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第16章 今度は召喚(ビッチェ王女編)
第216話 箸休め
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その日の晩は国王たちを交え小規模な晩餐会が開かれた。
現国王と妻の第一王妃グリニスとビッチェ王女親子。
第二、第三夫人とその子供達の王子2人、王女3人を紹介され挨拶を交わす。
他にもガストン宰相、オバダリア侯爵は勿論、騎士団長リベラ、団長補佐コニー。
その他、急遽集められたと思える貴族達が50人くらい居る。
「今宵、皆様に集っていただいたのは、ビッチェ王女による勇者召喚が成功したからに他ならない」
〈〈〈〈〈 ウォ~~~~~!!! 〉〉〉〉〉
「遂にやったのか?!」
「これで救われる!!」
「ビッチェ王女万歳!!ビッチェ王女万歳!!」
「ビッチェ王女万歳!!勇者様万歳!!」
人々の歓声が巻き起こる中、ガストン宰相の声が響き渡る。
「では古代の文献を紐解き遂にこの世界を救う、勇者を召喚したビッチェ王女と勇者エリアス殿に乾杯!!」
〈〈〈〈〈 乾杯~~~~!!! 〉〉〉〉〉
ガストン宰相の音頭を取る声で晩餐会が始まった。
テーブルの上には肉や野菜の炒め物やお菓子らしいものも用意されている。
この世界では油は貴重品だ。
富裕層の一端的な食事は炒め物よりポトフなどの煮物やスープが多い。
だが今日は急ごしらえだが俺のための晩餐会。
いつもよりは贅沢な方なのだろう。
食事はナイフとフォークとスプーンで食べている。
だがそれでは面倒だ。
俺には使い慣れたのがある。
それは『お箸』だ。
はさむ食材が多い料理にはもってこいの道具。
スープなら箸を使って食べ、椀を手に持って口に運べばいい。
「まあ、エリアス様。手にお使いのものはなんでしょうか?」
ビッチェ王女が俺に声をかけてくる。
「これはお箸と言いまして、私の国で使われている食器道具です」
「お箸ですか?」
「えぇ、そうです」
そして俺は実際に使って見せる。
「まあ、なんて便利な物なのでしょう!!伐採した鉄木を使って、このお箸を作れば産業となり領民の雇用促進にも繋がります。このお箸を作ってもいいでしょうか?」
「えぇ、もちろん構いませんよ」
王女との話が終わったと思ったのか、俺の周りには人だかりができていた。
あわよくば俺と繋がりを持とうとする貴族達だ。
まあ、主賓は俺だからね。
だが『うちの娘を嫁に!!』などど言い出す人は誰もいない。
なぜなら俺はこの世界の人ではなく『異邦人』だからだ。
違う世界からやってきた男に娘を嫁がせたい親がいるだろうか?
その貴族達の相手も程々に終え、俺はバルコニーにでた。
あぁ、夜風が気持ちいい。
時代は違っても夜空は変わらない。
「エリアス様、こちらにいらしたのですか?」
声がした方向に振り向くとビッチェ王女が立っていた。
「えぇ、貴族の方の相手も一通り終わりましたから」
「申し訳ありません。本当なら国を挙げて歓迎することなのに」
「大袈裟なのは苦手ですから、これで十分です」
「そう言って頂けると助かります」
「ビッチェ王女様、一つお願いがあります」
「なんでしょうか、エリアス様?」
「明後日の討伐前に王都を見て回りたいのですが…」
「それは…。私も街を歩いたことがなく警備も不安です」
「大丈夫です、私がお守りしますから」
「わかりました。お父様と国王にお話してみます」
そう言うとビッチェ王女はホールに戻って行った。
現国王と妻の第一王妃グリニスとビッチェ王女親子。
第二、第三夫人とその子供達の王子2人、王女3人を紹介され挨拶を交わす。
他にもガストン宰相、オバダリア侯爵は勿論、騎士団長リベラ、団長補佐コニー。
その他、急遽集められたと思える貴族達が50人くらい居る。
「今宵、皆様に集っていただいたのは、ビッチェ王女による勇者召喚が成功したからに他ならない」
〈〈〈〈〈 ウォ~~~~~!!! 〉〉〉〉〉
「遂にやったのか?!」
「これで救われる!!」
「ビッチェ王女万歳!!ビッチェ王女万歳!!」
「ビッチェ王女万歳!!勇者様万歳!!」
人々の歓声が巻き起こる中、ガストン宰相の声が響き渡る。
「では古代の文献を紐解き遂にこの世界を救う、勇者を召喚したビッチェ王女と勇者エリアス殿に乾杯!!」
〈〈〈〈〈 乾杯~~~~!!! 〉〉〉〉〉
ガストン宰相の音頭を取る声で晩餐会が始まった。
テーブルの上には肉や野菜の炒め物やお菓子らしいものも用意されている。
この世界では油は貴重品だ。
富裕層の一端的な食事は炒め物よりポトフなどの煮物やスープが多い。
だが今日は急ごしらえだが俺のための晩餐会。
いつもよりは贅沢な方なのだろう。
食事はナイフとフォークとスプーンで食べている。
だがそれでは面倒だ。
俺には使い慣れたのがある。
それは『お箸』だ。
はさむ食材が多い料理にはもってこいの道具。
スープなら箸を使って食べ、椀を手に持って口に運べばいい。
「まあ、エリアス様。手にお使いのものはなんでしょうか?」
ビッチェ王女が俺に声をかけてくる。
「これはお箸と言いまして、私の国で使われている食器道具です」
「お箸ですか?」
「えぇ、そうです」
そして俺は実際に使って見せる。
「まあ、なんて便利な物なのでしょう!!伐採した鉄木を使って、このお箸を作れば産業となり領民の雇用促進にも繋がります。このお箸を作ってもいいでしょうか?」
「えぇ、もちろん構いませんよ」
王女との話が終わったと思ったのか、俺の周りには人だかりができていた。
あわよくば俺と繋がりを持とうとする貴族達だ。
まあ、主賓は俺だからね。
だが『うちの娘を嫁に!!』などど言い出す人は誰もいない。
なぜなら俺はこの世界の人ではなく『異邦人』だからだ。
違う世界からやってきた男に娘を嫁がせたい親がいるだろうか?
その貴族達の相手も程々に終え、俺はバルコニーにでた。
あぁ、夜風が気持ちいい。
時代は違っても夜空は変わらない。
「エリアス様、こちらにいらしたのですか?」
声がした方向に振り向くとビッチェ王女が立っていた。
「えぇ、貴族の方の相手も一通り終わりましたから」
「申し訳ありません。本当なら国を挙げて歓迎することなのに」
「大袈裟なのは苦手ですから、これで十分です」
「そう言って頂けると助かります」
「ビッチェ王女様、一つお願いがあります」
「なんでしょうか、エリアス様?」
「明後日の討伐前に王都を見て回りたいのですが…」
「それは…。私も街を歩いたことがなく警備も不安です」
「大丈夫です、私がお守りしますから」
「わかりました。お父様と国王にお話してみます」
そう言うとビッチェ王女はホールに戻って行った。
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