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第19章 召喚されしもの
第233話 魔物討伐再び
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「ねえ、ミリアちゃん。魔法を強化するにはどうすればいいの?」
「使って覚えることね」
「でも使う機会が無いわ。ミリアちゃんはどうやって覚えたの?」
「この世界には背中合わせにたくさんの世界がある、て話したことがあるわよね」
「えぇ、最初に出会った時に聞いたわ」
「その世界の1つに体長7~10mくらいの巨体を持つ、恐竜だけの世界があるのよ」
「恐竜?!」
「ドラゴンの小型版みたいな生き物ね。その世界では色んな種類の恐竜がいるの。そして弱い者が強い者の犠牲になるような、実力の違いがそのまま結果にでる弱肉強食の世界なのよ」
「そんな世界があるの?!」
「まず神様養成学校に入ると、戦闘訓練の課外授業があるの。その恐竜のいる世界に転移して、魔法で倒してレベルを上げていくの」
「レベルを上げる?」
「そうよ。魔法は使えば使うほど威力が増し、魔力量も増えスキルも多くなるから」
「そうなの?!」
「そうよ。でも普段魔法を使う機会なんて、中々ないでしょう?だから練習相手になってもらうのよ」
「練習相手になってもらうって?どういう風に?」
「まず彼らは巨大で大きいでしょう。そして私達妖精は小さく15cmくらい。それを利用して大きな草木の陰に隠れ、待ち伏せして恐竜が通りかかると陰から最大魔法を放つのよ~」
「それなら普通に何もないところに、魔法を放てばいいのではなくて?」
「うっ、それは相手が居るから良いのよ!」
「でも、なんだか可哀そう」
「なにが可哀そうなの、安易な同情が不幸を呼ぶのよ。あ、この子、家の子になりたがってる、家に来る?とか。目が合ったから飼う事にしたの、なんて。そりゃあ、じっと見てれば目ぐらい合うわ!!そんなこと思ってる訳ないでしょう!!そんな思い込みは迷惑よ。一時の衝動で、この子達を不幸にしないで。飼うなら最後まで、責任を持って飼ってよ!!」
「ミ、ミリアちゃん。何の話をしているの?」
「と、言う訳なのよ。そして私達は恐竜を倒した証拠として、ストレージに収納して持ち帰るの」
「はい?さっきの話は?」
「この世界にもマジック・バッグはあるでしょう?」
「え、えぇ、あるわ…」
「ストレージは時空間魔法で空間に穴を開けて、そこに色んなものを収納しておけるの。マジック・バッグは、その術式を付与したバッグのことね」
「そうなのね…」
「それだけではなくて時間を操ることが出来るから、止めておくことが出来るのよ。だからいつ出しても恐竜のお肉は、新鮮な状態で食べられるのよ」
「それは凄いわ!とても便利そう」
「食事をたくさん作って収納すれば、いつ出しても出来立てホヤホヤよ」
「食料や荷物の運搬に役立ちそうな魔法ね」
「まあ無属性魔法だから、中々覚えられないけどね」
「なんだ、そうなんだ。恐竜のお肉はたくさんあるのかしら?」
「たくさんあるわよ。なんせ課外授業は200年くらい続くからね」
「200年も?!」
「そうよ、そのくらいの年月、最大魔法を放ってなんぼなのよ。魔法のレベルを上げるのは」
「そんなにかかるんだ。それなら無理ね」
「何が無理なの?」
「私の魔法のレベルアップよ」
「できるわよ。これから魔物討伐で、どんどん魔法を打てばいいのよ」
「そう言われてもなんだか怖いわ。私は魔物と戦ったことなんてないから」
「それは、慣れよ、慣れ」
「大丈夫よ、ビッチェは私が守るからね」
「頼りにしてるわ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして魔物討伐の日の朝がやって来た。
今回は前回のことを踏まえ、騎士団先鋭300名。
騎馬と歩兵を合わせて200名、弓兵100名、他に馬の世話係5人。
シャルエル教より神官6名。
私と戦闘メイドのリンリン、ランラン。
シャルエル教の神官6人は馬車2台に分かれて向かう。
今回の討伐隊を率いているのが、前回の惨劇から無事に生還した騎士団長アーガス・リベラだ。
今回の討伐でも無事に戻って来れるようにと、国王の配慮だった。
だが態度がどこかおかしい。
怯えているような、不安そうな顔をしている。
私と同じ馬車に乗るリンリン、ランランは、ロングの黒髪をお下げに編んでいる。
動きやすそうなプレートアーマーを着て、腰にはバスターソードを下げている。
私は白いフード付きのローブを着ている。
これは下半身は蜘蛛、上半身は人型の女性の姿をしている、アラクネーという魔物の出す糸を織り込んだ作った軽くて防御力が高いローブだ。
そして3時間馬車に揺られ目的地、アウルの森に着いた。
「さあ、着きました。馬車から降りてください」
亡くなった団長補佐の代わりに、アダムと言う人が参加しており声を掛ける。
私達3人とシャルエル教の神官も馬車を降りた。
馬の世話係5人が残り、馬車の世話をする。
そして森の入口に進んで行く。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつも応援頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期になります。
よろしくお願いいたします。
「使って覚えることね」
「でも使う機会が無いわ。ミリアちゃんはどうやって覚えたの?」
「この世界には背中合わせにたくさんの世界がある、て話したことがあるわよね」
「えぇ、最初に出会った時に聞いたわ」
「その世界の1つに体長7~10mくらいの巨体を持つ、恐竜だけの世界があるのよ」
「恐竜?!」
「ドラゴンの小型版みたいな生き物ね。その世界では色んな種類の恐竜がいるの。そして弱い者が強い者の犠牲になるような、実力の違いがそのまま結果にでる弱肉強食の世界なのよ」
「そんな世界があるの?!」
「まず神様養成学校に入ると、戦闘訓練の課外授業があるの。その恐竜のいる世界に転移して、魔法で倒してレベルを上げていくの」
「レベルを上げる?」
「そうよ。魔法は使えば使うほど威力が増し、魔力量も増えスキルも多くなるから」
「そうなの?!」
「そうよ。でも普段魔法を使う機会なんて、中々ないでしょう?だから練習相手になってもらうのよ」
「練習相手になってもらうって?どういう風に?」
「まず彼らは巨大で大きいでしょう。そして私達妖精は小さく15cmくらい。それを利用して大きな草木の陰に隠れ、待ち伏せして恐竜が通りかかると陰から最大魔法を放つのよ~」
「それなら普通に何もないところに、魔法を放てばいいのではなくて?」
「うっ、それは相手が居るから良いのよ!」
「でも、なんだか可哀そう」
「なにが可哀そうなの、安易な同情が不幸を呼ぶのよ。あ、この子、家の子になりたがってる、家に来る?とか。目が合ったから飼う事にしたの、なんて。そりゃあ、じっと見てれば目ぐらい合うわ!!そんなこと思ってる訳ないでしょう!!そんな思い込みは迷惑よ。一時の衝動で、この子達を不幸にしないで。飼うなら最後まで、責任を持って飼ってよ!!」
「ミ、ミリアちゃん。何の話をしているの?」
「と、言う訳なのよ。そして私達は恐竜を倒した証拠として、ストレージに収納して持ち帰るの」
「はい?さっきの話は?」
「この世界にもマジック・バッグはあるでしょう?」
「え、えぇ、あるわ…」
「ストレージは時空間魔法で空間に穴を開けて、そこに色んなものを収納しておけるの。マジック・バッグは、その術式を付与したバッグのことね」
「そうなのね…」
「それだけではなくて時間を操ることが出来るから、止めておくことが出来るのよ。だからいつ出しても恐竜のお肉は、新鮮な状態で食べられるのよ」
「それは凄いわ!とても便利そう」
「食事をたくさん作って収納すれば、いつ出しても出来立てホヤホヤよ」
「食料や荷物の運搬に役立ちそうな魔法ね」
「まあ無属性魔法だから、中々覚えられないけどね」
「なんだ、そうなんだ。恐竜のお肉はたくさんあるのかしら?」
「たくさんあるわよ。なんせ課外授業は200年くらい続くからね」
「200年も?!」
「そうよ、そのくらいの年月、最大魔法を放ってなんぼなのよ。魔法のレベルを上げるのは」
「そんなにかかるんだ。それなら無理ね」
「何が無理なの?」
「私の魔法のレベルアップよ」
「できるわよ。これから魔物討伐で、どんどん魔法を打てばいいのよ」
「そう言われてもなんだか怖いわ。私は魔物と戦ったことなんてないから」
「それは、慣れよ、慣れ」
「大丈夫よ、ビッチェは私が守るからね」
「頼りにしてるわ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
そして魔物討伐の日の朝がやって来た。
今回は前回のことを踏まえ、騎士団先鋭300名。
騎馬と歩兵を合わせて200名、弓兵100名、他に馬の世話係5人。
シャルエル教より神官6名。
私と戦闘メイドのリンリン、ランラン。
シャルエル教の神官6人は馬車2台に分かれて向かう。
今回の討伐隊を率いているのが、前回の惨劇から無事に生還した騎士団長アーガス・リベラだ。
今回の討伐でも無事に戻って来れるようにと、国王の配慮だった。
だが態度がどこかおかしい。
怯えているような、不安そうな顔をしている。
私と同じ馬車に乗るリンリン、ランランは、ロングの黒髪をお下げに編んでいる。
動きやすそうなプレートアーマーを着て、腰にはバスターソードを下げている。
私は白いフード付きのローブを着ている。
これは下半身は蜘蛛、上半身は人型の女性の姿をしている、アラクネーという魔物の出す糸を織り込んだ作った軽くて防御力が高いローブだ。
そして3時間馬車に揺られ目的地、アウルの森に着いた。
「さあ、着きました。馬車から降りてください」
亡くなった団長補佐の代わりに、アダムと言う人が参加しており声を掛ける。
私達3人とシャルエル教の神官も馬車を降りた。
馬の世話係5人が残り、馬車の世話をする。
そして森の入口に進んで行く。
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物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期になります。
よろしくお願いいたします。
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