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第4話 菜園荒しを捕まえろ
9 砕け! 人面樹の実
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屋敷に戻るとアレックスは早速、調合室で秘薬を生成する準備に取りかかる。興味があるのでアレックスについて調合室に入った。
ここに入るのは、ノイアさんのお父さんの病気の件以来だ。
調合室は学校の理科室に似ていて、ビーカー、試験管、フラスコなどの器具が一通り揃っている。それと、よくわからない道具も多い。薬品棚の隣の棚には、何かの植物の根やコウモリの羽っぽいものなど、かなり怪しげな材料がしまわれている。
アレックスはレシピを見ながら必要な材料が揃っているかチェックする。
「材料は全て揃っているようだ。ユウコ、ここに来たからにはお前にも手伝ってもらうぞ?」
アレックスが材料を用意しながら淡々と言ってきた。
「うん、いいよ」
ためらいなく快諾した。理科の実験とかはちょっと好きだったし、秘薬作りなんて興味がある。しかしそれは、後に激しい後悔へと繋がる。
「この実を二十個ほど砕き、すり潰す必要がある。非常に根気がいる作業だが頑張ってくれ」
そう言ってアレックスは、テニスボールくらいの大きさの実を手渡してきた。その実を見た瞬間、驚いて思わず放り投げてしまった。
「いきなり何をする。放り投げるな」
「そっ、そんなこと言ったって、な、何よアレ!? 超キモいんだけど!」
素っ頓狂な声を上げてしまった。
その実というのは、なんと人間の顔をしていたのだ。それもゴッツいおっさん面……。
「これは人面樹の実という非常に堅い実だ」
「そうじゃなくて! なんか人の顔してんだけど!?」
「人面樹の実だからな。人の顔をしているのは当然だ。魚の顔をしていたらおかしいだろう?」
アレックスはさも当然と言わんばかりの口振りで言った。そういう問題じゃないんだけどなぁ……。
床に転がった人面樹の実をおそるおそる手に取った。怖いもの見たさでじっくりと観察する。ほんとリアルでキモいな……。
すると、人面樹の実の目がギョロリとこちらを見て、思わず目が合った。
「ンもォ、痛いわねぇ! これだから小娘は嫌いなのよォ! ちょっと、何ジロジロ見てンのよ!? アタイがあんまり美しいからって、そんなに見ないでくれる? アタイは女に見つめられて喜ぶシュミはないンだからね!?」
いきなり人面樹の実が低いモロおっさん声&おネエ口調でしゃべりだした。
「ぎゃあああッ! しゃしゃしゃ、しゃべったあッ!?」
驚愕のあまり、思いっきり人面樹の実を床に叩きつけた。人面樹の実は『うげおうっ!?』という野太い悲鳴を上げて、ころころと転がる。
「お前という奴は……、いきなり何をするんだ」
アレックスは淡々と咎め、足下に転がってきた人面樹の実を拾い上げる。
「だだだ、だって! 実がしゃべったんだよ!? びび……ッ、ビックリするに決まってんじゃん!」
まだ心臓がバクバク暴れている。うまくろれつが回らない。
「しゃべるのは当前だろう。こいつはまだ、生きているのだからな」
アレックスはまたまた、さも当然だと言わんばかりにしれっと言った。
「ちょっと、アンタァッ! 一度ならず二度も乱暴に扱うって一体どういうつもりッ!? アタイの美しい顔に傷が付いたら、どうしてくれンのよっ!? ゴルアァ!」
人面樹の実がアレックスの手の中からもの凄い形相で私に凄む。
「人面樹の実よ。そう、いきり立つな。あまり怒りに身を任せていると破裂するぞ?」
アレックスがカンカンになって怒っている人面樹の実をなだめる。
「あらン♪ お兄さんってば、ス・テ・キ♪ モロアタイの好みだわン♪ あなたにならアタイ、ナニされてもいいわよォン♪ 好・き・に・し・て♪」
アレックスの顔を拝むなり、人面樹は急に媚びた声音を使い始めた。
はっきり言って超キモいんだけどッ! ゴッツいおっさん面で、声もモロおっさんのくせに、甘ったるく媚びてもぜんっぜん可愛くないんだよっ! キモいとしか言いようがないからね!?
「それは光栄なことだ。ならば、大人しくこれから生成する薬の原料になってくれ」
アレックスは無表情に淡々と答え、すり鉢のような器具に人面樹の実を入れた。そして、すりこぎのようなものを構える。
「ちょ、ちょっと待ってよ! もしかして、生きたまま砕く気なの!?」
「ああ、そうだが?」
「マジで!? なんかやりづらいよ。せめて、先に息の根を止めるとかしてほしいんだけど」
「それは駄目だ。レシピには“生きたまま砕く”とあるからな。余計な行程を踏めば失敗してしまう」
アレックスは無表情にそう説明すると、すりこぎを振り降ろし、人面樹の実を砕き始めた。
「ギャンッ! い、痛いッ! でもお兄さんに砕かれるなら本望よォン! ウギャッ! ああン! もっと強くゥ! ンギャッ! ガハッ! あン! もっと攻めてえェッ!」
アレックスがガンガンと砕く度に、人面樹の実は悲鳴を上げる。
その猛烈にヤバげな悲鳴に私は全身鳥肌が立った。
キッモーーいッ! なんなのあの実!? 生きたまま砕かれてるっていうのに、かなり喜んでる!? まさかのドM!? ってゆーか、アレックスもよく無表情、無言で作業できるよね!? 悲鳴とか色々気になんないワケ!?
「何をしている。お前も早く作業に取りかかってくれ」
アレックスは自分の作業を気味悪げに見ている私に、早く作業を始めるよう促す。
なるべく目を合わさないように人面樹の実を取った。
「チッ! アタイの相手は小娘かよ」
人面樹の実は私が相手だということに対しての不満を隠さず毒づいた。その言葉を無視してすり鉢に入れる。
人面樹の実はすり鉢の中から、それはそれはおっそろしい目つきで私を睨みつけてくる。
そんなにガン見してこないでよね! 超やりづらいんだけどっ!
怯みながらもすりこぎを構えた。
「アンタ、覚えてなさいよ……! アンタに砕かれるこの恨み、何代にも渡って祟り続けてやるから……!」
人面樹の実は血走った目をして、阿修羅のような形相とドスの利いた声で呪詛の言葉を吐く。
こっ、怖すぎるッ! ってゆーか、なんでアレックスと私とじゃ、こんなに態度が違うワケ!?
恐怖心に耐えながら、力一杯すりこぎを振り降ろし、砕き始めた。
「ぐはあっ! こっ、小娘ぇッ! 覚えてろよおおぉッ! ウギャアッ! 呪ってやるうぅ! 祟ってやるうぅ! ギャアッ! お前も生きたまま砕かれて死ねええぇッ!」
人面樹の実は砕かれながらも呪詛の言葉を吐き続ける。それに気を取られないように、一心不乱になって実を砕く。
実は果肉が赤いのか、砕く度に真っ赤な果汁が吹き出す。それがまるで血液のようなのでさらに鬱になった。
しばらくすると人面樹の実は静かになった。どうやら死んでしまったようだ……。
すり鉢の中は、真っ赤な果汁の中にバラバラに砕けた実が沈んでいる。それはまるで、人肉の欠片が血の海に沈んでいるような有様だ。あまりのスプラッター的光景に気分が悪くなる。
目の前のかごの中には残り十八個の人面樹の実が、生きたまま秘薬になるという悲しい宿命の元、ただ砕かれるのを待っている。ただ待っているだけなら何も問題ないのだが、そいつらは全員溢れんばかりの憎悪のこもった眼差しで私を睨みつけ「実殺し!実殺し!」「死ーね!死ーね!」などと、ヤジを飛ばしてくるので非常に質が悪い。
そんな心ないヤジを集中的に浴びせられ、私の精神はさらに病み、今にも発狂してしまうのではないか、とさえ思う。
こんな生き地獄の環境で、人面樹の実を砕きすり潰す作業は五時間以上にも及んだ。
すり潰した人面樹の実はろ過装置にかけられ、今日の作業はこれでお終いになった。
作業が終わるとちょうど夕食の時間になっていたが、あのスプラッター的光景が目に焼き付いて気分が悪く、とても食欲がある状態ではなかった。
そういうわけなので、早めに就寝することにし、あの悪夢のような作業を忘れることにした。
しかし、人面樹の実共の呪詛の言葉が成就されたのか、奴らは夢の中に再び現れ、その悪夢に私は一晩中うなされ続ける羽目になった……。
ここに入るのは、ノイアさんのお父さんの病気の件以来だ。
調合室は学校の理科室に似ていて、ビーカー、試験管、フラスコなどの器具が一通り揃っている。それと、よくわからない道具も多い。薬品棚の隣の棚には、何かの植物の根やコウモリの羽っぽいものなど、かなり怪しげな材料がしまわれている。
アレックスはレシピを見ながら必要な材料が揃っているかチェックする。
「材料は全て揃っているようだ。ユウコ、ここに来たからにはお前にも手伝ってもらうぞ?」
アレックスが材料を用意しながら淡々と言ってきた。
「うん、いいよ」
ためらいなく快諾した。理科の実験とかはちょっと好きだったし、秘薬作りなんて興味がある。しかしそれは、後に激しい後悔へと繋がる。
「この実を二十個ほど砕き、すり潰す必要がある。非常に根気がいる作業だが頑張ってくれ」
そう言ってアレックスは、テニスボールくらいの大きさの実を手渡してきた。その実を見た瞬間、驚いて思わず放り投げてしまった。
「いきなり何をする。放り投げるな」
「そっ、そんなこと言ったって、な、何よアレ!? 超キモいんだけど!」
素っ頓狂な声を上げてしまった。
その実というのは、なんと人間の顔をしていたのだ。それもゴッツいおっさん面……。
「これは人面樹の実という非常に堅い実だ」
「そうじゃなくて! なんか人の顔してんだけど!?」
「人面樹の実だからな。人の顔をしているのは当然だ。魚の顔をしていたらおかしいだろう?」
アレックスはさも当然と言わんばかりの口振りで言った。そういう問題じゃないんだけどなぁ……。
床に転がった人面樹の実をおそるおそる手に取った。怖いもの見たさでじっくりと観察する。ほんとリアルでキモいな……。
すると、人面樹の実の目がギョロリとこちらを見て、思わず目が合った。
「ンもォ、痛いわねぇ! これだから小娘は嫌いなのよォ! ちょっと、何ジロジロ見てンのよ!? アタイがあんまり美しいからって、そんなに見ないでくれる? アタイは女に見つめられて喜ぶシュミはないンだからね!?」
いきなり人面樹の実が低いモロおっさん声&おネエ口調でしゃべりだした。
「ぎゃあああッ! しゃしゃしゃ、しゃべったあッ!?」
驚愕のあまり、思いっきり人面樹の実を床に叩きつけた。人面樹の実は『うげおうっ!?』という野太い悲鳴を上げて、ころころと転がる。
「お前という奴は……、いきなり何をするんだ」
アレックスは淡々と咎め、足下に転がってきた人面樹の実を拾い上げる。
「だだだ、だって! 実がしゃべったんだよ!? びび……ッ、ビックリするに決まってんじゃん!」
まだ心臓がバクバク暴れている。うまくろれつが回らない。
「しゃべるのは当前だろう。こいつはまだ、生きているのだからな」
アレックスはまたまた、さも当然だと言わんばかりにしれっと言った。
「ちょっと、アンタァッ! 一度ならず二度も乱暴に扱うって一体どういうつもりッ!? アタイの美しい顔に傷が付いたら、どうしてくれンのよっ!? ゴルアァ!」
人面樹の実がアレックスの手の中からもの凄い形相で私に凄む。
「人面樹の実よ。そう、いきり立つな。あまり怒りに身を任せていると破裂するぞ?」
アレックスがカンカンになって怒っている人面樹の実をなだめる。
「あらン♪ お兄さんってば、ス・テ・キ♪ モロアタイの好みだわン♪ あなたにならアタイ、ナニされてもいいわよォン♪ 好・き・に・し・て♪」
アレックスの顔を拝むなり、人面樹は急に媚びた声音を使い始めた。
はっきり言って超キモいんだけどッ! ゴッツいおっさん面で、声もモロおっさんのくせに、甘ったるく媚びてもぜんっぜん可愛くないんだよっ! キモいとしか言いようがないからね!?
「それは光栄なことだ。ならば、大人しくこれから生成する薬の原料になってくれ」
アレックスは無表情に淡々と答え、すり鉢のような器具に人面樹の実を入れた。そして、すりこぎのようなものを構える。
「ちょ、ちょっと待ってよ! もしかして、生きたまま砕く気なの!?」
「ああ、そうだが?」
「マジで!? なんかやりづらいよ。せめて、先に息の根を止めるとかしてほしいんだけど」
「それは駄目だ。レシピには“生きたまま砕く”とあるからな。余計な行程を踏めば失敗してしまう」
アレックスは無表情にそう説明すると、すりこぎを振り降ろし、人面樹の実を砕き始めた。
「ギャンッ! い、痛いッ! でもお兄さんに砕かれるなら本望よォン! ウギャッ! ああン! もっと強くゥ! ンギャッ! ガハッ! あン! もっと攻めてえェッ!」
アレックスがガンガンと砕く度に、人面樹の実は悲鳴を上げる。
その猛烈にヤバげな悲鳴に私は全身鳥肌が立った。
キッモーーいッ! なんなのあの実!? 生きたまま砕かれてるっていうのに、かなり喜んでる!? まさかのドM!? ってゆーか、アレックスもよく無表情、無言で作業できるよね!? 悲鳴とか色々気になんないワケ!?
「何をしている。お前も早く作業に取りかかってくれ」
アレックスは自分の作業を気味悪げに見ている私に、早く作業を始めるよう促す。
なるべく目を合わさないように人面樹の実を取った。
「チッ! アタイの相手は小娘かよ」
人面樹の実は私が相手だということに対しての不満を隠さず毒づいた。その言葉を無視してすり鉢に入れる。
人面樹の実はすり鉢の中から、それはそれはおっそろしい目つきで私を睨みつけてくる。
そんなにガン見してこないでよね! 超やりづらいんだけどっ!
怯みながらもすりこぎを構えた。
「アンタ、覚えてなさいよ……! アンタに砕かれるこの恨み、何代にも渡って祟り続けてやるから……!」
人面樹の実は血走った目をして、阿修羅のような形相とドスの利いた声で呪詛の言葉を吐く。
こっ、怖すぎるッ! ってゆーか、なんでアレックスと私とじゃ、こんなに態度が違うワケ!?
恐怖心に耐えながら、力一杯すりこぎを振り降ろし、砕き始めた。
「ぐはあっ! こっ、小娘ぇッ! 覚えてろよおおぉッ! ウギャアッ! 呪ってやるうぅ! 祟ってやるうぅ! ギャアッ! お前も生きたまま砕かれて死ねええぇッ!」
人面樹の実は砕かれながらも呪詛の言葉を吐き続ける。それに気を取られないように、一心不乱になって実を砕く。
実は果肉が赤いのか、砕く度に真っ赤な果汁が吹き出す。それがまるで血液のようなのでさらに鬱になった。
しばらくすると人面樹の実は静かになった。どうやら死んでしまったようだ……。
すり鉢の中は、真っ赤な果汁の中にバラバラに砕けた実が沈んでいる。それはまるで、人肉の欠片が血の海に沈んでいるような有様だ。あまりのスプラッター的光景に気分が悪くなる。
目の前のかごの中には残り十八個の人面樹の実が、生きたまま秘薬になるという悲しい宿命の元、ただ砕かれるのを待っている。ただ待っているだけなら何も問題ないのだが、そいつらは全員溢れんばかりの憎悪のこもった眼差しで私を睨みつけ「実殺し!実殺し!」「死ーね!死ーね!」などと、ヤジを飛ばしてくるので非常に質が悪い。
そんな心ないヤジを集中的に浴びせられ、私の精神はさらに病み、今にも発狂してしまうのではないか、とさえ思う。
こんな生き地獄の環境で、人面樹の実を砕きすり潰す作業は五時間以上にも及んだ。
すり潰した人面樹の実はろ過装置にかけられ、今日の作業はこれでお終いになった。
作業が終わるとちょうど夕食の時間になっていたが、あのスプラッター的光景が目に焼き付いて気分が悪く、とても食欲がある状態ではなかった。
そういうわけなので、早めに就寝することにし、あの悪夢のような作業を忘れることにした。
しかし、人面樹の実共の呪詛の言葉が成就されたのか、奴らは夢の中に再び現れ、その悪夢に私は一晩中うなされ続ける羽目になった……。
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