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 とりあえずピザで、難を逃れた訳だが、腹が満たされて、急激に眠くなってきた。やばいご飯食べたら寝るって赤ちゃんかよ、カッコ悪い。無理やり目を見開いて、僕達はとりあえずだらだらとテレビを見る事にしたわけだけど、あまりに眠くて全然内容が入ってこないんだが。

「とばね、飛羽?眠いの?ベットで寝る?」
「んぁっ、やべ。いま目を開けながら寝てたわ、いや、まだ起きてますけど?昴こそ、眠いなら寝たまえ」

別に寝たら負けとかないんだが、年上として先に寝るのが癪というか。ひ、人様のベットだし?さっきは占領してねたけどさぁ、よく考えたら僕、昴のこと年とか剣道やってたとかその程度しかしらないのに、泊まるって、迷惑過ぎるのではと、夜中の0時近くで、やっと気づいた。

晴海先輩の事が余りに腹ただしくて、昴への配慮がゼロだったんだけど、ふと、冷静になると、僕、めちゃくちゃ迷惑なヤツなんよ。

「あ、あのさ昴、明日ちゃんと帰るから、今晩だけとめてよね」
「帰るの?いつまでても居て良いのに」
「いや、でもお前だって忙しいだろ?剣道とか」
「夏休みだから、自由練習」
「へ、そーなの……なら良いの?かよ」

「うん、せっかくだし、暫くいてよ」
「おーーあれれ、懐かれちゃったかな?美少年の僕に年下君が懐いてしまったのかなぁ」

ふはは、とうとう僕の魅力に気づいたのか?手離せなくなってきてんじゃないの?得意気にそういったら、昴のやつ、僕の鼻をくいっと掴んだ。

「ふんぁっ!?いひゃい!!」
「もう寝よう、僕はソファーで寝るから、飛羽はベット使って」

「それは……いや、一緒にベットいこうぜ、いいじゃん、ダメか?」

流石に家主をソファーで寝させるのは、申し訳ない昴のベットは、ダブルサイズのでっかいベットだから、全然二人で寝れるし。

「飛羽が良いなら」
「良いよ」

ぼうっと立ってる昴の手を引いて、ベットへ連れていって、ボンッと背中を押した。素直にそのまま昴はベットに入り、布団をかけて、電気を消す。

窓から差し込む月明かりで、意外と明るい。

「なぁ、昴は誰かを好きになったことある?」

寝ようっていったのに、つい話しちゃった。昴は返事をしないから、寝たのかな、僕も眠くてうとうとしてたら。

「無いよ」

って低い声が聞こえた。無いんかい。無いのかーーそれは羨ましいね。僕は何か言おうとして口を開けたんだけどそのまま眠ってしまった。

夢の中、晴海先輩が出てきて、飛羽やっぱり君が好きだなんて言う。僕は嘘だって解ってて、差し出された手を喜んで掴む自分を見てた。嘘つき、大嫌い、二度とあなたに恋なんかしない、もう会わない。もう会えない。もうただの他人。楽しかった時間が、偽物だったなんてね。いつから、どこから嘘だったのかな。バカな僕。





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