16 / 19
14 獣の正体
しおりを挟む
次に目を覚ましたときは、もう家の中は明るくなっていた。一瞬どこにいるかわからなくて、慌てて部屋を見渡す。
私の部屋じゃなかった。
ここは、ガウスの部屋……?
私はベッドで寝ていて、そしてガウスはすぐ近く……ベッド横にいた。
「ガウス!!」
私はとっさに体を起こすと、その体に思いっきり飛びついた。
いなくならないで。私を置いていかないで。
ガウスがいなくなってしまうようなそんな恐怖が込み上げて、抱きつかずにはいられなかった。どこにも行かないように縋らないとって、そんな気持ちでいっぱいだった。
ガウスは椅子に座っていたけれど、私が胸元に力一杯ぶつかっても、よろめくことなく抱き留めてくれた。
背中に腕を回して力一杯抱きついて、頭をグリグリこすりつけると、上から溜息が聞こえて、ガウスの体から力が抜けた。
強ばっていたのか、私を抱き留めるために力が入っていたのか、私には分からない。
でも、その力の抜け方が、私を受け入れてくれてることを意味してるのは確かだ。
ポンポンと頭に触れる手つきは、いつもより遠慮がちで優しい物だったけど。
ほっとした。
大丈夫、ガウスはここにいる。いなくならない。
ようやくそれが実感としてわいてきて、逃さないように強ばっていた私の身体も、ゆっくりと力が抜けていく。
「……怖くねぇのか」
低い声がした。
らしくないその声に、泣きたくなる。
ガウスが、苦しそうなのがわかったから。
まだ頭は働いてなくて、だから私は、今の状況とか考えなきゃいけないこともよくわかっていなくて、寝ぼけた頭と衝動だけで動いていたんだと思う。
だから問われたことがわからなくて、ようやく頭が考えなきゃって働き出して、それから、ゆっくりとガウスを仰ぎ見た。
あんなに苦しい声を出していた癖に、顔は真顔というか、表情がなくて、表情を隠されてるんだなって、気付いた。苦しい声って思ったのも、もしかしたら私がそう感じただけで、本当は淡々とした低い声だったのかもしれない。
何を考えているのか全然わからない顔に、また私は苦しくなる。
「なにが?」
ようやく声をしぼりだす。
何が怖いと思うの? この世の中は、私にとっては怖いことばっかりだ。でも、ガウスがいるから大丈夫だよ。ガウスが守ってくれているのを知ってる。一緒にいてくれるから大丈夫。
ぎゅうっと抱きついたまま、もう一度頭を押しつけていると、私を安心させてくれる大きな手は、どこか躊躇うような動きでゆっくりとやさしく背中を撫でてくる。
「……見ただろう」
低い声は淡々としてたけど、やっぱり私には、苦しそうに聞こえた。
安心感と共に覚めてきた私の頭の中は、だんだんと状況をつかめてくる。昨夜のこと、昨日のことにも頭が回るようになってきて、訳の分からない焦りの理由がつかめた。
でも私はとぼけて見せた。
「なにを?」
だってガウスが狼だったなんて、些細なことだ。ガウスがガウスであるなら、その本性が何の動物だとしても、どうでも良いことだ。
そう思えるぐらい大切にしてくれた。
私がガウスを怖いなんて思うわけないよ。側にいてくれるならなんだっていい。
「……覚えてねぇのか?」
安心したのか、それとも脱力したのか、複雑そうな声がした。
でも私は首を横に振ってそれを否定する。
「昨日、助けに来てくれて、ありがとう」
ぎゅうぎゅうとガウスにしがみつく。逃げられないように、力いっぱい。
覚えてるよ。大事だったことは、助けに来てくれたことだよ。
「……なら、なんで……」
ぽつりと漏れ聞こえた小さな呟きに、私はもう一度力を込めてしがみつくことで応える。
私が怖がるから隠してくれてたんだよね。
「……怖くねぇのか」
「ガウスだもん」
「……バカじゃねぇの」
低い声が震えていて、私はちょっとほっとして、思わずふふっと笑いがこぼれる。
心配されてる。私がまた怖い思いをするんじゃないかって、私がガウスを怖がるんじゃないかって。そんなこと、あるわけないのに。
ガウスがなにを言いたいのかは、大体わかる。
でも、あまりにもいっぱいのことが起こりすぎていて、私もどっから話して良いかわからなかった。
「ガウスは……本当に、獣だったんだね」
ガウスが呆れたように苦笑した。
「信じてなかったのか?」
「強さが獣並みっていう意味だと思ってた」
「悪意のある連中の言葉を鵜呑みにするな」
溜息をつくガウスにカチンとくる。なにそれ。
「……ちゃんと説明しなかったのは、ガウスのくせに」
私がヒトと獣人と獣の力関係を知るきっかけは、獣人の雌からの嫉妬めいた忠告が多かったからなのは間違いない。
ガウスは、私にとって獣は危ないということと、ヒトと獣の関係に付いてしか教えてくれなかった。たぶん、獣人は眼中になかったんじゃないかなって思う。
考える機会も知る機会も、獣人の嫉妬からくる常識しか、与えられなかった。
私に優しくしてくれる獣性の強い獣人達は、ガウスにとっての私の立ち位置を知っていたから、それをわざわざ言及する必要がなかったのかもしれない。
そうだ、私の立ち位置。
昨日のことを思い出して、すごくすごく躊躇った末に、ようやく覚悟を決める。
「……私は、ガウスの番なの?」
ガウスを逃がさないように抱きついたまま、その顔を見上げる。
本当に?
俺の番に手を出したと、ガウスは言った。
信じられなかった。確認するのがこわかった。でも、そうだったら良いなと私は期待してしまう。
でも、あの場を収めるために言った嘘かもしれない。そんな不安がよぎる。ガウスは雌の獣人達からのアピールを嫌がっていた。私を番ということにしておけば、楽だと思っただけかもしれない。
だって私は、ガウスからそういう目で見られた記憶なんてないから。いつだって子供扱いだったから。
本当に番だったら良いのに。
その期待が目に現れていたのだろうか。
ガウスの顔が歪んだ。めちゃくちゃ嫌そうに眉間に皺が入っている。
もしかして、聞いたらいけないことだった……? やっぱり、その場しのぎの嘘だった……?
お腹がぎゅっと苦しくなって、泣きたくなる。否定されるのが怖くて、慌てて言葉を取り消そうとした。
「ごめん、そんなわけ、ないよね……」
「……そうだ」
私とガウスの言葉が重なった。
「……え?」
なにがそうだなのかわかんない。
そんなわけないのが、そうなのか、私が番って言うのがそうなのか。
どう聞き返したら良いのか分からなくて、でも、聞き直して違うことをはっきりさせるのも怖くて、どう言ったら良いか分からないまま、ガウスにしがみつく手に力がこもる。
泣きそうな気持ちになった私の頭の上から、小さく溜息が聞こえた。
呆れられた。
そう思った。
恥ずかしい。勘違いしてた自分が恥ずかしい。私を守るためだったのに。
「ごめ……」
震えながら紡ごうとした言葉は、ガウスの声で遮られた。
「俺の番は、お前だ」
ガウスが、絞り出すような声で、そう呟いた。
私の部屋じゃなかった。
ここは、ガウスの部屋……?
私はベッドで寝ていて、そしてガウスはすぐ近く……ベッド横にいた。
「ガウス!!」
私はとっさに体を起こすと、その体に思いっきり飛びついた。
いなくならないで。私を置いていかないで。
ガウスがいなくなってしまうようなそんな恐怖が込み上げて、抱きつかずにはいられなかった。どこにも行かないように縋らないとって、そんな気持ちでいっぱいだった。
ガウスは椅子に座っていたけれど、私が胸元に力一杯ぶつかっても、よろめくことなく抱き留めてくれた。
背中に腕を回して力一杯抱きついて、頭をグリグリこすりつけると、上から溜息が聞こえて、ガウスの体から力が抜けた。
強ばっていたのか、私を抱き留めるために力が入っていたのか、私には分からない。
でも、その力の抜け方が、私を受け入れてくれてることを意味してるのは確かだ。
ポンポンと頭に触れる手つきは、いつもより遠慮がちで優しい物だったけど。
ほっとした。
大丈夫、ガウスはここにいる。いなくならない。
ようやくそれが実感としてわいてきて、逃さないように強ばっていた私の身体も、ゆっくりと力が抜けていく。
「……怖くねぇのか」
低い声がした。
らしくないその声に、泣きたくなる。
ガウスが、苦しそうなのがわかったから。
まだ頭は働いてなくて、だから私は、今の状況とか考えなきゃいけないこともよくわかっていなくて、寝ぼけた頭と衝動だけで動いていたんだと思う。
だから問われたことがわからなくて、ようやく頭が考えなきゃって働き出して、それから、ゆっくりとガウスを仰ぎ見た。
あんなに苦しい声を出していた癖に、顔は真顔というか、表情がなくて、表情を隠されてるんだなって、気付いた。苦しい声って思ったのも、もしかしたら私がそう感じただけで、本当は淡々とした低い声だったのかもしれない。
何を考えているのか全然わからない顔に、また私は苦しくなる。
「なにが?」
ようやく声をしぼりだす。
何が怖いと思うの? この世の中は、私にとっては怖いことばっかりだ。でも、ガウスがいるから大丈夫だよ。ガウスが守ってくれているのを知ってる。一緒にいてくれるから大丈夫。
ぎゅうっと抱きついたまま、もう一度頭を押しつけていると、私を安心させてくれる大きな手は、どこか躊躇うような動きでゆっくりとやさしく背中を撫でてくる。
「……見ただろう」
低い声は淡々としてたけど、やっぱり私には、苦しそうに聞こえた。
安心感と共に覚めてきた私の頭の中は、だんだんと状況をつかめてくる。昨夜のこと、昨日のことにも頭が回るようになってきて、訳の分からない焦りの理由がつかめた。
でも私はとぼけて見せた。
「なにを?」
だってガウスが狼だったなんて、些細なことだ。ガウスがガウスであるなら、その本性が何の動物だとしても、どうでも良いことだ。
そう思えるぐらい大切にしてくれた。
私がガウスを怖いなんて思うわけないよ。側にいてくれるならなんだっていい。
「……覚えてねぇのか?」
安心したのか、それとも脱力したのか、複雑そうな声がした。
でも私は首を横に振ってそれを否定する。
「昨日、助けに来てくれて、ありがとう」
ぎゅうぎゅうとガウスにしがみつく。逃げられないように、力いっぱい。
覚えてるよ。大事だったことは、助けに来てくれたことだよ。
「……なら、なんで……」
ぽつりと漏れ聞こえた小さな呟きに、私はもう一度力を込めてしがみつくことで応える。
私が怖がるから隠してくれてたんだよね。
「……怖くねぇのか」
「ガウスだもん」
「……バカじゃねぇの」
低い声が震えていて、私はちょっとほっとして、思わずふふっと笑いがこぼれる。
心配されてる。私がまた怖い思いをするんじゃないかって、私がガウスを怖がるんじゃないかって。そんなこと、あるわけないのに。
ガウスがなにを言いたいのかは、大体わかる。
でも、あまりにもいっぱいのことが起こりすぎていて、私もどっから話して良いかわからなかった。
「ガウスは……本当に、獣だったんだね」
ガウスが呆れたように苦笑した。
「信じてなかったのか?」
「強さが獣並みっていう意味だと思ってた」
「悪意のある連中の言葉を鵜呑みにするな」
溜息をつくガウスにカチンとくる。なにそれ。
「……ちゃんと説明しなかったのは、ガウスのくせに」
私がヒトと獣人と獣の力関係を知るきっかけは、獣人の雌からの嫉妬めいた忠告が多かったからなのは間違いない。
ガウスは、私にとって獣は危ないということと、ヒトと獣の関係に付いてしか教えてくれなかった。たぶん、獣人は眼中になかったんじゃないかなって思う。
考える機会も知る機会も、獣人の嫉妬からくる常識しか、与えられなかった。
私に優しくしてくれる獣性の強い獣人達は、ガウスにとっての私の立ち位置を知っていたから、それをわざわざ言及する必要がなかったのかもしれない。
そうだ、私の立ち位置。
昨日のことを思い出して、すごくすごく躊躇った末に、ようやく覚悟を決める。
「……私は、ガウスの番なの?」
ガウスを逃がさないように抱きついたまま、その顔を見上げる。
本当に?
俺の番に手を出したと、ガウスは言った。
信じられなかった。確認するのがこわかった。でも、そうだったら良いなと私は期待してしまう。
でも、あの場を収めるために言った嘘かもしれない。そんな不安がよぎる。ガウスは雌の獣人達からのアピールを嫌がっていた。私を番ということにしておけば、楽だと思っただけかもしれない。
だって私は、ガウスからそういう目で見られた記憶なんてないから。いつだって子供扱いだったから。
本当に番だったら良いのに。
その期待が目に現れていたのだろうか。
ガウスの顔が歪んだ。めちゃくちゃ嫌そうに眉間に皺が入っている。
もしかして、聞いたらいけないことだった……? やっぱり、その場しのぎの嘘だった……?
お腹がぎゅっと苦しくなって、泣きたくなる。否定されるのが怖くて、慌てて言葉を取り消そうとした。
「ごめん、そんなわけ、ないよね……」
「……そうだ」
私とガウスの言葉が重なった。
「……え?」
なにがそうだなのかわかんない。
そんなわけないのが、そうなのか、私が番って言うのがそうなのか。
どう聞き返したら良いのか分からなくて、でも、聞き直して違うことをはっきりさせるのも怖くて、どう言ったら良いか分からないまま、ガウスにしがみつく手に力がこもる。
泣きそうな気持ちになった私の頭の上から、小さく溜息が聞こえた。
呆れられた。
そう思った。
恥ずかしい。勘違いしてた自分が恥ずかしい。私を守るためだったのに。
「ごめ……」
震えながら紡ごうとした言葉は、ガウスの声で遮られた。
「俺の番は、お前だ」
ガウスが、絞り出すような声で、そう呟いた。
51
お気に入りに追加
327
あなたにおすすめの小説
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
美少女と魔獣~実は人間だったなんてウソですよね!?~
真麻一花
恋愛
リリーは王子から陥れられ、婚約を破棄された挙げ句魔物の森へと捨てられた。彼女を拾ったのはその森を支配する獣の王だった。
最初は怯えていたものの、いつしか彼女は恐ろしい獣の王を愛した。
って思ったら、愛の力で呪いが解けた? はぁ? 人間!? 聞いてないんですけど!?
惚れた獣人が人間に戻って愕然とするヒロインと、それ見て愕然とする元獣人の話です(たぶん)
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
告白さえできずに失恋したので、酒場でやけ酒しています。目が覚めたら、なぜか夜会の前夜に戻っていました。
石河 翠
恋愛
ほんのり想いを寄せていたイケメン文官に、告白する間もなく失恋した主人公。その夜、彼女は親友の魔導士にくだを巻きながら、酒場でやけ酒をしていた。見事に酔いつぶれる彼女。
いつもならば二日酔いとともに目が覚めるはずが、不思議なほど爽やかな気持ちで起き上がる。なんと彼女は、失恋する前の日の晩に戻ってきていたのだ。
前回の失敗をすべて回避すれば、好きなひとと付き合うこともできるはず。そう考えて動き始める彼女だったが……。
ちょっとがさつだけれどまっすぐで優しいヒロインと、そんな彼女のことを一途に思っていた魔導士の恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
外では氷の騎士なんて呼ばれてる旦那様に今日も溺愛されてます
刻芦葉
恋愛
王国に仕える近衛騎士ユリウスは一切笑顔を見せないことから氷の騎士と呼ばれていた。ただそんな氷の騎士様だけど私の前だけは優しい笑顔を見せてくれる。今日も私は不器用だけど格好いい旦那様に溺愛されています。
『えっ! 私が貴方の番?! そんなの無理ですっ! 私、動物アレルギーなんですっ!』
伊織愁
恋愛
人族であるリジィーは、幼い頃、狼獣人の国であるシェラン国へ両親に連れられて来た。 家が没落したため、リジィーを育てられなくなった両親は、泣いてすがるリジィーを修道院へ預ける事にしたのだ。
実は動物アレルギーのあるリジィ―には、シェラン国で暮らす事が日に日に辛くなって来ていた。 子供だった頃とは違い、成人すれば自由に国を出ていける。 15になり成人を迎える年、リジィーはシェラン国から出ていく事を決心する。 しかし、シェラン国から出ていく矢先に事件に巻き込まれ、シェラン国の近衛騎士に助けられる。
二人が出会った瞬間、頭上から光の粒が降り注ぎ、番の刻印が刻まれた。 狼獣人の近衛騎士に『私の番っ』と熱い眼差しを受け、リジィ―は内心で叫んだ。 『私、動物アレルギーなんですけどっ! そんなのありーっ?!』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる