13 / 35
第1章 始まりの物語
第13話 モモンガライダー、レオ
しおりを挟む
翌朝、俺達はアンジェラの実家、マルタ村を目指して街を出た。
何事も無ければ二日で着くと言う。
生前に便利な生活に慣れていた俺は、歩いて二日かかる、なんて考えられなかった。
まして野宿だよ?ほんと。
アンジェラと俺は街道を歩いて行く。
仲間の遺品は荷物にならない様にと、ミサンガなど小物ばかりだ。
しかし人間の歩く速度は遅いな。
俺一人なら飛べば早いのに…。
まあ、俺一人が先に行っても意味がないけど。
★アンジェラ視点
しばらく歩くと街道も無くなり山道に入った。
すると突然、ガラの悪そうな冒険者が三人、剣を抜き前の道に立ち塞がる。
後を振り向くとそこにも男が二人、こちらも逃げれない様に道を塞ぐ。
「な、なによ!!あなた達は?!」
私は叫ぶ!!
「えへへへ、お嬢ちゃん。手持ちの金を出してもらおうか」
野盗?!
「な、ないわよ!!お金がなくて実家に戻るんだから!!」
「嘘を言っても駄目だ」
「冒険者ギルドでブラッディベアの素材や報奨金をもらっているはずだ」
「ちゃんと裏は取ってあるんだ」
男達がそれぞれ言いはじめる。
「ブラッディベアを倒したのは恐れ入る」
「しかし倒したのはお前ではなく、死んだ仲間だ」
「ただ守られていたお前など、恐れることはないからな」
『ただ守られていた』なんて…。
あの時、私は仲間を盾にして逃げたんだわ。
そしてみんなは、私の為に…。
私は弓を構える。
「やってみろ、こんな近くなら次を打つ前にお前を切るぞ」
「大人しくしていれば、悪いようにはしないぜ」
「まあ、金を奪った後は、イヒヒヒヒ」
「さあ、こっちへ来い」
このお金は仲間の家族に…。
そして私がやり直すための資金なのに…。
ちくしょう!!
悔しい!!
あの時の気持ちを思い出し、私は悔しさのあまり唇を噛む…。
そんな時、どこからか声が聞こえてきた。
『天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ、悪を倒せと俺を呼ぶ! 』
ふと見るとレオが私の肩の上で耳元に囁いていた。
なにをやっているの、こんな時に。
そうだわ。
この子が、今の私にはこの子が居たんだわ。
『モモンガライダー、レオ参上!!』
トゥォ~~!!
レオは私の肩の上で両手を上げ軽くジャンプをした。
トンッ、10点0!!
いったい、なにをやりたいのかしら?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつも応援頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となる場合もあります。
何事も無ければ二日で着くと言う。
生前に便利な生活に慣れていた俺は、歩いて二日かかる、なんて考えられなかった。
まして野宿だよ?ほんと。
アンジェラと俺は街道を歩いて行く。
仲間の遺品は荷物にならない様にと、ミサンガなど小物ばかりだ。
しかし人間の歩く速度は遅いな。
俺一人なら飛べば早いのに…。
まあ、俺一人が先に行っても意味がないけど。
★アンジェラ視点
しばらく歩くと街道も無くなり山道に入った。
すると突然、ガラの悪そうな冒険者が三人、剣を抜き前の道に立ち塞がる。
後を振り向くとそこにも男が二人、こちらも逃げれない様に道を塞ぐ。
「な、なによ!!あなた達は?!」
私は叫ぶ!!
「えへへへ、お嬢ちゃん。手持ちの金を出してもらおうか」
野盗?!
「な、ないわよ!!お金がなくて実家に戻るんだから!!」
「嘘を言っても駄目だ」
「冒険者ギルドでブラッディベアの素材や報奨金をもらっているはずだ」
「ちゃんと裏は取ってあるんだ」
男達がそれぞれ言いはじめる。
「ブラッディベアを倒したのは恐れ入る」
「しかし倒したのはお前ではなく、死んだ仲間だ」
「ただ守られていたお前など、恐れることはないからな」
『ただ守られていた』なんて…。
あの時、私は仲間を盾にして逃げたんだわ。
そしてみんなは、私の為に…。
私は弓を構える。
「やってみろ、こんな近くなら次を打つ前にお前を切るぞ」
「大人しくしていれば、悪いようにはしないぜ」
「まあ、金を奪った後は、イヒヒヒヒ」
「さあ、こっちへ来い」
このお金は仲間の家族に…。
そして私がやり直すための資金なのに…。
ちくしょう!!
悔しい!!
あの時の気持ちを思い出し、私は悔しさのあまり唇を噛む…。
そんな時、どこからか声が聞こえてきた。
『天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ、悪を倒せと俺を呼ぶ! 』
ふと見るとレオが私の肩の上で耳元に囁いていた。
なにをやっているの、こんな時に。
そうだわ。
この子が、今の私にはこの子が居たんだわ。
『モモンガライダー、レオ参上!!』
トゥォ~~!!
レオは私の肩の上で両手を上げ軽くジャンプをした。
トンッ、10点0!!
いったい、なにをやりたいのかしら?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつも応援頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となる場合もあります。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
猛獣・災害なんのその! 平和な離島出の田舎娘は、危険な王都で土いじり&スローライフ! 新品種のジャガイモ(父・作)拡散します!
花邑 肴
ファンタジー
自分の意志とは関係なく、遠く、海の向こうの王都に強制移住させられることになってしまったミリア。
失意のまま王都行きの船に乗るも、新しくできた友だちから慰め励まされ、決意も新たに王都での新生活に思いを馳せる。
しかし、王都での生活は、なれ親しんだ故郷とはかなり勝手が違っていて――。
馴れない生活様式と田舎者への偏見、猛獣騒動や自然災害の脅威etc…。
時に怒りや不安に押しつぶされそうになりながらも、田舎仲間や王都の心優しい人たちの思いやりと親切に救われる日々。
そんな彼らとゆっくり心を通わせていくことで、引っ込み思案なミリアの人生は大きく変わっていく。
これは、何の取柄もない離島の田舎娘が、出会った田舎仲間や都人(みやこびと)たちと織りなす、穏やかであっても危険と隣り合わせの、スローライフ物語(恋愛あり)
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ファンタジック・アイロニー[6月5日更新再開!]
なぎコミュニティー
ファンタジー
――少年少女は神の悪戯で異世界に誘われた。これはとある兄妹が綴るストーリー。
ある日、神による悪戯により、兄妹は異世界に誘われる。基本世界「 ヒューマニー 」と童話や童謡の世界「 メルフェール 」で引き起こされる世界の混乱に兄妹はどのように挑むのか?! 神の思惑に挑む異世界幻想ストーリー。
※当作品はなぎコミュニティにて行われている「リレー小説」ですので、各話に応じて話がぶっ飛んでいたり、文体が異なっている場合があります。
※6月5日20時に更新再開しますが、執筆者多忙のため更新は隔週です! (5日の次の更新は19日となります)
※文章の量に応じて複数に話を区切らせていただいております。また、題名の末尾にあります括弧内の文字は、執筆担当者の名前です。もし担当者の文体が気に入りましたら、覚えておいていただけますと、メンバー総出で喜びます!
以上の事をご考慮の上、読了ください!
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
【心】ご都合主義で生きてます。-商品開発は任せてください。現代知識を使い時代を駆け上る。-
ジェルミ
ファンタジー
現代知識を使いどこまで飛躍できるのか。少年は時代を駆け上る。
25歳でこの世を去った男は、異世界の女神に誘われ転生を選ぶ。
男が望んだ能力は剣や魔法ではなく現代知識だった。
商会を駆使し現代知識を開花させ時代を駆け上る。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる