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第3話 街に怪盗がやってきた(前編)
6 少しは心配しろよ!
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屋敷に帰ってきた私達はロートレックさんの忠告を伝えようと書斎に向かった。しかし、書斎にアレックスの姿はない。次にアレックスの部屋に向かったがここにも居なかった。
「あれ、あいつ出掛けてんのかな?」
「まだお空にお日様があるから、お出かけはしてないと思うよ。ちょっと待ってね。今、どこにいるか探してみるから」
そう言うと、クリンちゃんは目を閉じた。その状態で探すってどういうこと? クリンちゃんには千里眼みたいな能力があるの?
「あのね、アレックスは調合室にいるみたい」
無邪気にクリンちゃんは教えてくれた。
「そっか。じゃ調合室に行こう」
調合室に向かう途中、私は好奇心に駆られ、どうしてわかったのか訊いてみた。
「別に特別なことはしてないよ。アレックスの魔力を、追ってみただけだもん。アレックスの魔力って、どよよーんってしてるからすぐわかるんだ」
説明されてもよく意味がわからなかった。ってか、どよよーんって……。性格の悪さが魔力とやらに滲み出てるってこと?
調合室まであと五メートルほどという時だ。アレックスが調合室から出てきた。
「アレックス、話があるんだけど」
私の呼びかけに、一瞬アレックスはどこかばつの悪そうな表情を浮かべた……ように見えた。
「なんだ? 悪いが話なら後にしてくれ。今から風呂に入ってくるのでな」
「話はすぐ終わるよ。お風呂はその後でもいいでしょ」
有無をいわさずアレックスの前に立つ。それと同時に何だかとても嫌な臭いが鼻を突いた。
「え……、何この臭い……」
「アレックス、臭い……」
私もクリンちゃんも思わず鼻を押さえる。
青臭ーい、どこかで嗅いだことのある臭気。これは……、そうだカメムシ! あれの臭いだ。
「仕方ないだろう。今し方調合していた薬品の原料の臭いだ。それで話とはなんだ? さっさと話せ」
アレックスは開き直ったかのように腕を組んで高圧的な態度に出る。
「……やっぱ先にお風呂入ってきていいよ。あんた、カメムシ臭い。これでよ~く洗いな。さっさとそのカメムシ臭をきれいさっぱり落としてきて」
ロートレックさんからもらった石鹸を一つ出すと、アレックスに放り投げるようにして渡した。そして、しっしっしっと追っ払う仕草を向ける。
「身勝手な奴だ。いっそのことこのまま抱き付いてやろうか?」
「なっ……!?」
「何を赤くなっているんだ。妙な勘違いをするんじゃない」
「し、してないよ! 談話室で待ってるから、早くお風呂に入ってきなよ」
「仕方ないな。それと言っておくが、原料は虫ではなくランプロン草というれっきとした植物だ」
アレックスは無表情に説明する。いや、そんなことはどうでもいいよ……。
それから約三十分後。風呂前と変わらない黒装束姿でアレックスは談話室に来た。同じのを何着も持ってんの?
いや~なカメムシ臭はきれいに落ちたようだ。それどころか、すっきりとしていて、どこかやわらかい爽やかな香りがする。きっと、ロートレックさんからもらった石鹸の香りだろう。
「アレックス、いい匂い♪」
クリンちゃんがピトッとアレックスに抱き付く。アレックスはそんなクリンちゃんを「暑苦しい、引っ付くな」と、邪険に振り払う。
「それで話とは一体なんだ?」
私は深緑の翼亭で聞いた“怪盗”の話をした。
「……でね、注意しろってロートレックさんが言ってたよ」
「そうか」
アレックスは無表情に一言返しただけであった。
「何そのあっさりした反応。少しは不安にならないワケ?」
「ならないな。この屋敷に盗られて困るようなものは何もない」
やはりアレックスの反応は薄い。
「絵とか壷とか高価そうじゃん」
壁の絵画や飾られている壷を指す。
「あんなもの、いくら盗まれたところで私は別に困らない。……それに、こんな深い森の中にある屋敷を狙う酔狂な盗賊もいないだろう。まったく、ロートレックの奴もいらん心配をするものだな。愚かな奴だ」
アレックスはさも関係ないと言わんばかりの口振り。っていうか最後の言い種! こいつ、ロートレックさんの親切を踏みにじる気!? 心配して言ってくれてんのに、ほんと人の親切が素直に受けれない奴ってダメだよね!
「話はそれだけか? だったら、私はもう行くぞ」
アレックスはソファーから立ち上がろうと腰を浮かす。
「ちょっと待ってよ。それだけじゃないんだってば!」
帰り際に声を掛けてきた悪人面の男のことを話した。
「ね? 怪しくない? 今思ったんだけどさ、あのおっさんがカラミンサを騒がせてる噂の怪盗かもしんないよ!?」
興奮してまくし立てる私にアレックスは冷ややかな視線を向ける。
「お前、本気でそんなこと考えているのか? だとしたら、正真正銘の馬鹿だな」
「なんでよ!? こんな森の中で、あんなおっさんが何しようってのさ!? まさか、ピクニックってわけでもないでしょ!?」
「怪盗と呼ばれるほどの賊が、わざわざ道を訊ねると思うのか? それも、こんな見るからに馬鹿面をした奴を選んで」
カチンとくる余計な一言を付け加えてアレックスは反論する。
「それは……。でも『こいつ、馬鹿そうだから警戒されないんじゃね?』みたいな感じで訊いてきたかもしれないよ?」
う、私ってば自虐的だぁ。言ってて少しヘコむわ……。私の言葉に、アレックスは『話にならん』という感じで、頭を振る。
「あのおじさん、カイトウなの? どうしよう、あたしの栗饅頭、盗まれちゃうかも……!」
クリンちゃんがオロオロと頭を抱える。っていうか、また栗饅頭!? 盗まれるのは貴金属とか現金だってロートレックさん言ってたじゃん!
「安心しろ。栗饅頭を盗む賊などいるわけがない。仮にもしそんな賊がいたとしても、狙われるのはうちではなく四つ葉堂だろう。犠牲になるのはラグラスくんだ。彼には気の毒だがな」
アレックスは全くもってズレた感覚でクリンちゃんをなだめる。こいつ……、他人事みたいに言ってるよ。しかも、ラグラスさんに対して冷たくない? 四つ葉堂の常連客でしょ、あんた……。
「しかし、その悪人面の男とやらもとんだ災難に遭ったものだな。お前達に声を掛けたばかりに偽りの道を教えられたのだから」
見ず知らずの男相手にアレックスは同情を示す。
「あんたは会ってないからそんなことが言えるんだよ。ほんと、なんかこう、ヤバげなオーラが全身からほとばしってたんだから」
「人を見かけで判断するな。私が思うに、その男は冒険者だと思うのだが。町医者や調剤師の依頼で、この森に自生する薬草を採取したかったのかもしれんぞ。この森には、良質の薬草が多く自生しているからな」
「そう……なの? 冒険者って用心棒みたいな仕事だけじゃないんだ」
「ギルドに集まる依頼は多岐に渡る。それこそ、肉体労働から頭脳労働までな。……というより、お前、よく冒険者のことを知っていたな。無駄に有り余る好奇心に任せ、ギルドにでも行ってみたのか?」
「エーデルさんに教えてもらったんだよ。あ、そういや深緑の翼亭の中にギルドの支店が作られるっぽいね」
「そうなのか? それは……正直複雑だ。私はあの店の静かな雰囲気が気に入っていたのだが……。冒険者達が出入りするようになれば、騒々しくなるだろう。だがまあ、仕事がやりやすくなるのはいいことだ」
「何それ? もしかしてあんたも冒険者ってやつなの? 研究者って言ってなかった?」
「研究者といっても、それは厳密にいうと仕事ではないからな。当然、収入は得られない。しかし、その研究費用も馬鹿にはならんから、冒険者免許を取得して、働ける時に働く、といった形をとっているんだ」
そう説明し、アレックスは手首をクルっとまわして一枚のカードを出して見せてくれた。なんていうか、運転免許証みたいな感じのものだ。これが冒険者免許なのか。
「さて、私はそろそろ行くぞ。お前達もあまり怪盗のことは気にするな。怪盗から見ても、この屋敷を狙うメリットはない。下調べをしたらわかることだ」
アレックスはやはり怪盗のことは全く気にしていない。
少しは心配しろよ、と思いながら私は退室するアレックスの背を見つめた。
「あれ、あいつ出掛けてんのかな?」
「まだお空にお日様があるから、お出かけはしてないと思うよ。ちょっと待ってね。今、どこにいるか探してみるから」
そう言うと、クリンちゃんは目を閉じた。その状態で探すってどういうこと? クリンちゃんには千里眼みたいな能力があるの?
「あのね、アレックスは調合室にいるみたい」
無邪気にクリンちゃんは教えてくれた。
「そっか。じゃ調合室に行こう」
調合室に向かう途中、私は好奇心に駆られ、どうしてわかったのか訊いてみた。
「別に特別なことはしてないよ。アレックスの魔力を、追ってみただけだもん。アレックスの魔力って、どよよーんってしてるからすぐわかるんだ」
説明されてもよく意味がわからなかった。ってか、どよよーんって……。性格の悪さが魔力とやらに滲み出てるってこと?
調合室まであと五メートルほどという時だ。アレックスが調合室から出てきた。
「アレックス、話があるんだけど」
私の呼びかけに、一瞬アレックスはどこかばつの悪そうな表情を浮かべた……ように見えた。
「なんだ? 悪いが話なら後にしてくれ。今から風呂に入ってくるのでな」
「話はすぐ終わるよ。お風呂はその後でもいいでしょ」
有無をいわさずアレックスの前に立つ。それと同時に何だかとても嫌な臭いが鼻を突いた。
「え……、何この臭い……」
「アレックス、臭い……」
私もクリンちゃんも思わず鼻を押さえる。
青臭ーい、どこかで嗅いだことのある臭気。これは……、そうだカメムシ! あれの臭いだ。
「仕方ないだろう。今し方調合していた薬品の原料の臭いだ。それで話とはなんだ? さっさと話せ」
アレックスは開き直ったかのように腕を組んで高圧的な態度に出る。
「……やっぱ先にお風呂入ってきていいよ。あんた、カメムシ臭い。これでよ~く洗いな。さっさとそのカメムシ臭をきれいさっぱり落としてきて」
ロートレックさんからもらった石鹸を一つ出すと、アレックスに放り投げるようにして渡した。そして、しっしっしっと追っ払う仕草を向ける。
「身勝手な奴だ。いっそのことこのまま抱き付いてやろうか?」
「なっ……!?」
「何を赤くなっているんだ。妙な勘違いをするんじゃない」
「し、してないよ! 談話室で待ってるから、早くお風呂に入ってきなよ」
「仕方ないな。それと言っておくが、原料は虫ではなくランプロン草というれっきとした植物だ」
アレックスは無表情に説明する。いや、そんなことはどうでもいいよ……。
それから約三十分後。風呂前と変わらない黒装束姿でアレックスは談話室に来た。同じのを何着も持ってんの?
いや~なカメムシ臭はきれいに落ちたようだ。それどころか、すっきりとしていて、どこかやわらかい爽やかな香りがする。きっと、ロートレックさんからもらった石鹸の香りだろう。
「アレックス、いい匂い♪」
クリンちゃんがピトッとアレックスに抱き付く。アレックスはそんなクリンちゃんを「暑苦しい、引っ付くな」と、邪険に振り払う。
「それで話とは一体なんだ?」
私は深緑の翼亭で聞いた“怪盗”の話をした。
「……でね、注意しろってロートレックさんが言ってたよ」
「そうか」
アレックスは無表情に一言返しただけであった。
「何そのあっさりした反応。少しは不安にならないワケ?」
「ならないな。この屋敷に盗られて困るようなものは何もない」
やはりアレックスの反応は薄い。
「絵とか壷とか高価そうじゃん」
壁の絵画や飾られている壷を指す。
「あんなもの、いくら盗まれたところで私は別に困らない。……それに、こんな深い森の中にある屋敷を狙う酔狂な盗賊もいないだろう。まったく、ロートレックの奴もいらん心配をするものだな。愚かな奴だ」
アレックスはさも関係ないと言わんばかりの口振り。っていうか最後の言い種! こいつ、ロートレックさんの親切を踏みにじる気!? 心配して言ってくれてんのに、ほんと人の親切が素直に受けれない奴ってダメだよね!
「話はそれだけか? だったら、私はもう行くぞ」
アレックスはソファーから立ち上がろうと腰を浮かす。
「ちょっと待ってよ。それだけじゃないんだってば!」
帰り際に声を掛けてきた悪人面の男のことを話した。
「ね? 怪しくない? 今思ったんだけどさ、あのおっさんがカラミンサを騒がせてる噂の怪盗かもしんないよ!?」
興奮してまくし立てる私にアレックスは冷ややかな視線を向ける。
「お前、本気でそんなこと考えているのか? だとしたら、正真正銘の馬鹿だな」
「なんでよ!? こんな森の中で、あんなおっさんが何しようってのさ!? まさか、ピクニックってわけでもないでしょ!?」
「怪盗と呼ばれるほどの賊が、わざわざ道を訊ねると思うのか? それも、こんな見るからに馬鹿面をした奴を選んで」
カチンとくる余計な一言を付け加えてアレックスは反論する。
「それは……。でも『こいつ、馬鹿そうだから警戒されないんじゃね?』みたいな感じで訊いてきたかもしれないよ?」
う、私ってば自虐的だぁ。言ってて少しヘコむわ……。私の言葉に、アレックスは『話にならん』という感じで、頭を振る。
「あのおじさん、カイトウなの? どうしよう、あたしの栗饅頭、盗まれちゃうかも……!」
クリンちゃんがオロオロと頭を抱える。っていうか、また栗饅頭!? 盗まれるのは貴金属とか現金だってロートレックさん言ってたじゃん!
「安心しろ。栗饅頭を盗む賊などいるわけがない。仮にもしそんな賊がいたとしても、狙われるのはうちではなく四つ葉堂だろう。犠牲になるのはラグラスくんだ。彼には気の毒だがな」
アレックスは全くもってズレた感覚でクリンちゃんをなだめる。こいつ……、他人事みたいに言ってるよ。しかも、ラグラスさんに対して冷たくない? 四つ葉堂の常連客でしょ、あんた……。
「しかし、その悪人面の男とやらもとんだ災難に遭ったものだな。お前達に声を掛けたばかりに偽りの道を教えられたのだから」
見ず知らずの男相手にアレックスは同情を示す。
「あんたは会ってないからそんなことが言えるんだよ。ほんと、なんかこう、ヤバげなオーラが全身からほとばしってたんだから」
「人を見かけで判断するな。私が思うに、その男は冒険者だと思うのだが。町医者や調剤師の依頼で、この森に自生する薬草を採取したかったのかもしれんぞ。この森には、良質の薬草が多く自生しているからな」
「そう……なの? 冒険者って用心棒みたいな仕事だけじゃないんだ」
「ギルドに集まる依頼は多岐に渡る。それこそ、肉体労働から頭脳労働までな。……というより、お前、よく冒険者のことを知っていたな。無駄に有り余る好奇心に任せ、ギルドにでも行ってみたのか?」
「エーデルさんに教えてもらったんだよ。あ、そういや深緑の翼亭の中にギルドの支店が作られるっぽいね」
「そうなのか? それは……正直複雑だ。私はあの店の静かな雰囲気が気に入っていたのだが……。冒険者達が出入りするようになれば、騒々しくなるだろう。だがまあ、仕事がやりやすくなるのはいいことだ」
「何それ? もしかしてあんたも冒険者ってやつなの? 研究者って言ってなかった?」
「研究者といっても、それは厳密にいうと仕事ではないからな。当然、収入は得られない。しかし、その研究費用も馬鹿にはならんから、冒険者免許を取得して、働ける時に働く、といった形をとっているんだ」
そう説明し、アレックスは手首をクルっとまわして一枚のカードを出して見せてくれた。なんていうか、運転免許証みたいな感じのものだ。これが冒険者免許なのか。
「さて、私はそろそろ行くぞ。お前達もあまり怪盗のことは気にするな。怪盗から見ても、この屋敷を狙うメリットはない。下調べをしたらわかることだ」
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