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発覚後の行く末
18嫁さん(予定)かわいいから問題なし!2
しおりを挟む城に戻ると、やはり全員が人間に戻っていた。祝宴中だった。なんで俺抜きではじめてるの?!
「レオンさま! リリーさま……なぜ、泣いていらっしゃるのですか? ……レオンさま、もしや……」
「違う! 違うぞ! 誤解だ!! 手は出してない!!」
なにも言われてないが、その目は絶対、そういう意味だろう!! 俺の人間性を疑いすぎじゃないでしょうか!!! いくら呪いが解けた=両思いだとしても、人間に戻った途端襲うようなクズじゃありませーん!!
「……皆様、獣化が、解けて、らっしゃるのですね……。私、なんということをしてしまったのでしょう………申し訳、ありません………」
またぽろぽろ泣き出した彼女に、全員の目が俺に問いかけてくる。
俺もまったく訳が分かってないので、泣きそうになりながら首を横に振った。
「この森から人を守ってらっしゃる皆様を、はからずも獣化を解くようなことをしてしまい、申し訳ありません……。あの姿であるからこそ、なせることがあると、おっしゃっていたのに……。誇り高き皆様の邪魔立てをするような真似を、わたくしは……」
あー。言ったね。確かに言った。「私がこの姿なのは、ここで魔物を食い止めて、人の世を守るためなのだろう」とかなんとか。「なれば、この姿である事は、誇れることなのかもしれないな」とかなんとか。
……だって!! リリーたんが! 褒めてくれるから! なんか格好いいこと言わなくちゃとか思って! なんかそれっぽいことを言った気がする!!
「違う! 私たちは呪われてあの姿になっていただけだ。解ける日を待っていたんだ。君が、解いてくれたんだよ……」
「……そんな風に、気遣って、私に負担をかけないようにおっしゃって下さるけれど、でも、私は、私が許せません……っ」
えええええー……。そうくるのーー……? まさかの、獣人の方がよかった展開?!
「……君は、私が獣の姿の方が、よかったのか?」
「どんな姿でも……!! レオンさまはレオンさまです!!」
めっちゃ慰められたんだけど。
……俺、そこまで気を遣われるような、容姿だっただろうか……。
夢見たとおりのすごく嬉しいこと言われてる気もするけど……なんかちがーう……。俺、ちょっと泣いていい?
遠い目になった俺に、彼女が気遣うように手を差し伸べてくる。
「触れても……?」
頷けば、彼女がそっと頬に触れてきた。そして、また目元に涙が溜まってゆく。
「どうして、こんなことに……。レオン様……どんな姿でも、レオン様は素晴らしい方です。これまであなたが築き上げてきた功績は消えません……。呪いを解いた私がなにをとお思いでしょうが、お慕いしております。姿が変わっても、あなたがあなたであるのなら、それだけで……あなたがどんな姿であっても、あなたに会えただけで私は幸せでした……」
「ええええー……」
何だろう、フォローされればされるほど、胸が痛い……。
「誇り高き王であるあなたがこのような人間の姿になるなど、さぞ屈辱でしょう……どうか、この罪深い私を、罰して下さい………」
「ええええー……」
リリーたんから苦境に耐えるように嗚咽を飲む音がする。すぐ後ろで同じく人間になってしまった執事が口元を覆い、耐えるようにうつむいていた。
「ん゛ん゛ん゛ん゛っっっ」
執事から耐えきれないような咳が漏れた
お前、いま絶対笑いをこらえてるよな。うつむいて笑ってる顔を隠してるよな?!全然ごまかせれてねぇからな!!
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