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第8章 開拓村
第128話 閑話 アルバンⅠ
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私の名はアルバン。
12歳で商人に丁稚奉公に入り、それから五年。
汗水垂らして働きながら一生懸命に仕事を覚えた。
その間にお金を貯め、同じ店で働いていたアルシアと知り合い結婚をした。
それを機会に私は独立をした。
馬車を買い行商を妻と始めた。
それから三年後にアディが生まれた。
その愛らしい顔を見ては、『この子のために頑張らないと』と思ったものだ。
家族のためにも店を持ちたいと思っていた。
そんな時に知り合いに誘われ、先物取引に手を出したのが運の尽き。
前もって売買の価格を決めておき、価格変動を回避できると聞いたのに。
見事に騙され価格は大暴落。
売れると言われて買った穀物は、売っても赤字になるばかり。
知り合いを探しても、街にはもう姿はなかった。
遂に支払いも出来なくなり、家族三人で奴隷に堕ちた。
そんなある日、奴隷を買いにお客が来ていると言われ呼び出された。
そこにいたのは13~5歳くらいの、珍しい黒髪に黒い瞳の男の子が一人。
こんな子が奴隷を買えるのか?と疑問に思ったが、奴隷商のオズマンドさんが相手をしている以上間違いないのだろう。
美形で黒髪、黒い瞳の少年。
なぜか人の心を引きつけ夢中にさせる、雰囲気を持つ少年。
1人だけ気に入られても、妻と娘と一緒で買われなければと必死に訴えた。
「お願いします!何でもしますから!妻と娘も一緒に」
「どうか子供と引き離さないでください!」
「お母さん~!お父さん~!!」
と、娘は泣きだしている。
三人で購入金額は700万円。
それだけ出せばかなり良い奴隷が二人買える。
駄目かと思っても諦められない。
なぜなら親子三人で購入してもらえる可能性は低いからだ。
妻は家事や読み書き、料理ができる。
娘は算術、読み書きを少々教えてはいるがまだ9歳。
娘だけ残って、売れたとしても異常者の慰み者になるだけ。
なにも出来るわけはなく、ここで別れたら二度と会うことはできないだろう。
そんなお客の出した条件が『奴隷解放』後も守秘義務が発生するだった。
そんな条件で親子三人、買ってもらえるなら何でも受け入れよう。
しかも契約は制約魔法になり三人で1,000万円にもなった。
1,000万円と聞いても、その青年は慌てる様子もない。
「それで構いません。お願いします」
ここまでお金を出す意味が分からない。
それとも買われた後で、とんでもない仕打ちが待っているのか?
しかしこちらには選択権がない以上、藁にもすがる思いだった。
我々三人は奴隷契約をし買われ、エリアスと言う名の少年の後をついて歩ている。
ご主人様の家に向かっているのだ。
ご主人様の持つポーチはマジック・バッグのようだ。
10万円の金貨100枚が、あんな小さなポーチから出てくるわけがない。
貴族様なのか?
マジック・バッグを持っている。
しばらく歩いて行くと見上げるような豪邸に連れていかれた。
門の中に入ると私達親子3人は大きな口を開けていた。
キラキラ光るガラス窓が、輝くお屋敷だった。
エリアス様から人には奴隷であることを極力、黙っているように言われた。
私も営業に回る都合上、奴隷では相手にしてもらえないからだ。
契約魔法で胸に紋章を刻んでいるので、黙っていれば奴隷だと分からない。
そのため、へつらう必要もないと事前に言われた。
奴隷ではなく給料前払いの雇用だと思ってほしいそうだ。
なんと変わった買い主だろう。
そんなことがあるのだろうか?
実際、給料分以上に働いているのに解放されない奴隷も多いと聞く。
屋敷に入ると私はさらに驚いた。
魔道具だと思われる照明器具が多数、天井や壁についているからだ。
信じられなかった。
しかも空いている2階の部屋を一部屋、使っていいという。
奴隷に部屋を与えるなんて…夢のような話だ。
しかもあてがわれた部屋は12畳くらいあった。
そしてエリアス様のマジック・バッグからベッドを3つ、4人掛けのテーブル、椅子4つ、タンス、三面鏡ドレッサーと椅子を出して頂いた。
狭ければもう1部屋使っていいと言われたが、恐れ多くてお断りをした。
そしてその家具の素晴らしさと言ったら。
特に妻のアルアが三面鏡に食いついている。
「これはいいわ。それに鏡がこんなに綺麗だなんて」
こんな綺麗なガラスは見たことがない。
鏡は歪んでいる物が多いく、面積が多くなるほど金属板を磨いた物が主流だ。
ここまで大容量のマジック・バッグをお持ちとは…。
私は感心をした。
マジック・バッグだけでも活用すれば、それだけで十分に生活できるからだ。
年齢を伺うと15歳で親族は無く、商人を始めたばかりだとか。
15歳で始めたばかりでここまで大成功を、収めているなんて信じられない。
私も元商人の端くれ、お役に立ってみせる。
しかも生活用品や三人分の着替え、下着と靴を買うようにと20万円も渡された。
いったい何をどれだけ買う気なのだろうか?
12歳で商人に丁稚奉公に入り、それから五年。
汗水垂らして働きながら一生懸命に仕事を覚えた。
その間にお金を貯め、同じ店で働いていたアルシアと知り合い結婚をした。
それを機会に私は独立をした。
馬車を買い行商を妻と始めた。
それから三年後にアディが生まれた。
その愛らしい顔を見ては、『この子のために頑張らないと』と思ったものだ。
家族のためにも店を持ちたいと思っていた。
そんな時に知り合いに誘われ、先物取引に手を出したのが運の尽き。
前もって売買の価格を決めておき、価格変動を回避できると聞いたのに。
見事に騙され価格は大暴落。
売れると言われて買った穀物は、売っても赤字になるばかり。
知り合いを探しても、街にはもう姿はなかった。
遂に支払いも出来なくなり、家族三人で奴隷に堕ちた。
そんなある日、奴隷を買いにお客が来ていると言われ呼び出された。
そこにいたのは13~5歳くらいの、珍しい黒髪に黒い瞳の男の子が一人。
こんな子が奴隷を買えるのか?と疑問に思ったが、奴隷商のオズマンドさんが相手をしている以上間違いないのだろう。
美形で黒髪、黒い瞳の少年。
なぜか人の心を引きつけ夢中にさせる、雰囲気を持つ少年。
1人だけ気に入られても、妻と娘と一緒で買われなければと必死に訴えた。
「お願いします!何でもしますから!妻と娘も一緒に」
「どうか子供と引き離さないでください!」
「お母さん~!お父さん~!!」
と、娘は泣きだしている。
三人で購入金額は700万円。
それだけ出せばかなり良い奴隷が二人買える。
駄目かと思っても諦められない。
なぜなら親子三人で購入してもらえる可能性は低いからだ。
妻は家事や読み書き、料理ができる。
娘は算術、読み書きを少々教えてはいるがまだ9歳。
娘だけ残って、売れたとしても異常者の慰み者になるだけ。
なにも出来るわけはなく、ここで別れたら二度と会うことはできないだろう。
そんなお客の出した条件が『奴隷解放』後も守秘義務が発生するだった。
そんな条件で親子三人、買ってもらえるなら何でも受け入れよう。
しかも契約は制約魔法になり三人で1,000万円にもなった。
1,000万円と聞いても、その青年は慌てる様子もない。
「それで構いません。お願いします」
ここまでお金を出す意味が分からない。
それとも買われた後で、とんでもない仕打ちが待っているのか?
しかしこちらには選択権がない以上、藁にもすがる思いだった。
我々三人は奴隷契約をし買われ、エリアスと言う名の少年の後をついて歩ている。
ご主人様の家に向かっているのだ。
ご主人様の持つポーチはマジック・バッグのようだ。
10万円の金貨100枚が、あんな小さなポーチから出てくるわけがない。
貴族様なのか?
マジック・バッグを持っている。
しばらく歩いて行くと見上げるような豪邸に連れていかれた。
門の中に入ると私達親子3人は大きな口を開けていた。
キラキラ光るガラス窓が、輝くお屋敷だった。
エリアス様から人には奴隷であることを極力、黙っているように言われた。
私も営業に回る都合上、奴隷では相手にしてもらえないからだ。
契約魔法で胸に紋章を刻んでいるので、黙っていれば奴隷だと分からない。
そのため、へつらう必要もないと事前に言われた。
奴隷ではなく給料前払いの雇用だと思ってほしいそうだ。
なんと変わった買い主だろう。
そんなことがあるのだろうか?
実際、給料分以上に働いているのに解放されない奴隷も多いと聞く。
屋敷に入ると私はさらに驚いた。
魔道具だと思われる照明器具が多数、天井や壁についているからだ。
信じられなかった。
しかも空いている2階の部屋を一部屋、使っていいという。
奴隷に部屋を与えるなんて…夢のような話だ。
しかもあてがわれた部屋は12畳くらいあった。
そしてエリアス様のマジック・バッグからベッドを3つ、4人掛けのテーブル、椅子4つ、タンス、三面鏡ドレッサーと椅子を出して頂いた。
狭ければもう1部屋使っていいと言われたが、恐れ多くてお断りをした。
そしてその家具の素晴らしさと言ったら。
特に妻のアルアが三面鏡に食いついている。
「これはいいわ。それに鏡がこんなに綺麗だなんて」
こんな綺麗なガラスは見たことがない。
鏡は歪んでいる物が多いく、面積が多くなるほど金属板を磨いた物が主流だ。
ここまで大容量のマジック・バッグをお持ちとは…。
私は感心をした。
マジック・バッグだけでも活用すれば、それだけで十分に生活できるからだ。
年齢を伺うと15歳で親族は無く、商人を始めたばかりだとか。
15歳で始めたばかりでここまで大成功を、収めているなんて信じられない。
私も元商人の端くれ、お役に立ってみせる。
しかも生活用品や三人分の着替え、下着と靴を買うようにと20万円も渡された。
いったい何をどれだけ買う気なのだろうか?
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