20 / 30
20
しおりを挟む
こんな近距離じゃ、会話が聞こえ、、ちゃう?あれ?何を話してる?昴は、ヤァとかしか言ってないけど、もしかしてだけど、あの、日本語じゃなくない?あ、昴が巻き舌でオーケーって言った!!英語じゃん!!ちょ、昴、英会話全部解ってるの?間違い電話ってことないの?国際詐偽かも、もしかしたらこんな金持ちのご子息なら狙われてしまうんじゃ!?
腕を捕えられたまま、はわはわしてる僕をチラッとみて、また昴はオーケーって言った。
あの、僕、外国へ売られたりしないよね?近年オメガの誘拐事件が多発してて、たった今永遠の約束をした恋人を懐疑的な目でみてすまん。
昴はスマホの通話ボタンをポンと終了させると、僕をみた。
「今から来るって」
「ナニガ……くるの?」
若干怯えモードの僕の顔をしげしげと見つめ、昴はまたこてりと小首を傾げた。だから、それ癖か、可愛いんだけど!?
「カテリーナ·フレンスキー」
「か、カテリーナふれんすきぃー?」
「僕の主治医であり、君の主治医でもある」
「あーー、僕の火傷の治療をしてくれた人か!!って、外国人なの、あの、法外な治療費要求されない?はわわわ、どうしよう」
「要求されないよ、年俸制だから、僕に纏わる医療行為は全て含まれての契約だから飛羽は1円も払わなくて良い」
「わーーーも、お前の住んでる世界が異次元、ちゃんと僕と同じ高校生なんだろな?宮之内家って、どんななんだよ、王族じゃなきゃ、公家か?麻呂の事かぇ?とか言っちゃうあれだろ」
「家は、ただの医者家系だよ、まぁたぶん地主だったような」
昴があまり興味なさそうに、ぼんやりと答えるのに対して、根っからの庶民の僕は地主イコールアパート土地収入がっぽりの公式が頭に浮かんだ。
「駐車場いっぱいあるやつだ、アパート土地収入で生きていけるって、まじ憧れ羨ましいーー先祖に感謝だなぁ」
「そうだね」
「あんまり思って無いでしょ、くっそ、自分で稼げる能力のあるやつめぇ」
金は有るところには幾らでもあるんだ、本人が渇望せずとも金の方からやってくる座敷童子体質なんだな昴は。いや、僕は別にそんなにお金にこまってませんけど、それでも桁違いの財力を示されるともはやファンタジーで、興奮しちゃう。昴は、また僕をじーっと見て、お金が欲しいならバイトより芸能へ進んだほうが向いてるんじゃ?なんてそれもファンタジーな。
「飛羽だって、芸能人とかになればすぐ稼げるんじゃないの?」
「まぁね、僕ほどの美少年はなかなかいないけど、そんな上手く行かないのが世の中ってもんだ、顔が良いだけのヤツなんか5万といるんだから、そんな甘くない事を解ってる上に何より面倒なことはしたくない」
「あーー飛羽ぽいね」
「だから僕の印象お前の中でどうなって」
印象について語り合おうとした時、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、と猛烈な勢いでチャイムがめちゃ連打された。主治医の先生が到着したらしいが、昴、主治医の先生に、日本の文化教えてやりなよ、チャイムは1回でいいんだよ。ここがもし狭小アパートなら、隣の人にキレられて壁ドンされるやつやぞ。キレ易い人多いから気を付けたほうが。
昴が扉を開けに行ったので、一応挨拶をせねばと僕も玄関へついていく。扉が開くやいなや、金髪碧眼の美女が入ってきて、昴にガバァッと抱きついた。ヒィィ!!欧米だ!!
「ハローペラぺラペラペラ」
「ハイ」
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「とばね」
「ハロートバネ、ペラペラペラペラカテリーナペラペラペラペラ」
「わー全く聞き取れん!!ハローと名前しか!!」
何だこの突然異世界へ迷い込んだような現状は。とりあえず、国際詐偽ではなさそうで、安心したけど。びくびくしてる僕の手を勝手に握ってブンブンしてくれたカテリーナ·フレンスキーさんは、我が物顔で、僕を引っ張ってリビングへと連れていった。空気を読んでソファーに座ると、カテリーナさんは僕の首を繁々とみつめ、昴に何か言ってる。
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「あぁ、うん」
「ペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「オーケー」
昴に何がしかの指示を与え、カテリーナさんは持っていたバッグから色々と薬剤を取り出し、もしかしてだけど、このひりひりする首のガーゼを取ろうとしてる!?や、やだぁ!!絶対痛い。
「すばるっ、ガーゼとるの?」
「あぁ、消毒するって」
「うわぁぁぁ、こええ、ショック死しそう、昴絶対ここにいて、僕が限界だって言ったら直ちに伝えて、速やかに止めさせて」
「解った、でも、消毒はしないと」
あーーこいつも医者の卵だった消毒に肯定派、医者×医者バザーズ野良猫じゃぁ、勝てねぇ!!カテリーナさん目が、なんかすげえ輝いてる、嗜虐趣味とかないよね?僕はないからね。やさしくしてぇぇ。
「じゃ、剥ぐって」
「ううう、うぁ、いだだだ」
う?あれ?思ったより痛くないか?も?身構えていた身体の力が、少し抜けた。カテリーナさん鼻歌歌いながらよく、そんなグロい傷跡を直視して手際よく消毒してくれる。昴も横でガン見してるし、なんだこれ、恥ずかしいんだが、あんま見るなよぉ。人にこんなに首を見られるってハズかったっけ?ううう、今、身体で一番敏感な所だからか、急所だからか、それとも失敗した証の恥部だからか、めっちゃゾワゾワする。お前は見るなってば。こちらの羞恥を悟りもせず昴はその視線を反らすことはなかった。
腕を捕えられたまま、はわはわしてる僕をチラッとみて、また昴はオーケーって言った。
あの、僕、外国へ売られたりしないよね?近年オメガの誘拐事件が多発してて、たった今永遠の約束をした恋人を懐疑的な目でみてすまん。
昴はスマホの通話ボタンをポンと終了させると、僕をみた。
「今から来るって」
「ナニガ……くるの?」
若干怯えモードの僕の顔をしげしげと見つめ、昴はまたこてりと小首を傾げた。だから、それ癖か、可愛いんだけど!?
「カテリーナ·フレンスキー」
「か、カテリーナふれんすきぃー?」
「僕の主治医であり、君の主治医でもある」
「あーー、僕の火傷の治療をしてくれた人か!!って、外国人なの、あの、法外な治療費要求されない?はわわわ、どうしよう」
「要求されないよ、年俸制だから、僕に纏わる医療行為は全て含まれての契約だから飛羽は1円も払わなくて良い」
「わーーーも、お前の住んでる世界が異次元、ちゃんと僕と同じ高校生なんだろな?宮之内家って、どんななんだよ、王族じゃなきゃ、公家か?麻呂の事かぇ?とか言っちゃうあれだろ」
「家は、ただの医者家系だよ、まぁたぶん地主だったような」
昴があまり興味なさそうに、ぼんやりと答えるのに対して、根っからの庶民の僕は地主イコールアパート土地収入がっぽりの公式が頭に浮かんだ。
「駐車場いっぱいあるやつだ、アパート土地収入で生きていけるって、まじ憧れ羨ましいーー先祖に感謝だなぁ」
「そうだね」
「あんまり思って無いでしょ、くっそ、自分で稼げる能力のあるやつめぇ」
金は有るところには幾らでもあるんだ、本人が渇望せずとも金の方からやってくる座敷童子体質なんだな昴は。いや、僕は別にそんなにお金にこまってませんけど、それでも桁違いの財力を示されるともはやファンタジーで、興奮しちゃう。昴は、また僕をじーっと見て、お金が欲しいならバイトより芸能へ進んだほうが向いてるんじゃ?なんてそれもファンタジーな。
「飛羽だって、芸能人とかになればすぐ稼げるんじゃないの?」
「まぁね、僕ほどの美少年はなかなかいないけど、そんな上手く行かないのが世の中ってもんだ、顔が良いだけのヤツなんか5万といるんだから、そんな甘くない事を解ってる上に何より面倒なことはしたくない」
「あーー飛羽ぽいね」
「だから僕の印象お前の中でどうなって」
印象について語り合おうとした時、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、と猛烈な勢いでチャイムがめちゃ連打された。主治医の先生が到着したらしいが、昴、主治医の先生に、日本の文化教えてやりなよ、チャイムは1回でいいんだよ。ここがもし狭小アパートなら、隣の人にキレられて壁ドンされるやつやぞ。キレ易い人多いから気を付けたほうが。
昴が扉を開けに行ったので、一応挨拶をせねばと僕も玄関へついていく。扉が開くやいなや、金髪碧眼の美女が入ってきて、昴にガバァッと抱きついた。ヒィィ!!欧米だ!!
「ハローペラぺラペラペラ」
「ハイ」
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「とばね」
「ハロートバネ、ペラペラペラペラカテリーナペラペラペラペラ」
「わー全く聞き取れん!!ハローと名前しか!!」
何だこの突然異世界へ迷い込んだような現状は。とりあえず、国際詐偽ではなさそうで、安心したけど。びくびくしてる僕の手を勝手に握ってブンブンしてくれたカテリーナ·フレンスキーさんは、我が物顔で、僕を引っ張ってリビングへと連れていった。空気を読んでソファーに座ると、カテリーナさんは僕の首を繁々とみつめ、昴に何か言ってる。
「ペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「あぁ、うん」
「ペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ、ペラペラペラペラペラペラ」
「オーケー」
昴に何がしかの指示を与え、カテリーナさんは持っていたバッグから色々と薬剤を取り出し、もしかしてだけど、このひりひりする首のガーゼを取ろうとしてる!?や、やだぁ!!絶対痛い。
「すばるっ、ガーゼとるの?」
「あぁ、消毒するって」
「うわぁぁぁ、こええ、ショック死しそう、昴絶対ここにいて、僕が限界だって言ったら直ちに伝えて、速やかに止めさせて」
「解った、でも、消毒はしないと」
あーーこいつも医者の卵だった消毒に肯定派、医者×医者バザーズ野良猫じゃぁ、勝てねぇ!!カテリーナさん目が、なんかすげえ輝いてる、嗜虐趣味とかないよね?僕はないからね。やさしくしてぇぇ。
「じゃ、剥ぐって」
「ううう、うぁ、いだだだ」
う?あれ?思ったより痛くないか?も?身構えていた身体の力が、少し抜けた。カテリーナさん鼻歌歌いながらよく、そんなグロい傷跡を直視して手際よく消毒してくれる。昴も横でガン見してるし、なんだこれ、恥ずかしいんだが、あんま見るなよぉ。人にこんなに首を見られるってハズかったっけ?ううう、今、身体で一番敏感な所だからか、急所だからか、それとも失敗した証の恥部だからか、めっちゃゾワゾワする。お前は見るなってば。こちらの羞恥を悟りもせず昴はその視線を反らすことはなかった。
980
お気に入りに追加
1,335
あなたにおすすめの小説
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
罪人の僕にはあなたの愛を受ける資格なんてありません。
にゃーつ
BL
真っ白な病室。
まるで絵画のように美しい君はこんな色のない世界に身を置いて、何年も孤独に生きてきたんだね。
4月から研修医として国内でも有数の大病院である国本総合病院に配属された柏木諒は担当となった患者のもとへと足を運ぶ。
国の要人や著名人も多く通院するこの病院には特別室と呼ばれる部屋がいくつかあり、特別なキーカードを持っていないとそのフロアには入ることすらできない。そんな特別室の一室に入院しているのが諒の担当することになった国本奏多だった。
看護師にでも誰にでも笑顔で穏やかで優しい。そんな奏多はスタッフからの評判もよく、諒は楽な患者でラッキーだと初めは思う。担当医師から彼には気を遣ってあげてほしいと言われていたが、この青年のどこに気を遣う要素があるのかと疑問しかない。
だが、接していくうちに違和感が生まれだんだんと大きくなる。彼が異常なのだと知るのに長い時間はかからなかった。
研修医×病弱な大病院の息子
Ωの不幸は蜜の味
grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。
Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。
そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。
何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。
6千文字程度のショートショート。
思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。
王と正妃~アルファの夫に恋がしてみたいと言われたので、初恋をやり直してみることにした~
仁茂田もに
BL
「恋がしてみたいんだが」
アルファの夫から突然そう告げられたオメガのアレクシスはただひたすら困惑していた。
政略結婚して三十年近く――夫夫として関係を持って二十年以上が経つ。
その間、自分たちは国王と正妃として正しく義務を果たしてきた。
しかし、そこに必要以上の感情は含まれなかったはずだ。
何も期待せず、ただ妃としての役割を全うしようと思っていたアレクシスだったが、国王エドワードはその発言以来急激に距離を詰めてきて――。
一度、決定的にすれ違ってしまったふたりが二十年以上経って初恋をやり直そうとする話です。
昔若気の至りでやらかした王様×王様の昔のやらかしを別に怒ってない正妃(男)
理香は俺のカノジョじゃねえ
中屋沙鳥
BL
篠原亮は料理が得意な高校3年生。受験生なのに卒業後に兄の周と結婚する予定の遠山理香に料理を教えてやらなければならなくなった。弁当を作ってやったり一緒に帰ったり…理香が18歳になるまではなぜか兄のカノジョだということはみんなに内緒にしなければならない。そのため友だちでイケメンの櫻井和樹やチャラ男の大宮司から亮が理香と付き合ってるんじゃないかと疑われてしまうことに。そうこうしているうちに和樹の様子がおかしくなって?口の悪い高校生男子の学生ライフ/男女CPあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる