫か心配になってきた。

「か、カテリーナさん、あの、すばる、おーけー?」

なんだよ、おーけー?って、他に単語知らんのか、あぁ、僕の3年間の英語の授業よ。一体何してた。泣きたい、いや、さっきまで泣いてたんだけど、もう、涙はどっか行っちゃったよ。おセンチな気持ちもグッバイだよ。

「オゥケィ、オゥケィ、スバル、だいじょーぶあるよ」

「なんでエセ中国人みたいな喋り方に……てか、カテリーナさん日本語解るんですか!?そりゃそうか、この人たち天才だったわ」

変な日本語だけど、おそらく通じるのだとしたら、まって、さっきの嫉妬のくだりも解ってて、じゃぁ、あの、グーは、お前ら勝手にヤってろ的なグーだった!?違うんだ、人前でイチャイチャしたいタイプじゃないよ、僕は。

「スバル、アジ、わからなかったアルケド、アマイ、イチバンムズカシイ、ワカルようになったアルヨ」

「うん、アル要らないねぇ、ちょっと気になって話が入ってこないな、でも、説明してくれてありがとう、えーっと?じゃぁ、そろそろ夕飯のデリバリーの時間だし、もっと色んな味、食べてみたら?」

「うん」

素直に昴はピポパとボタン押してデリバリーを頼む。すまんな、なんか御飯のの時間に正確な猫みたいになってて。猫ってね、御飯の時間に厳しいから。ちょっとでも遅れると激怒しちゃうの、昴知らんだろけど、目が本当に三角になるからね。そして、夕飯はもしかして、またあの美味しいお肉だったりするのかな?期待を込めて昴をみつめると。

「肉にした、飛羽が昨日美味しいって言ってたから」

「あぁ、すばるちゃん、僕、本当に君が好き」

もはや、パブロフの犬みたいに、ヨダレが出てきてるよ。条件反射でその内、昴を見るだけでヨダレが出てきそう。昴=御飯はさすがに、恋人に失礼だよな。恋人に……って、そうだ、昴は僕の恋人になったんだっけ?なんかもう、この2日間情報量過多で心が、ドッタンバッタン暴れ過ぎなんだが、そんな中でも、僕は恋に落ちた訳だよな。しかも前途多難な恋に。色んな闇が深いぞ。




















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