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第7部 いざ男爵領へ

第52話 Archer 弓矢使い

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「今度は私の番だね」
 ルイディナさんがクロスボウを掲げながら言う。
 
「シュンッ!」「シュンッ!」「シュンッ!」「シュンッ!」

  「ドカッ!」「ドカッ!」「ドカッ!」「ドカッ!」

 狙った木に、矢が深々と突き刺さっている。
「相変わらず凄い威力ですね、ルイディナさん」
「これもエリアスのおかげさ」
 弓矢に風を纏い勢いよく飛んで行くイメージで打っている。
 ルイディナさんのMAXのMPは40だ。
 鑑定でみてもまだ38ある。
 オルガさんの時と同じように少しずつ回復しているのだろう。

「この技はAir shotエアショットと名付けましょうか」
「エリアス。他に私には何かアドバイスはないのかな?」
「う~ん、そうですね。例えば動いている物を、打つ時はどうしていますか」
「それはある程度、先を予測して狙って打つかな」
「それなら矢を打ったら、狙う相手を目で追ってください」
「目で追う?」
「えぇ。目で追った通りに追尾、出来ればいいかなと思って」
「追尾か、出来るといいな。やってみるよ」
 そう言うとルイディナさんは森の奥に入っていった。

 その時、鳥が数羽飛び立つ。

 バタ、バタ、バタ、バタ、バタ!

「シュンッ!」

 クロスボウから放たれた矢が1羽の鳥を追っていく。
 そして鳥を追うように矢は軌道を変える。
「グサッ!」
 鳥に当たり落ちてゆく。

 俺達は落ちた鳥を拾いに行った。
 すると矢は胴の真ん中に刺さっていた。
「いや~、エリアスの言う通り矢を打ってからも、矢に風を纏い続けるイメージをしたら起動修正が出来たよ。当たるまで矢と繋がっている感じがしたよ」

「凄いです!その内、障害物を避けて矢を撃つ様に出来そうですね」
「そんなエリアス。いえ待って。前に使っていた弓を出してくれない?」
 俺は以前ルイディナさんが使っていた、弓と矢をストレージから出した。
 
「やってみるよ」
 そう言うとルイディナさんは弓を引き放った。
「シュッ!」
       「ドカ!」

「シュッ~~!」
            「ドカ!」

「シュッ~~~~~!」
                「ドカ!」

 何度か試し打ちをしていると、矢が手前の木を避け後ろの木に当たる様になった。
(そんな事があるのか)

「ふぅ~。さすがに疲れたよ。後は練習あるのみだな」
「さすがルイディナ。それにエリアスの言う通りだね。魔法はイメージがどれほど出来るかだよね」
 パメラさんが手を叩きながら喜ぶ。

 【スキル・鑑定】簡略化発動
 名前:ルイディナ・ドラード・セルベルト
 種族:人族
 年齢:21歳
 性別:女
 職業:Archer弓矢使い 
 レベル:18

【スキル】
 弓:LV1
 発展スキル:風
 Air shotエアショット:LV1
 Chasing arrow追う矢:LV1

 俺はルイディナさんに職業が狩人からArcher弓矢使いに替わったこと。
 そしてAir shotエアショットChasing arrow追う矢もスキルになったことを伝えた。
「私にもスキルが!嬉しいエリアス」
 そう言うとルイディナさんは俺の顔を胸に埋めた。

「いよいよ最後はこのパメラ様の登場ね」
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