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3話

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40代、独身、白髪の乱れ長髪、痩せ型の体型
見るからに幸がない。

そんなジレンマはいつものように、カウンターでコーヒーをすすり
タバコをふかす。

アルバイトの琴美ちゃんは店先で掃き掃除をしていた。

「琴美ちゃん、背中の護符の張替手伝ってもらえるかな」

「先に2階に上がっててください、すぐに行きます!」

ジレンマはPCのジャンク品が所狭し並ぶ店の奥にある階段をゆっくり上がっていく。
パラドックスの2階は施術室と呪物が並ぶフロアになっていてジレンマは上着を脱ぎ施術台に
うつ伏せになり琴美を待つ。

幼少期から政府に監視されているジレンマのもとには定期的に結界士より護符が送られてきていた。

「マスターお待たせしました」

「いつも悪いね、自分でやればいいんだけど、背中は張りにくくてね💦」

効力は切れかかっている護符は黒く変色していた、琴美は慣れた手つきで張り替えていく。

呪物が並ぶ棚の横にホコリまみれになっている写真立、学生時代のジレンマと綺麗な女性と男性3人が
仲良さそうに映っている。

上着を着ながら、琴美の視線に気付いたジレンマは写真立を伏せた。

「ごめんなさい。。。」

「いや💦気にしないで、まだ飾ってあったの忘れてたよ」

「その写真のマスター今と違って明るそうだったので」

「今の僕、そんなに暗くかんじるかなぁ(笑)」

琴美は写真の人物を前から気にはなっていたのだが、ジレンマも話したくなさそうな雰囲気だったので
そっとしておいたのであった。


(チリン♪チリン♪)

来店合図の呼び鈴がなる、そそくさと琴美は階段を駆け下りる、すると男性が商品棚を物色していた。
男性は琴美に気付いた。

「琴美久しぶりだな、ジレンマはいるか?」

「風間さん。。。? 風間さんですか!お久しぶりです」

琴美は風間という男にかけよりハグをした。

「おい おい おい どうしたんだよ💦」
琴美の歓迎的な出迎えに少し驚いた表情を見せた。

下の騒がしさに引き付けられジレンマが下りてくる。

「風間くんじゃないか!どうしたんだい急に」

「あれ遥さんから聞いてない?」

「遥さんとは久しくあってないな」

「政府のやつらしっかりしてくれよ」

風間はそういうとポケットからUSBを取り出す。

「遥さん」とは以前 ジレンマが高校生の時に目付け役として政府から派遣されていた
役人である、キャリアウーマンでどんどん昇進してしまったので目付け役ではないが
ジレンマとは今も交流がある。

「ジレンマ、パソコンかして見てもらいたいものがあるんだ」

ジレンマはノートパソコンをもってきて風間からUSBを受け取りファイルを開く
ファイル名は「砂防団地」と名義されている動画ファイルであった。

「実は俺もまだ中身みてないんだ、砂防団地?どこの団地だ?」

「たしか、神奈川に海沿いにある団地で、取り壊してリゾート地にするとニュースで見ました」

「琴美ちゃんすごいね、そんなことよく知ってるね」

「そんなことはいいからジレンマ早く再生しろよ」







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