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第3話 街に怪盗がやってきた(前編)
4 冒険者?ギルド? それって何?
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「でね!でね! もう、すっごくカッコ良かったの、そのお姉さん!」
深緑の翼亭のカウンター席にて、私は噴水広場でのことを興奮気味に語った。
「ははっ! そうかいそうかい! 多分その姉ちゃんは“リザーテイリア”だな」
「リザーテイリア?」
「トカゲが先祖の亜人種族だよ。身のこなしが素早くて、戦闘能力がなかなか高いって話だ。珍しいな、連中、もっと南の地方に住んでるんだがなぁ」
「もしかしたら、その人は冒険者かもしれませんね」
そう言ったのは、エーデルワイトという名の、ファータの女性。みんなからはエーデルさんと呼ばれている。ちなみに、クリンちゃんが言う“酒場のおねーさん”とは、実はこの人のこと。ここでバイトをしながら、王立・フロックス魔術学院に通う学生さんだ。歳は十七歳。おっとりした外見とは裏腹に、中身は芯の強いしっかり者で面倒見の良いのお姉さんだ。
「冒険者? なんですか、それ」
耳慣れない言葉に思わず訊いてみた。
「冒険者っていうのはね、“冒険者ギルド”ってところから発行されている、様々な依頼を受けて生計を立ててる人達のことよ。一流の冒険者になると、世界中を渡り歩いて活躍するっていうわ。その女の人も、そういった冒険者の一人じゃないかしら」
「へぇ~、ってことは、あのお姉さん、凄い人なんですね。えと、冒険者って具体的にどんなことするんですか?」
「そうねぇ……、一般的には魔物退治や、行商人なんかの護衛とかかしら。私もギルドに行ったことないから、詳しくは知らないんだけど……」
「あ、ギルドで思い出したが、ギルド・カラミンサ中央支部をここに作りたいって話が出てんだったな」
突然、バンダさんが思い出したように口を開いた。
「なんのことだい? あたしゃ、そんな話聞いてないよ」
バンダさんの奥さん、イベリスさんが訝しげな顔を作る。
「いや何、ギルド・カラミンサ支部は、辺鄙な場所にあって不便だって苦情が多いらしくてよ。それで、ここに新しい支店を作りたいって話がきてんだよ。うちは街のほぼ中央にあるからちょうどいいってな」
「な……! 店を明け渡せっていうのかい!? あんた! なんで、そんな大事な話、今まで黙ってたんだい!」
イベリスさんは今にも掴みかからんばかりの勢いで、バンダさんを責め立てる。
「か、かぁちゃん、落ち着いてくれ! 別に店を明け渡せってことじゃねえ。この店の中に、ギルドの受付カウンターをを作るだけでいいんだよ」
「そうかい、ならいいんだ。……で、どうすんのさ。その話、受けんのかい?」
「工事費は当然向こう持ちだそうだが、断ろうと思ってるよ」
「え!? マスター、それ本気で言ってるんですか!?」
信じられないと言わんばかりに、エーデルさんは大きな声を上げた。
「な、なんでえ、エーデルちゃん。いきなり、でかい声出して……」
「マスター、その話、受けた方がいいですよ、絶対」
「え、なんで?」
バンダさんは意味がわからないといった感じに、キョトンとしている。
「よく考えてみてくださいよ。ギルドの支店がこの店の中にあるってことは、当然、冒険者の人達が出入りするってことです」
「まあ、そうだな。だが、それが一体どうしたっていうんだ?」
「……鈍過ぎです、マスター。もしかして、脳みそも筋肉でできてるんじゃないですか?」
うっは! エーデルさん、おっとりした外見とは裏腹に、意外とキツいこと平気で言うんだな。ってか、雇い主に向かってよくそんなこと言えるよね?
エーデルさんの“脳みそも筋肉”宣言にバンダさんは絶句し、右頬を引きつらせている。そんなことは気にすることもなく、エーデルさんは説明する。
「いいですか? 冒険者の人達が出入りするようになれば、当然、仕事前に食事をする人達、依頼達成後に一杯引っ掛けていく人達も出てくるってことです」
「つまり、うちの売上増加に大きくつながる。そういうことだね、エーデルちゃん」
「そういうことです」
エーデルさんの言葉を引き継ぐように、イベリスさんがまとめた。
「ああ、なるほどねえ、なら話を受けるのも悪かねえか。……けどなぁ、ギルドカウンターを造るっても、うちの狭い店ん中じゃ、スペースを確保すんのが難しいしな……」
どうしたものかと、バンダさんは腕を組んで考え込む。
「なんだ、そんなの簡単に解決できるじゃないですか。あの辺を潰して、ギルドカウンターにしちゃえばいいんですから」
エーデルさんはテーブル席の一部を指して、にこやかに言った。
「おいおい、いきなり何言い出すんだよエーデルちゃん」
「いいじゃないですか。私、ここで働いて二年になりますけど、あそこの席が使われてるの、まだ一度も見たことないですよ? 無駄なスペースは有効活用しないと」
「む、無駄なスペースって……」
エーデルさんの辛辣な言葉に、バンダさんの顔はまたも引きつる。
「そうだね。いっそ、そうしちまうかい」
イベリスさんが後押しの一言を発する。
「かぁちゃんまで……。ああもう、わかったよ。ギルドにはそういう風に話をつけとくよ」
バンダさんはやけくそ気味に頭を掻いた。
「おねーさん、ジュースのおかわりちょうだい♪」
クリンちゃんがエーデルさんにグラスを差し出す。
「はいはい」
エーデルさんはグラスを受け取ると、慣れた手際でフルーツジュースを注ぎ、クリンちゃんに渡した。
「それはそうと、クリンちゃん。もう、男の人に『何か買ってあげる』って言われても、絶対について行っちゃダメよ? ユウコちゃんが止めてくれたから良かったものの、アレックスさんに悲しい思いをさせるところだったのよ?」
エーデルさんは優しく噛んで含むようにクリンちゃんを諭す。
「はい……、ごめんなさい、おねーさん……」
クリンちゃんは反省したようで、素直に謝った。
いや、アレックスは悲しむより先にキレるでしょ。そんでもってあの馬鹿コンビを殺しに行きそうよ。
「とにかく、あんた達二人とも無事で何よりさ。……もう噴水広場にはあまり近寄らない方がいいね。最近あそこには男も女も、いかがわしい目的でブラブラしてる連中が多いみたいだから……」
イベリスさんが嘆かわしいと言わんばかりにため息をつく。まあ確かに、ナンパ男もナンパ待ちしてるって感じの女も結構いたなぁ。そんなことを思い出しながら、私はジュースを飲む。
深緑の翼亭のカウンター席にて、私は噴水広場でのことを興奮気味に語った。
「ははっ! そうかいそうかい! 多分その姉ちゃんは“リザーテイリア”だな」
「リザーテイリア?」
「トカゲが先祖の亜人種族だよ。身のこなしが素早くて、戦闘能力がなかなか高いって話だ。珍しいな、連中、もっと南の地方に住んでるんだがなぁ」
「もしかしたら、その人は冒険者かもしれませんね」
そう言ったのは、エーデルワイトという名の、ファータの女性。みんなからはエーデルさんと呼ばれている。ちなみに、クリンちゃんが言う“酒場のおねーさん”とは、実はこの人のこと。ここでバイトをしながら、王立・フロックス魔術学院に通う学生さんだ。歳は十七歳。おっとりした外見とは裏腹に、中身は芯の強いしっかり者で面倒見の良いのお姉さんだ。
「冒険者? なんですか、それ」
耳慣れない言葉に思わず訊いてみた。
「冒険者っていうのはね、“冒険者ギルド”ってところから発行されている、様々な依頼を受けて生計を立ててる人達のことよ。一流の冒険者になると、世界中を渡り歩いて活躍するっていうわ。その女の人も、そういった冒険者の一人じゃないかしら」
「へぇ~、ってことは、あのお姉さん、凄い人なんですね。えと、冒険者って具体的にどんなことするんですか?」
「そうねぇ……、一般的には魔物退治や、行商人なんかの護衛とかかしら。私もギルドに行ったことないから、詳しくは知らないんだけど……」
「あ、ギルドで思い出したが、ギルド・カラミンサ中央支部をここに作りたいって話が出てんだったな」
突然、バンダさんが思い出したように口を開いた。
「なんのことだい? あたしゃ、そんな話聞いてないよ」
バンダさんの奥さん、イベリスさんが訝しげな顔を作る。
「いや何、ギルド・カラミンサ支部は、辺鄙な場所にあって不便だって苦情が多いらしくてよ。それで、ここに新しい支店を作りたいって話がきてんだよ。うちは街のほぼ中央にあるからちょうどいいってな」
「な……! 店を明け渡せっていうのかい!? あんた! なんで、そんな大事な話、今まで黙ってたんだい!」
イベリスさんは今にも掴みかからんばかりの勢いで、バンダさんを責め立てる。
「か、かぁちゃん、落ち着いてくれ! 別に店を明け渡せってことじゃねえ。この店の中に、ギルドの受付カウンターをを作るだけでいいんだよ」
「そうかい、ならいいんだ。……で、どうすんのさ。その話、受けんのかい?」
「工事費は当然向こう持ちだそうだが、断ろうと思ってるよ」
「え!? マスター、それ本気で言ってるんですか!?」
信じられないと言わんばかりに、エーデルさんは大きな声を上げた。
「な、なんでえ、エーデルちゃん。いきなり、でかい声出して……」
「マスター、その話、受けた方がいいですよ、絶対」
「え、なんで?」
バンダさんは意味がわからないといった感じに、キョトンとしている。
「よく考えてみてくださいよ。ギルドの支店がこの店の中にあるってことは、当然、冒険者の人達が出入りするってことです」
「まあ、そうだな。だが、それが一体どうしたっていうんだ?」
「……鈍過ぎです、マスター。もしかして、脳みそも筋肉でできてるんじゃないですか?」
うっは! エーデルさん、おっとりした外見とは裏腹に、意外とキツいこと平気で言うんだな。ってか、雇い主に向かってよくそんなこと言えるよね?
エーデルさんの“脳みそも筋肉”宣言にバンダさんは絶句し、右頬を引きつらせている。そんなことは気にすることもなく、エーデルさんは説明する。
「いいですか? 冒険者の人達が出入りするようになれば、当然、仕事前に食事をする人達、依頼達成後に一杯引っ掛けていく人達も出てくるってことです」
「つまり、うちの売上増加に大きくつながる。そういうことだね、エーデルちゃん」
「そういうことです」
エーデルさんの言葉を引き継ぐように、イベリスさんがまとめた。
「ああ、なるほどねえ、なら話を受けるのも悪かねえか。……けどなぁ、ギルドカウンターを造るっても、うちの狭い店ん中じゃ、スペースを確保すんのが難しいしな……」
どうしたものかと、バンダさんは腕を組んで考え込む。
「なんだ、そんなの簡単に解決できるじゃないですか。あの辺を潰して、ギルドカウンターにしちゃえばいいんですから」
エーデルさんはテーブル席の一部を指して、にこやかに言った。
「おいおい、いきなり何言い出すんだよエーデルちゃん」
「いいじゃないですか。私、ここで働いて二年になりますけど、あそこの席が使われてるの、まだ一度も見たことないですよ? 無駄なスペースは有効活用しないと」
「む、無駄なスペースって……」
エーデルさんの辛辣な言葉に、バンダさんの顔はまたも引きつる。
「そうだね。いっそ、そうしちまうかい」
イベリスさんが後押しの一言を発する。
「かぁちゃんまで……。ああもう、わかったよ。ギルドにはそういう風に話をつけとくよ」
バンダさんはやけくそ気味に頭を掻いた。
「おねーさん、ジュースのおかわりちょうだい♪」
クリンちゃんがエーデルさんにグラスを差し出す。
「はいはい」
エーデルさんはグラスを受け取ると、慣れた手際でフルーツジュースを注ぎ、クリンちゃんに渡した。
「それはそうと、クリンちゃん。もう、男の人に『何か買ってあげる』って言われても、絶対について行っちゃダメよ? ユウコちゃんが止めてくれたから良かったものの、アレックスさんに悲しい思いをさせるところだったのよ?」
エーデルさんは優しく噛んで含むようにクリンちゃんを諭す。
「はい……、ごめんなさい、おねーさん……」
クリンちゃんは反省したようで、素直に謝った。
いや、アレックスは悲しむより先にキレるでしょ。そんでもってあの馬鹿コンビを殺しに行きそうよ。
「とにかく、あんた達二人とも無事で何よりさ。……もう噴水広場にはあまり近寄らない方がいいね。最近あそこには男も女も、いかがわしい目的でブラブラしてる連中が多いみたいだから……」
イベリスさんが嘆かわしいと言わんばかりにため息をつく。まあ確かに、ナンパ男もナンパ待ちしてるって感じの女も結構いたなぁ。そんなことを思い出しながら、私はジュースを飲む。
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