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第7部 いざ男爵領へ

第49話 それぞれの能力

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 エターブの町に入り宿屋を見つけ、今夜の宿を取った。
 男爵になったのだから、あまり安い宿は、と少し奮発した。

 しかしよく考えたら俺達4人は、相変わらず冒険者の格好で旅をしている。
 男爵て周りは分からないよね。

 でもいいか。
 俺はこの世界に来てからアレンの街以外知らない。
 嫁3人も他の街を知らず、宿を出て町の観光を楽しんでいる。

 この世界では街の外は盗賊や魔物が居て危険が多い。
 よほどの理由がない限り他の街に行くこともないからね。

 それからこの世界は不思議だ。
 魔道具は発達しているのに、科学や道具自体が発達していない。
 なにかチグハグな感じだ。

 そしてマヨネーズやソース、唐揚げやカツなどがあるのは嬉しい。
 どこぞの商会が数年前から販売し、調理方法も情報料を払えば教えてもらえるとか。
 もしかしたら転生者か?
 でも女神ゼクシーは俺の他には転生や転移者はいない、て言ってたからな。
 きっと料理の旨さを追求した結果に違いないな。

 そしてエターブの町のブームが『どら焼き』らしい。
 なんでも王都の菓子職人が独立して店を開いたとか。
 糖分や甘味に飢えた庶民に大人気だ。
 砂糖は高いからね。
 ただ残念なことに『粒あん』ではなく、カスタードクリームなんだけど。

 そしてなぜかカスタードクリームをパンに挟んだ『どら焼きパン』。
 カスタードクリームをクッキー仕立てにした『どら焼きクッキー』とか。
 どうやらカスタードクリームの事を、『どら焼き』と言うらしい。

 作った菓子職人はどうして、『どら焼き』と言う名前を思いついたのかな。
 本来の名前の由来通り、打楽器の銅鑼どらから取ったのかな?
 

 町と言ってもエターブは小さな田舎町だ。
 すぐに見て回るところが無くなった。


  あぁ、そうだ。
 ヴィラーの村らに行っても、住む所がどんなところか分からない。
 いきなり言って食べ物に困るのは嫌だ。
 だから食材を買っておこう。

 その事をみんなに話した。
「そうね、無駄にならない程度に買っておきましょうか」
 オルガさんも賛同してくれ、俺達は市場に寄った。
 そしてオルガさんの言う通りの物を俺は買い、ストレージに仕舞った。


 俺達は宿屋に戻り部屋に入った。
 4人部屋で4人同時に泊まるのは、今回が初めてだからドキドキする。
 嫁3人とは今まで部屋は別々だったからね。
 個別訪問ならあるけど…。
  

 部屋に入り俺達はまず、盗賊団の時のことを話した。
「あの時のみんなは凄かったけど、どういう感じだったのかな?」
 俺はみんなに聞いた。

「まずは私から話すわ」
「お願いします。ルイディナさん」
「エリアスからステータスが少し上がり、風魔法が使えるようになったて聞いたわ」
「ええ、そうです」
「でもMPが余りないから、大した魔法は使えない、て言われたから考えたんだ」
「どんな事を?」
「エリアスと同じようにまとえば良いいてね」
「俺と同じようにですか」
「そうよ。纏うことが出来れば、そんなにMPは使わない、て前に聞いたからさ」
「それでどうしたんですか?」
「弓矢に風を纏うようにしたのさ。そして勢いよく飛んで行くイメージでね。そしたら勢いよく飛び過ぎて。まさかあそこまで、威力が上がるとは思わなかったけどな」
「それで体はダルくなかったのですか?」
「えぇ、なんともなかったよ」
「魔力が少なくなると気持ちが悪くなったり、ふらついたりします。ではまだMPに余力があったのでしょう。でも無理はしないでくださいね」
「あぁ、分かっているさ」

「ではオルガさんは?」
「私もルイディナと同じです。以前、エリアス君はトロールと戦った時に、風を真空状態で剣に纏うようにイメージした、て聞いたわ。真空状態が良く分からないけど、多分パメラのウインドカッターみたいな感じかな、と思い試してみたらよく切れて」
Vacuum sword真空剣ですか。動きがとても早く見えたけど」
「プレートアーマーを着ているから、もっと早く動けないかと思って。そう思ったら体に少し風の魔法が掛かったみたいだったわ」
「素早さを上げたってことですね。 Agilityアジリティ UPですか」
Agilityアジリティ UPなんていいわね。この技の名にするわね」
「オルガさんも、ふらついたりは無かったのでしょうか?」
「なかったわ」
「どこまでが限界か分かりませんから、無理はしないでくださいね」
「えぇ、ありがとう。エリアス君」

「最後にパメラさんですね」
「私の場合は普通にウインドカッターを放っただけよ。そしたら強すぎただけ」
「そうですか。みんなでどこかの森に入って、改めて戦闘の練習をしましようか」
「そうね、どこまでできるか分からないと、いざいう時に困るからね」
 3人共、賛成してくれた。
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