32 / 48
28 嵐は笑顔でやって来る!のですわ!
しおりを挟む「王妃様のドレス、サイズぴったりですね!ものすごく、お似合いです……!」
「そ…そうかしら?」
「はい!とてもお美しいです!」
「それはどうかしら……」
部屋に戻ってメイド服からドレスへ着換え……ようといたしましたが。
そう!サイズが!!急に痩せてしまったからドレスが全てオーバーサイズだったのですわ!
仕方なくお母様のところへ、ドレスを貸してほしい旨書いた手紙を持たせてラルフにお使いに行かせましたわ!
ヤーナに5分で行ってこいという無理難題を押し付けられて…。
いやいやいや。お母様は別棟ですわよ?5分って…。
でもさすがラルフ!まさかのほぼ5分でしたわ!
ラルフの筋肉がいい仕事をしましたわ~!
なのにたった13秒過ぎただけでヤーナに怒られてましたわ。………なんて理不尽!
え?ラルフ?今は扉の外でへたり込んでいますわ!お疲れ様!
ラルフのことはいいとして。
改めて鏡を見れば…そこには今までの半分…いえ、3分の1くらいのわたくしが。
デブスからデブが抜けて見れるようにはなったかもしれませんが、美しい…は、言い過ぎではないかしら。
所詮、『デブス-デブ=ブス』ですわ!くぅっ。
それにしても、何がどうなってこうなったのかしら?
一瞬にして痩せるだなんて聞いたこともございませんわ!?
やはりあの時放たれた光が何か関係あるのかしら……?
………………うん。分かりませんわ!
「ヤーナ。明日にでも王国魔道士団長に話を聞けるように手配してくださる?」
「かしこまりました」
分からないならプロに聞いてみましょう!
分からないものをずっと考えていても仕方がありませんわ!
オレグ様が言うようにあれがわたくしの魔法なら、きっと魔道士団長に聞けば解決の糸口が見つかるはずですわ!
「あと、レア属性の魔法にまつわる本を集めてくださる?」
「かしこまりました」
そして自分でも学びましょう!
他力本願になるのはいけませんわ!
何事も突き詰めれば自ずと何かが見えてくるはずですわ!
う~ん!久しぶりに知識欲が沸き起こりますわぁ!興奮しますわぁ!
「……でも姫様。寝る時間も食事の時間も削っちゃ駄目ですよ?」
「も、もちろんですわ!」
「お風呂の時間もトイレの時間もですよ!?
「ト、トイレ………」
トイレの心配までされるなんて……!
一国の姫なのに!これでも姫なのに!
でも……ぐうの音も出ませんわ!?
わたくし何かに集中すると何もかも見えなくなって忘れてしまうのですわ!のめり込んでしまうのですわ!
でもでもでも、さすがにトイレの時間は忘れませんわ……たぶん。
レーナの視線が痛いですわぁ………。
「…………コホン。で、でも…やっぱり駄目ね。痩せたと言ってもお母様のドレスが少しきついですわ。まだまだ痩せなくては……って感じかしら?」
うん。話の風向きが悪いので話を変えてしまいましょう!そうしましょう!
「…………………今日のところはまぁいいでしょう」
レーナもわたくしが無理矢理話題を変えたことには気付いたようだけれど、目を瞑ってくれましたわ!優しい侍女ですわ!大好きですわ!だからそんなジト目で見るをやめてくださいまし!
「姫様は十分痩せてらっしゃいますよ」
あら、やっぱりヤーナは優しいですわ?わたくしが傷付かないように言ってくれたのですわね?
でもね?お母様のドレスは入るには入るのだけど…なんだか息苦しいのですわ!
そう話せば、ヤーナは大きなため息をひとつ。
「それを王妃様に言ってはなりませんよ?王妃様はスレンダーでらっしゃることを気に病んでますから。姫様が息苦しいのは姫様のお胸が大き……」
バァ―――――――――――――ンッ!!!!
ヤーナの声を遮り、突然扉を大きく開いて登場したのは……
「お母様!?」
「レーナちゃん!!待たせたわね!!」
「いえ、全然待ってませんわ!?」
嵐が!嵐が満面の笑みでやってきましたわ!?
0
お気に入りに追加
89
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
【完結】夫は王太子妃の愛人
紅位碧子 kurenaiaoko
恋愛
侯爵家長女であるローゼミリアは、侯爵家を継ぐはずだったのに、女ったらしの幼馴染みの公爵から求婚され、急遽結婚することになった。
しかし、持参金不要、式まで1ヶ月。
これは愛人多数?など訳ありの結婚に違いないと悟る。
案の定、初夜すら屋敷に戻らず、
3ヶ月以上も放置されーー。
そんな時に、驚きの手紙が届いた。
ーー公爵は、王太子妃と毎日ベッドを共にしている、と。
ローゼは、王宮に乗り込むのだがそこで驚きの光景を目撃してしまいーー。
*誤字脱字多数あるかと思います。
*初心者につき表現稚拙ですので温かく見守ってくださいませ
*ゆるふわ設定です
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる