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裏:レオン
5獣の王の事情1
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「なー、そろそろ現れても良いと思うのよ。俺のことを、「あなたがあなたであるなら、姿なんてどうでもいいの……」なーんて言ってくれる子がさー!!!!」
「……さようでございますね」
相変わらず冷てぇな。
無表情で隣に控える蛇男をすん……とした顔で見やる。
ライオン男になって早二百年……。この辺りの魔物の森を統べて早百年。
獣人でもいい、平和を作ってくれた百獣の王様、愛している!!! と言われたくて、人間と魔物の世界の治安のためにがんばってきた。
せっかくそうやって、人間の世界に魔物たちが迷惑かけないように手綱を握る事ができたのに。平和のために尽力したのに……俺達は慕われるどころか、人間に恐れられるようになってしまった。
なんでだ……。
ことの発端は二百年前。若かった俺は、ちょっとやんちゃでブイブイ言わせてた。そしたら魔女から「お前ホントクソだわ」と言われて獣の姿に変えられた。「なんか、そのまま死んだらかわいそうだから、人間に戻るまでは不老不死にしてやるわw 人間に戻れたら、そっからまた時間が動くようにしてあげるし。人間戻ったら老人ってのも、くっそウケるけどw」とか、余計なことされて、死ぬことも出来ない。「やっべ、私、優しすぎね?」とかほざいていたが、うっせえわ。お前が思うよりド鬼畜です!
森を統一した百年ぐらい前に、魔女から「……そんなに嫁ができないとは思ってなかったんだわ……ごめんな……」と、至極申し訳なさそうに言われて、……ホントお前!!
そんな魔女も、ついには死んだと噂に聞いた。
……嘘だろぉぉぉぉ!!! 死ぬ前に呪いを解けや!! 俺ちょっとうっかり、魔女の家全壊しちゃっただけなのにー!!! 全部弁償したじゃんよ!! そりゃ二度と手に入らないかもしれないコレクション全焼は悪かったけどよ!!
ちなみにそれがコンプリートできたら、解除してもらえるはずだった……。できなかったらしい……悪かったけど、死ぬついでに解除しろください……。
ということで、魔女より長生きになってしまった、俺の近辺。家まるごと呪いかけられたせいで、住み込みの者が巻き添えになった。
獣人になったせいで、俺含めみんな家族に見捨てられ、人間社会を追われてしまった。
そのとき使用人たちは、俺を責めに責めた。「アホか!」「バカか!」「バカだもんな!!」「だからあれほど頭を使えと!」……と、延々……。ごめんて、ほんとごめんて……。未だオレは彼らに頭が上がらない。
そんなこんなで、人間と魔物の境界として建てられた要塞に追いやられた。
「お前が防衛とか適任じゃん!」って指さしてゲラゲラ笑っていた兄貴、許さん。ヤツも老衰で死んだけど。何回か嫁候補を送ってくれたことは感謝している。だが、「ぎゃぁぁぁぁ!!」と令嬢にあるまじき勢いで毎度逃げられ、おかげで余計にひどい心の傷を負った。
「……さようでございますね」
相変わらず冷てぇな。
無表情で隣に控える蛇男をすん……とした顔で見やる。
ライオン男になって早二百年……。この辺りの魔物の森を統べて早百年。
獣人でもいい、平和を作ってくれた百獣の王様、愛している!!! と言われたくて、人間と魔物の世界の治安のためにがんばってきた。
せっかくそうやって、人間の世界に魔物たちが迷惑かけないように手綱を握る事ができたのに。平和のために尽力したのに……俺達は慕われるどころか、人間に恐れられるようになってしまった。
なんでだ……。
ことの発端は二百年前。若かった俺は、ちょっとやんちゃでブイブイ言わせてた。そしたら魔女から「お前ホントクソだわ」と言われて獣の姿に変えられた。「なんか、そのまま死んだらかわいそうだから、人間に戻るまでは不老不死にしてやるわw 人間に戻れたら、そっからまた時間が動くようにしてあげるし。人間戻ったら老人ってのも、くっそウケるけどw」とか、余計なことされて、死ぬことも出来ない。「やっべ、私、優しすぎね?」とかほざいていたが、うっせえわ。お前が思うよりド鬼畜です!
森を統一した百年ぐらい前に、魔女から「……そんなに嫁ができないとは思ってなかったんだわ……ごめんな……」と、至極申し訳なさそうに言われて、……ホントお前!!
そんな魔女も、ついには死んだと噂に聞いた。
……嘘だろぉぉぉぉ!!! 死ぬ前に呪いを解けや!! 俺ちょっとうっかり、魔女の家全壊しちゃっただけなのにー!!! 全部弁償したじゃんよ!! そりゃ二度と手に入らないかもしれないコレクション全焼は悪かったけどよ!!
ちなみにそれがコンプリートできたら、解除してもらえるはずだった……。できなかったらしい……悪かったけど、死ぬついでに解除しろください……。
ということで、魔女より長生きになってしまった、俺の近辺。家まるごと呪いかけられたせいで、住み込みの者が巻き添えになった。
獣人になったせいで、俺含めみんな家族に見捨てられ、人間社会を追われてしまった。
そのとき使用人たちは、俺を責めに責めた。「アホか!」「バカか!」「バカだもんな!!」「だからあれほど頭を使えと!」……と、延々……。ごめんて、ほんとごめんて……。未だオレは彼らに頭が上がらない。
そんなこんなで、人間と魔物の境界として建てられた要塞に追いやられた。
「お前が防衛とか適任じゃん!」って指さしてゲラゲラ笑っていた兄貴、許さん。ヤツも老衰で死んだけど。何回か嫁候補を送ってくれたことは感謝している。だが、「ぎゃぁぁぁぁ!!」と令嬢にあるまじき勢いで毎度逃げられ、おかげで余計にひどい心の傷を負った。
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