69 / 254
第4章 王都へ
第69話 祝福
しおりを挟む
「ゼクシーかあさん。そろそろ俺は行きますね」
「また来てねエリアス。かあさんは待っているわ」
「えぇ、王都から戻ったらまた来ます」
あぁ~エリアスは行ってしまったわ。
なんだか寂しいものね。
女神になってから数万年。
良縁にも恵まれず独り身だった。
後輩の女神に合コンに誘われても、しょせん私は数合わせ。
数千年の若い女神の方が人気があって、私なんか相手にされない。
しかも最近はその『数合わせ』にも、呼ばれなくなった。
このまま風化していくのかしら?
そんな時だった。
現世とあの世の狭間に壮年の男性がやって来た。
異世界『エニワン』の新しい風になればと転移を誘った。
彼は承諾し、私に名前を付けてほしいと願った。
そんなことを言われるのは初めてだった。
私はその壮年の男性に、エリアス・ドラード・セルベルトと名付けた。
名を与えると言うことは、力を与えること。
そんな事も忘れて私は彼は名を与え、私の息子になった。
黒髪、黒い瞳の美形の少年。
彼は15歳に若返り人の心を引きつける、雰囲気を持つ少年になっていた。
そんな彼が明日から王都に行くという。
エリアスには将来は安定した職に就いてほしい。
だから結婚も私が気に入った、女性の中からと思っていたのに…。
いきなり嫁2人の姑になるなんて。
子どもが一人暮らしを始め一人で、できるようになると強い寂しさを感じる。
これが母なのね…。
ゼクシーは忘れていた。
ついさっきまでエリアスの事なんて、記憶の隅にしかなかったことを。
一人劇場はさらに続く…。
でも不安だわ。
彼のやることはこの世界の活性化を、極端に進めそうな気がする。
それに周りからも狙われるかもしれない。
誰かが守ってあげないと。
実際にエリアスが強いのか、弱いのかさえ分からない。
そんな変なステータスだから。
でも私は女神だから、天界から彼を見守る事しかできない。
彼が殺されるようなことがあっても、私には干渉することは出来ないわ。
そうだわ!!
それならエリアスの側に居る、この2人の女に守ってもらえばいいのよ。
エリアスを守れるように、2人に祝福を授けてと。
森妖精は知力が高く、風魔法も得意のようだから…。
2割ほど『知力』と『魔力』を上げて。
彼女はエリアスの盾ね。
それから虎猫族のこの女ね。
な、なんと言うことなの?!
こ、この女は転移して、右も左も分からないエリアスちゃんの…。
エ、エリアスちゃんのチェリーを奪うなんて!!
オルガという女は、どこの馬の、いいえ猫の骨よ!!
で、でも落ち着いて…。
そうだわ、虎猫族の女は戦力になる。
仕方がない。
2割ほど『筋力』と『攻撃力』を上げてあげようかしら。
彼女はエリアスの矛と。
それからもう1つこの女には、加護をあげることにするわ。
特別にね・・・。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「さあ、行きましょうか」
俺はお祈りが終わり立ち上がった。
「随分、祈っていたのねエリアス君」
「そうですかアリッサさん」
「まあ、そんなに長いほどでもないがな」
オルガさんに聞くと、2人よりは少し長いくらいだったらしい。
やはり天界での時間の流れは、下界とは違うのか。
あれだけ長く居たのに。
こんな広い空間で、一人は余りにも寂しいだろう。
これからは頻繁に参拝に来よう。
かあさんも寂しそうだったし。
聞くと自分の創生した世界だから、24時間女神は対応しないといけない。
だから休みもないと言う。
母さんが言うには、天界は求人募集を出しても中々女神が集まらない。
最近の若い女神は、お金は欲しいくせに努力はしない。
キツく言うとハラスメント行為だと言われ、こちらが悪くなるそうだ。
仕事は辛くて大変なのは当たり前。
なぜって好きで働いていないから。
生活のため、収入を得るために働いているのに。
無理なく無難な範囲で仕事を選ぶ、これが今の若い子よ!とかあさんは言ってた。
次世代の女神も育ってはいるが、数千年の女神ではまだ任せられないそうだ。
どれだけ奥が深いんだ、女神仕事は。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
俺達3人は教会を出て集合場所の、冒険者ギルドに向って歩く。
するとギルドにはもうDランクパーティー『赤い翼』の4人が居た。
「やあエリアス。久しぶりだな」
「ご無沙汰しております、アドレーさん」
剣士のアドレーさん。
重騎士で片手剣と大きな盾を持ったジェイ さん。
斥候役のシーフで、ショートソードを持ったランダルさん。
紅一点の弓を持ったエリノルさんの、22~26歳の4人組パーティーだ。
ちなみにリーダーのアドレーさんと、エリノルさんはデキている。
「な、なにを言っているんだ?エリアス」
「そ、そうよ、エリアス君たら、もう~」
あれ?
どうしたんだろう?
み、みんな俺の思考が読める超能力があるのか?
「4人共、お久しぶりですね」
知り合いだったのか?
あれ?オルガさんが敬語を使っている。
どうしたんだ?
明日は雨か…。
やめてくれ、これから王都に行くのに…。
「当たり前だろう。同じ冒険者でもみんな私より年上なんだから」
そんなもんですか。
しかしなぜ、俺の心の声と会話ができるんだ?
「口にでてるぞ、エリアス」
そうですか、オルガさん…。
「それにしても。なんでアリッサさんまでここにいるの?」
エリノルさんは不思議そうに聞く。
「それは…」
「みなさん、お早うございます」
アリッサさんが答えようとした時だ。
アバンス商会のアイザックさんがギルドに入って来た。
「本日はみなさん、よろしくお願いいたします」
アイザックさんは受付をして、『赤い翼』と初対面なので挨拶を交わした。
「どうしてアリッサ様が、レザーアーマーを着てここにいるのでしょうか?」
「私も同行しようと思いまして」
「同行ですか?」
「えぇ、護衛も致します。それに料金は頂きません」
「なぜでしょうか?」
「エリアス君の側に居たいからです」
「「 きゃ~!! 」」
ギルドの受付の女性たちが騒ぐ。
「アリッサは昨日からエリアス君と暮らし始めたの。1日で離れ離れは寂しいよね」
受付のコルネールさんが一言余計な事を…。
「あの誰に誘われても、なびかなかったアリッサさんが…」
「俺もファンだったのに」
「あんな若い男が良いのか…」
残っていた男の冒険者達が騒ぐ!!
「アリッサさんは、エリアス君と…そう…離れたくないよね」
『赤い翼』のエリノルさんが、一人納得している。
「アリッサ様まで同行して頂けるとはこれは心強い。多少ならお支払い出来ますので、よろしくお願いいたします」
アイザックさんが挨拶をする。
アリッサさんも冒険者登録をしており、さっそく受付で護衛の追加登録をする。
「それではまず、私の店に寄ってください」
アイザックさんに言われギルドの外に出る。
するとお披露目会の時に居た、影の薄いお供2人が待っていた。
これからアバンス商会に寄り、王都で売る商品を俺のストレージに収納するんだ。
俺達はアバンス商会まで歩いた。
アバンス商会はギルドの近くにあるから、それほど歩かなくて良いから助かる。
「エリアス様、荷物はこちらにあります」
俺は倉庫らしいところに案内される。
「王都まで運ぶ荷物は、ここです」
「穀物ですか?」
「えぇ、そうです。この領から王都で売れるものなど、穀物くらいしかありません」
「アレン領は特産品はないのでしょうか?」
「特産品ですか」
「このアレン領のみで生産されたり、収穫される物品のことです」
「今のところそんな品はありません。そんな品があればいいのですが…」
この領だけでも人気が出るものがあれば、それだけでやって行けるかもしれない。
王都から戻ったら、何か考えてみようかな。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
『女神ゼクシー』の祝福を受けた2人は…。
『名前:アリッサ』
種族:森妖精
年齢:250歳
性別:女
【加護】
女神ゼクシーの祝福
『知力』、『魔力』2割UP
『名前:オルガ 』
種族:虎猫族
年齢:17歳
性別:女
【加護】
女神ゼクシーの祝福
筋力』、『攻撃力』2割UP
マル秘の祝福(運-5)
「痛い!!」
これ以降、オルガは時々、物の角に足の小指をぶつけるようになった。
可愛い息子を取られた、母のささやかな嫌がらせだった。
祝福が必ずしも、いいものとは限らない。
早く子離れしよう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進みます。
まだ出発してないし…。
「また来てねエリアス。かあさんは待っているわ」
「えぇ、王都から戻ったらまた来ます」
あぁ~エリアスは行ってしまったわ。
なんだか寂しいものね。
女神になってから数万年。
良縁にも恵まれず独り身だった。
後輩の女神に合コンに誘われても、しょせん私は数合わせ。
数千年の若い女神の方が人気があって、私なんか相手にされない。
しかも最近はその『数合わせ』にも、呼ばれなくなった。
このまま風化していくのかしら?
そんな時だった。
現世とあの世の狭間に壮年の男性がやって来た。
異世界『エニワン』の新しい風になればと転移を誘った。
彼は承諾し、私に名前を付けてほしいと願った。
そんなことを言われるのは初めてだった。
私はその壮年の男性に、エリアス・ドラード・セルベルトと名付けた。
名を与えると言うことは、力を与えること。
そんな事も忘れて私は彼は名を与え、私の息子になった。
黒髪、黒い瞳の美形の少年。
彼は15歳に若返り人の心を引きつける、雰囲気を持つ少年になっていた。
そんな彼が明日から王都に行くという。
エリアスには将来は安定した職に就いてほしい。
だから結婚も私が気に入った、女性の中からと思っていたのに…。
いきなり嫁2人の姑になるなんて。
子どもが一人暮らしを始め一人で、できるようになると強い寂しさを感じる。
これが母なのね…。
ゼクシーは忘れていた。
ついさっきまでエリアスの事なんて、記憶の隅にしかなかったことを。
一人劇場はさらに続く…。
でも不安だわ。
彼のやることはこの世界の活性化を、極端に進めそうな気がする。
それに周りからも狙われるかもしれない。
誰かが守ってあげないと。
実際にエリアスが強いのか、弱いのかさえ分からない。
そんな変なステータスだから。
でも私は女神だから、天界から彼を見守る事しかできない。
彼が殺されるようなことがあっても、私には干渉することは出来ないわ。
そうだわ!!
それならエリアスの側に居る、この2人の女に守ってもらえばいいのよ。
エリアスを守れるように、2人に祝福を授けてと。
森妖精は知力が高く、風魔法も得意のようだから…。
2割ほど『知力』と『魔力』を上げて。
彼女はエリアスの盾ね。
それから虎猫族のこの女ね。
な、なんと言うことなの?!
こ、この女は転移して、右も左も分からないエリアスちゃんの…。
エ、エリアスちゃんのチェリーを奪うなんて!!
オルガという女は、どこの馬の、いいえ猫の骨よ!!
で、でも落ち着いて…。
そうだわ、虎猫族の女は戦力になる。
仕方がない。
2割ほど『筋力』と『攻撃力』を上げてあげようかしら。
彼女はエリアスの矛と。
それからもう1つこの女には、加護をあげることにするわ。
特別にね・・・。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「さあ、行きましょうか」
俺はお祈りが終わり立ち上がった。
「随分、祈っていたのねエリアス君」
「そうですかアリッサさん」
「まあ、そんなに長いほどでもないがな」
オルガさんに聞くと、2人よりは少し長いくらいだったらしい。
やはり天界での時間の流れは、下界とは違うのか。
あれだけ長く居たのに。
こんな広い空間で、一人は余りにも寂しいだろう。
これからは頻繁に参拝に来よう。
かあさんも寂しそうだったし。
聞くと自分の創生した世界だから、24時間女神は対応しないといけない。
だから休みもないと言う。
母さんが言うには、天界は求人募集を出しても中々女神が集まらない。
最近の若い女神は、お金は欲しいくせに努力はしない。
キツく言うとハラスメント行為だと言われ、こちらが悪くなるそうだ。
仕事は辛くて大変なのは当たり前。
なぜって好きで働いていないから。
生活のため、収入を得るために働いているのに。
無理なく無難な範囲で仕事を選ぶ、これが今の若い子よ!とかあさんは言ってた。
次世代の女神も育ってはいるが、数千年の女神ではまだ任せられないそうだ。
どれだけ奥が深いんだ、女神仕事は。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
俺達3人は教会を出て集合場所の、冒険者ギルドに向って歩く。
するとギルドにはもうDランクパーティー『赤い翼』の4人が居た。
「やあエリアス。久しぶりだな」
「ご無沙汰しております、アドレーさん」
剣士のアドレーさん。
重騎士で片手剣と大きな盾を持ったジェイ さん。
斥候役のシーフで、ショートソードを持ったランダルさん。
紅一点の弓を持ったエリノルさんの、22~26歳の4人組パーティーだ。
ちなみにリーダーのアドレーさんと、エリノルさんはデキている。
「な、なにを言っているんだ?エリアス」
「そ、そうよ、エリアス君たら、もう~」
あれ?
どうしたんだろう?
み、みんな俺の思考が読める超能力があるのか?
「4人共、お久しぶりですね」
知り合いだったのか?
あれ?オルガさんが敬語を使っている。
どうしたんだ?
明日は雨か…。
やめてくれ、これから王都に行くのに…。
「当たり前だろう。同じ冒険者でもみんな私より年上なんだから」
そんなもんですか。
しかしなぜ、俺の心の声と会話ができるんだ?
「口にでてるぞ、エリアス」
そうですか、オルガさん…。
「それにしても。なんでアリッサさんまでここにいるの?」
エリノルさんは不思議そうに聞く。
「それは…」
「みなさん、お早うございます」
アリッサさんが答えようとした時だ。
アバンス商会のアイザックさんがギルドに入って来た。
「本日はみなさん、よろしくお願いいたします」
アイザックさんは受付をして、『赤い翼』と初対面なので挨拶を交わした。
「どうしてアリッサ様が、レザーアーマーを着てここにいるのでしょうか?」
「私も同行しようと思いまして」
「同行ですか?」
「えぇ、護衛も致します。それに料金は頂きません」
「なぜでしょうか?」
「エリアス君の側に居たいからです」
「「 きゃ~!! 」」
ギルドの受付の女性たちが騒ぐ。
「アリッサは昨日からエリアス君と暮らし始めたの。1日で離れ離れは寂しいよね」
受付のコルネールさんが一言余計な事を…。
「あの誰に誘われても、なびかなかったアリッサさんが…」
「俺もファンだったのに」
「あんな若い男が良いのか…」
残っていた男の冒険者達が騒ぐ!!
「アリッサさんは、エリアス君と…そう…離れたくないよね」
『赤い翼』のエリノルさんが、一人納得している。
「アリッサ様まで同行して頂けるとはこれは心強い。多少ならお支払い出来ますので、よろしくお願いいたします」
アイザックさんが挨拶をする。
アリッサさんも冒険者登録をしており、さっそく受付で護衛の追加登録をする。
「それではまず、私の店に寄ってください」
アイザックさんに言われギルドの外に出る。
するとお披露目会の時に居た、影の薄いお供2人が待っていた。
これからアバンス商会に寄り、王都で売る商品を俺のストレージに収納するんだ。
俺達はアバンス商会まで歩いた。
アバンス商会はギルドの近くにあるから、それほど歩かなくて良いから助かる。
「エリアス様、荷物はこちらにあります」
俺は倉庫らしいところに案内される。
「王都まで運ぶ荷物は、ここです」
「穀物ですか?」
「えぇ、そうです。この領から王都で売れるものなど、穀物くらいしかありません」
「アレン領は特産品はないのでしょうか?」
「特産品ですか」
「このアレン領のみで生産されたり、収穫される物品のことです」
「今のところそんな品はありません。そんな品があればいいのですが…」
この領だけでも人気が出るものがあれば、それだけでやって行けるかもしれない。
王都から戻ったら、何か考えてみようかな。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
『女神ゼクシー』の祝福を受けた2人は…。
『名前:アリッサ』
種族:森妖精
年齢:250歳
性別:女
【加護】
女神ゼクシーの祝福
『知力』、『魔力』2割UP
『名前:オルガ 』
種族:虎猫族
年齢:17歳
性別:女
【加護】
女神ゼクシーの祝福
筋力』、『攻撃力』2割UP
マル秘の祝福(運-5)
「痛い!!」
これ以降、オルガは時々、物の角に足の小指をぶつけるようになった。
可愛い息子を取られた、母のささやかな嫌がらせだった。
祝福が必ずしも、いいものとは限らない。
早く子離れしよう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
物語はまったり、のんびりと進みます。
まだ出発してないし…。
10
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
離縁してほしいというので出て行きますけど、多分大変ですよ。
日向はび
恋愛
「離縁してほしい」その言葉にウィネアは呆然とした。この浮気をし、散財し、借金まみれで働かない男から、そんなことを言われるとは思ってなかったのだ。彼の生活は今までウィネアによってなんとか補われてきたもの。なのに離縁していいのだろうか。「彼女との間に子供ができた」なんて言ってますけど、育てるのも大変なのに……。まぁいいか。私は私で幸せにならせていただきますね。
公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!
秋田ノ介
ファンタジー
主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。
『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。
ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!!
小説家になろうにも掲載しています。
異世界転移は草原スタート?!~転移先が勇者はお城で。俺は草原~
ノエ丸
ファンタジー
「ステータスオープン!」シーン「——出ねぇ!」地面に両手を叩きつけ、四つん這いの体制で叫ぶ。「クソゲーやんけ!?」
――イキナリ異世界へと飛ばされた一般的な高校ソラ。
眩い光の中で、彼が最初に目にしたモノ。それは異世界を作り出した創造神――。
ではなくただの広い草原だった――。
生活魔法と云うチートスキル(異世界人は全員持っている)すら持っていない地球人の彼はクソゲーと嘆きながらも、現地人より即座に魔法を授かる事となった。そして始まる冒険者としての日々。
怖いもの知らずのタンクガールに、最高ランクの女冒険者。果てはバーサーカー聖職者と癖のある仲間達と共に異世界を駆け抜け、時にはヒーラーに群がられながらも日々を生きていく。
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
異世界転生令嬢、出奔する
猫野美羽
ファンタジー
※書籍化しました(2巻発売中です)
アリア・エランダル辺境伯令嬢(十才)は家族に疎まれ、使用人以下の暮らしに追いやられていた。
高熱を出して粗末な部屋で寝込んでいた時、唐突に思い出す。
自分が異世界に転生した、元日本人OLであったことを。
魂の管理人から授かったスキルを使い、思い入れも全くない、むしろ憎しみしか覚えない実家を出奔することを固く心に誓った。
この最強の『無限収納EX』スキルを使って、元々は私のものだった財産を根こそぎ奪ってやる!
外見だけは可憐な少女は逞しく異世界をサバイバルする。
そちらから縁を切ったのですから、今更頼らないでください。
木山楽斗
恋愛
伯爵家の令嬢であるアルシエラは、高慢な妹とそんな妹ばかり溺愛する両親に嫌気が差していた。
ある時、彼女は父親から縁を切ることを言い渡される。アルシエラのとある行動が気に食わなかった妹が、父親にそう進言したのだ。
不安はあったが、アルシエラはそれを受け入れた。
ある程度の年齢に達した時から、彼女は実家に見切りをつけるべきだと思っていた。丁度いい機会だったので、それを実行することにしたのだ。
伯爵家を追い出された彼女は、商人としての生活を送っていた。
偶然にも人脈に恵まれた彼女は、着々と力を付けていき、見事成功を収めたのである。
そんな彼女の元に、実家から申し出があった。
事情があって窮地に立たされた伯爵家が、支援を求めてきたのだ。
しかしながら、そんな義理がある訳がなかった。
アルシエラは、両親や妹からの申し出をきっぱりと断ったのである。
※8話からの登場人物の名前を変更しました。1話の登場人物とは別人です。(バーキントン→ラナキンス)
【魅了の令嬢】婚約者を簒奪された私。父も兄も激怒し徹底抗戦。我が家は連戦連敗。でも大逆転。王太子殿下は土下座いたしました。そして私は……。
川嶋マサヒロ
恋愛
「僕たちの婚約を破棄しよう」
愛しき婚約者は無情にも、予測していた言葉を口にした。
伯爵令嬢のバシュラール・ディアーヌは婚約破棄を宣告されてしまう。
「あの女のせいです」
兄は怒り――。
「それほどの話であったのか……」
――父は呆れた。
そして始まる貴族同士の駆け引き。
「ディアーヌの執務室だけど、引き払うように通達を出してくれ。彼女も今は、身の置き所がないだろうしね」
「我が家との取引を中止する? いつでも再開できるように、受け入れ体勢は維持するように」
「決闘か……、子供のころ以来だよ。ワクワクするなあ」
令嬢ディアーヌは、残酷な現実を覆せるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる