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発覚後の行く末

19嫁さん(予定)かわいいから問題なし!3

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「リリー、やめてくれ。そんなことを言わないでくれ。愛し愛されていないと解けない呪いだ。私は君に感謝しているし、愛する君に罰など与えるわけがない」

 リリーたんの思考回路が今ひとつわからないけど、とりあえず獣人の方がよかったことだけは理解した。で、なんか、罪の意識を抱いているらしい。意味わかんなーい。
 とりあえず……引き留めるべし!!
 でもリリーたんの表情は悲嘆に暮れている。地味に傷つくんだけどー……。まさか、あの姿をそんなに気に入ってもらえてたとは……それって! もしかして、細身の男が好みじゃなかったとか?! ジーザス!!
 冷や汗吹き出る中、リリーたんが切なげに心情を吐露する。

「……けれど、こんな罪を犯してしまった私は、やはり、ここにいるべきではないのでしょう……」
「なにを言って……」
「元々、つり合わない恋でした。国を追われて、何の力もない小娘に、よくして下さって……。挙げ句、こんな……どうすれば、償えるのでしょう……」

 いや、だから……。

「償いなどいらない。呪いを解いてくれたのは君だ。そう言っただろう。愛した君に愛されて、なにを憂うというのだ」
「……お気を、遣わせて………」

 ………オーケーわかった。そういうことにしよう。それでいこう。

 これは、諦めたのでもなければ、逃げたのでもない。そう、これは、乙女の夢を壊さないための決断なのだ。
 リリーたんは悔やんでいる。なぜなら俺が望まずして人間になったから!
 じゃあそういう事にしようじゃないか。俺は人間に戻りたくなかった、よし、そういうことにしよう。
 決して保身のための大人の選択ではない。そう、これは、リリーのための大人の決断!
 俺は望んで獣になってたし、人間や国のためにここを守ってたし、不本意ながら獣化が解けたけど愛するリリーのために本心を隠して、人間に戻ったことを嬉しいという嘘を言ってるのだ!!
 なに言ってるのかわかんなくなってきたけど、うん、まあ、リリーたんがそう思ってるのならそれでいこう!!
 これからは、それが真実!!
 事実など、使用人たちしか知らねぇんだから、いいんだよ!!
 あいつらも、リリーたんがかわいいから、わざわざ傷つけることは言わないだろう。

 俺も幸せ! リリーたんも幸せ! 完璧!!! 事実なんて糞食らえだ!! 俺はリリーに愛されたいし、尊敬されたい! 汚いと罵るなら罵るがいい!! 事実で互いが不幸になるよりかよっぽどいいわ!!

 そうと決まれば、リリーたんの気持ちを逆手に取ろうか。姿が変わっても愛してるといってくれてるわけだし、愛してもらおうじゃないか!!
 これが!! 二百年の経験値!!
 俺は切なく笑って見せた。間違いなく今の俺はいろんな意味で切ないから、表情は割と素だ。

「人間になった私には、興味がないというのかい?」
「え……?」

 案の定リリーたんがびっくりした顔になる。よし、いいぞ。更に畳み掛ける。

「獣の王として、ここを守れない私には、価値がないと?」
「そんな……!!!」
「出て行くなどと言うな。償うなどと言わなくていい。君に、ここにいて欲しい。私の側にいて支えて欲しい………君にそう願うことは、リリーにとって苦しいことかい?」

 リリーたんは、涙を溜めて首を横に振る。
 よかった!! 否定されなかった!!
 安心しすぎて、俺も泣きそうになる。
 生きててよかった……。獣じゃなくていい、人間でも愛してる……リリーたんに、そう言われる男になりたい。……なんか、それ、おかしくない……? まあいいや、リリーたんがモフスキーに進化したのなら仕方ない。そういう事もありうるだろう。
 でもリリーたんは憂い顔のままだ。

「でも、私が幸せになるばかりです……」
「それこそが私の望みだと言っても……?」
「レオンさまは、優しすぎます……」

 抱き寄せるように腕を引くと、彼女は俺の胸にぽふっと頭を預けてくれた。
 おそるおそる背中に手を回してみると、彼女も俺の背中に手を回してくれる。
 いやっふー!!!! リリーたん、説得できたー!!

 使用人全員がが一糸乱れぬタイミングでサムズアップした。誤解を解くのをやめたのは正解だったらしい。俺も返しておいた。
 よし、真実は、闇の中へ葬ろう。


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