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三章 総統閣下の無くしもの
25 「……お前って結構嫉妬する方?」
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「刹那」
「ん?」
「俺にも、祝福を」
「レインに必要か?」
久寿米木(くすめぎ)が<異能>を展開しているのを待っている間、俺とレインは並んで立っていた。
レインが俺の手を掬い上げ、爪先に唇を落とす。
気恥ずかしさに手を引こうとするも、力が入っていないように見えてビクともしない。
「他の者には与えただろう?」
「……お前って結構嫉妬する方?」
「いや」
レインは唇の端を上げて、ゆるりと否定する。
「結構、どころではないな」
「ひぇ……」
「許せるのはベスくらいだ」
今度は本能的な恐怖で手を引こうとするも、やはりビクともしなかった。
だから握り返してみると、意外そうに眉を上げたレインが口元を綻ばせる。
嫉妬なんてしなくても、俺はレインが初恋だしおそらく最後の恋なのに。
(仕方ないな……)
手のひら同士を結ぶように俺の<異能>の糸がレインの手に絡みつき、そっと強化する。
――『無*両*』"ラ*ク**"
(……ん、なんだ? 今、何かおかしかったような)
目をしばたたかせる。
強化する際に見えたレインの<異能>が、『一切両断』じゃないように思えた。
一瞬だったし、ノイズのようなものがあってよくわからなかったが。
今は間違いなく『一切両断』だ。
(気のせいか……?)
<異能>が別物に変化することはあり得る。
心と体によって使用する<異能>は、心体に大きな変化があれば変わることもあった。
しかしほとんどは成長期に大きなショックがあった子どもか、出産を経験した女性、九死に一生を得た人などだ。
その上、変化するのは非常に稀。
同じ体験をした人が10000人いたとして、変化するのはその中の1人以下だと言われている。
レインの<異能>が今変化するという可能性は限りなくゼロに近い。
「――いました!」
俺の思考は、鋭さを帯びた久寿米木の声で中断した。
「不可思議阿摩羅です……でも……そんな……!」
驚愕の表情を浮かべ、久寿米木は下を――俺たちの足元を指差す。
「そこに……下の階に、います!」
「――灯台もと暗しってやつか……!」
俺が舌打ちしたのと同時に、レインとベスが俺を抱え飛び退いた。
テトロさんは3人のセバスチャン達が一糸乱れぬ動きで遠くまで運ぶ。
途端に俺たちが立っていた床が――サメを形作っていた水が染み込んだコンクリートが、ビシビシと音を立てて崩壊した。
「――見つかってしまいましたか」
床にぽっかりと空いた穴。
鉄骨の骨組みの間から、低く地を這うような声がする。
レインがビルごと鉄骨を両断すると蜃気楼のように立つ男が現れた。
瓦礫は彼を避けるように落ち、その身にかすり傷のひとつも無い。
階下はいつの間にか水浸しになっていた。
おそらく水道水であろう透明な水を足元に集めて器用に操り、阿摩羅は自らを屋上へ運ぶ。
トン、と軽やかに屋上へ降り立った阿摩羅はもうフードを被っていなかった。
無理に強化した<異能>を使い続け、痩せこけた頬が風に晒される。
「不可思議阿摩羅、お前にもう勝ち目は無い。投降しろ」
「阿僧祇刹那……大罪人めが、私に指図するな」
阿摩羅の目は爛々と輝き俺に憎悪を向けていた。
「俺は地球で生まれ育った、この世界の人間だ。『レーギア』の言いなりになる義理は無い」
「黙れ……黙れ大罪人! 貴様は反抗のみならず、我が主を弑(しい)した!」
「は……? 俺がレインを、殺した……?」
俺の知る限り、我が主と阿摩羅が呼ぶのはレインだけだ。
それとも『レーギア』の誰かのことだろうか。
しかし俺は誰のことも知らない。
モリノミヤ曰く、俺達はレーギア人の夢から直接地球に送り込まれるから、モリノミヤ自身もレーギアの記憶などは無いという。
だから過去に何かがあったわけでもないはずなのだが、阿摩羅はそうは思わないようだ。
「とぼけたフリを……やはり、やはりやはりやはり! 貴様だけは許さない、阿僧祇刹那!!」
阿摩羅が叫ぶと、周囲に染み込んだ水が振動した。
俺たちに緊張が走る中、阿摩羅は自らの首にナイフを当てる。
「阿摩羅、何を――」
「私も貴様を奪ってやる……この体、ここで屠る!」
「……え?」
「……"え?"」
あまりにも素できょとんとしてしまった俺に、阿摩羅も驚いたのか動きを止めた。
水の振動は続いているが、俺達の間に奇妙な沈黙が落ちる。
「――その体って、俺なの?」
「な――何を言っている、貴様」
「確かに俺そっくりだけど、俺はもうここにいるし……」
俺は阿摩羅の体を自分だと思ったことはなかった。
どんなにそっくりでも、自分で自分の顔を見たところでもう1人自分がいるとは思えない。
せいぜいが鏡を見た時と同じ心境だ。
その上阿摩羅という人格が宿って俺の予想外の動きをしている。
だから俺とは全く別の、ただ似ている何かだと思っていた。
「――それが刹那の体だというなら、返してもらわなければな」
膠着状態に陥りかけた俺達の間に割り込んできたのはレインだ。
「我が主、いくらあなた様でも手出しをすればこの体を――」
「案ずるな。もう終わっている」
「なん――」
阿摩羅の言葉が最後まで続けられることはなかった。
糸が切れたように体から力が抜け、ナイフがカランと床に転がる。
眠るように目を伏せた阿摩羅の体が倒れ伏す前にレインが支えた。
「レイン、そんな無防備に……」
「大丈夫、刹那っち。あれはもう阿摩っちじゃないからさぁ」
「モリノミヤ!?」
ふいに背後からモリノミヤの声がして振り向く。
いつの間に起きたのか、台車を押して立っていた。
台車には俺が入っていた改造人間の体が、拘束された状態で寝かされている。
「なんでその体をこんなとこに……」
「レインくんは強化された『一切両断』で、精神体の阿摩っちだけを"切り離した"。今も寄れば殺すと言わんばかりに警戒しているからもう一度あの体に入るのは不可能。レーギアと違って地球上じゃ精神体は形を保てないから、今の阿摩っちは必死に体を探している。そこで――」
モリノミヤはアリの巣を観察する小学生のような顔で、改造人間の体を指差した。
――直後、意志を持たず眠り続けていたはずの改造人間の体が、ハッと身じろぐ。
「この場で唯一乗っ取り可能の、誰も入ってない体に入っちゃうってワケ。どう阿摩っち、居心地は」
「ゥ……オエッ、ゲホッ、ウェエ……ッ」
「あらら吐いちゃった。辛いよねえ崩壊寸前の体だもんね、<異能>は絶対使えないよ!」
「モリ、ノ、ミヤ、きさ、ま……!」
胃液を嘔吐しながら睨みつける阿摩羅を、モリノミヤはニコニコと無邪気に見下ろしていた。
「精神系能力者を生かさず殺さずの尋問するのはボクが適任だよね。任せされていい?」
「見張りはつけるわよぉ。セバスチャン」
「はい」
「久寿米木、お前も行け」
「は、はい」
モリノミヤの提案に、両組織トップは1人ずつ監視をつけることを条件に了承する。
――かくして、不可思議阿摩羅による全世界洗脳・鮫事件は幕引きを迎えた。
世界を揺るがした大事件だったが、終わる時はあっけないものだ。
被害はかなりあったが、奇跡的に死者はゼロ。
世界中が喝采を上げ、何日にも渡ってお祭りムードが続いた。
***
そして、俺こと阿僧祇刹那は――
――――レインから逃げていた。
「ん?」
「俺にも、祝福を」
「レインに必要か?」
久寿米木(くすめぎ)が<異能>を展開しているのを待っている間、俺とレインは並んで立っていた。
レインが俺の手を掬い上げ、爪先に唇を落とす。
気恥ずかしさに手を引こうとするも、力が入っていないように見えてビクともしない。
「他の者には与えただろう?」
「……お前って結構嫉妬する方?」
「いや」
レインは唇の端を上げて、ゆるりと否定する。
「結構、どころではないな」
「ひぇ……」
「許せるのはベスくらいだ」
今度は本能的な恐怖で手を引こうとするも、やはりビクともしなかった。
だから握り返してみると、意外そうに眉を上げたレインが口元を綻ばせる。
嫉妬なんてしなくても、俺はレインが初恋だしおそらく最後の恋なのに。
(仕方ないな……)
手のひら同士を結ぶように俺の<異能>の糸がレインの手に絡みつき、そっと強化する。
――『無*両*』"ラ*ク**"
(……ん、なんだ? 今、何かおかしかったような)
目をしばたたかせる。
強化する際に見えたレインの<異能>が、『一切両断』じゃないように思えた。
一瞬だったし、ノイズのようなものがあってよくわからなかったが。
今は間違いなく『一切両断』だ。
(気のせいか……?)
<異能>が別物に変化することはあり得る。
心と体によって使用する<異能>は、心体に大きな変化があれば変わることもあった。
しかしほとんどは成長期に大きなショックがあった子どもか、出産を経験した女性、九死に一生を得た人などだ。
その上、変化するのは非常に稀。
同じ体験をした人が10000人いたとして、変化するのはその中の1人以下だと言われている。
レインの<異能>が今変化するという可能性は限りなくゼロに近い。
「――いました!」
俺の思考は、鋭さを帯びた久寿米木の声で中断した。
「不可思議阿摩羅です……でも……そんな……!」
驚愕の表情を浮かべ、久寿米木は下を――俺たちの足元を指差す。
「そこに……下の階に、います!」
「――灯台もと暗しってやつか……!」
俺が舌打ちしたのと同時に、レインとベスが俺を抱え飛び退いた。
テトロさんは3人のセバスチャン達が一糸乱れぬ動きで遠くまで運ぶ。
途端に俺たちが立っていた床が――サメを形作っていた水が染み込んだコンクリートが、ビシビシと音を立てて崩壊した。
「――見つかってしまいましたか」
床にぽっかりと空いた穴。
鉄骨の骨組みの間から、低く地を這うような声がする。
レインがビルごと鉄骨を両断すると蜃気楼のように立つ男が現れた。
瓦礫は彼を避けるように落ち、その身にかすり傷のひとつも無い。
階下はいつの間にか水浸しになっていた。
おそらく水道水であろう透明な水を足元に集めて器用に操り、阿摩羅は自らを屋上へ運ぶ。
トン、と軽やかに屋上へ降り立った阿摩羅はもうフードを被っていなかった。
無理に強化した<異能>を使い続け、痩せこけた頬が風に晒される。
「不可思議阿摩羅、お前にもう勝ち目は無い。投降しろ」
「阿僧祇刹那……大罪人めが、私に指図するな」
阿摩羅の目は爛々と輝き俺に憎悪を向けていた。
「俺は地球で生まれ育った、この世界の人間だ。『レーギア』の言いなりになる義理は無い」
「黙れ……黙れ大罪人! 貴様は反抗のみならず、我が主を弑(しい)した!」
「は……? 俺がレインを、殺した……?」
俺の知る限り、我が主と阿摩羅が呼ぶのはレインだけだ。
それとも『レーギア』の誰かのことだろうか。
しかし俺は誰のことも知らない。
モリノミヤ曰く、俺達はレーギア人の夢から直接地球に送り込まれるから、モリノミヤ自身もレーギアの記憶などは無いという。
だから過去に何かがあったわけでもないはずなのだが、阿摩羅はそうは思わないようだ。
「とぼけたフリを……やはり、やはりやはりやはり! 貴様だけは許さない、阿僧祇刹那!!」
阿摩羅が叫ぶと、周囲に染み込んだ水が振動した。
俺たちに緊張が走る中、阿摩羅は自らの首にナイフを当てる。
「阿摩羅、何を――」
「私も貴様を奪ってやる……この体、ここで屠る!」
「……え?」
「……"え?"」
あまりにも素できょとんとしてしまった俺に、阿摩羅も驚いたのか動きを止めた。
水の振動は続いているが、俺達の間に奇妙な沈黙が落ちる。
「――その体って、俺なの?」
「な――何を言っている、貴様」
「確かに俺そっくりだけど、俺はもうここにいるし……」
俺は阿摩羅の体を自分だと思ったことはなかった。
どんなにそっくりでも、自分で自分の顔を見たところでもう1人自分がいるとは思えない。
せいぜいが鏡を見た時と同じ心境だ。
その上阿摩羅という人格が宿って俺の予想外の動きをしている。
だから俺とは全く別の、ただ似ている何かだと思っていた。
「――それが刹那の体だというなら、返してもらわなければな」
膠着状態に陥りかけた俺達の間に割り込んできたのはレインだ。
「我が主、いくらあなた様でも手出しをすればこの体を――」
「案ずるな。もう終わっている」
「なん――」
阿摩羅の言葉が最後まで続けられることはなかった。
糸が切れたように体から力が抜け、ナイフがカランと床に転がる。
眠るように目を伏せた阿摩羅の体が倒れ伏す前にレインが支えた。
「レイン、そんな無防備に……」
「大丈夫、刹那っち。あれはもう阿摩っちじゃないからさぁ」
「モリノミヤ!?」
ふいに背後からモリノミヤの声がして振り向く。
いつの間に起きたのか、台車を押して立っていた。
台車には俺が入っていた改造人間の体が、拘束された状態で寝かされている。
「なんでその体をこんなとこに……」
「レインくんは強化された『一切両断』で、精神体の阿摩っちだけを"切り離した"。今も寄れば殺すと言わんばかりに警戒しているからもう一度あの体に入るのは不可能。レーギアと違って地球上じゃ精神体は形を保てないから、今の阿摩っちは必死に体を探している。そこで――」
モリノミヤはアリの巣を観察する小学生のような顔で、改造人間の体を指差した。
――直後、意志を持たず眠り続けていたはずの改造人間の体が、ハッと身じろぐ。
「この場で唯一乗っ取り可能の、誰も入ってない体に入っちゃうってワケ。どう阿摩っち、居心地は」
「ゥ……オエッ、ゲホッ、ウェエ……ッ」
「あらら吐いちゃった。辛いよねえ崩壊寸前の体だもんね、<異能>は絶対使えないよ!」
「モリ、ノ、ミヤ、きさ、ま……!」
胃液を嘔吐しながら睨みつける阿摩羅を、モリノミヤはニコニコと無邪気に見下ろしていた。
「精神系能力者を生かさず殺さずの尋問するのはボクが適任だよね。任せされていい?」
「見張りはつけるわよぉ。セバスチャン」
「はい」
「久寿米木、お前も行け」
「は、はい」
モリノミヤの提案に、両組織トップは1人ずつ監視をつけることを条件に了承する。
――かくして、不可思議阿摩羅による全世界洗脳・鮫事件は幕引きを迎えた。
世界を揺るがした大事件だったが、終わる時はあっけないものだ。
被害はかなりあったが、奇跡的に死者はゼロ。
世界中が喝采を上げ、何日にも渡ってお祭りムードが続いた。
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そして、俺こと阿僧祇刹那は――
――――レインから逃げていた。
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