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第3章 お披露目会

第67話 ゴロっと野菜のオークカツカレー

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 私はアリッサ。
 冒険者ギルドの受付を辞め、今日からエリアス君専属のエージェントになる。
 だからこれからはいつも一緒。うふっ。

 そしてエリアス君の生い立ちや、能力を聞いた。
 そして聞き捨てならないことを聞いた。

「魔素を収納して、魔力に変換するてどういうこと?」
「その言葉のままです。魔素は魔力の元なので森に来た時は収納しておきます」
「それでどうするの?」
「俺の魔法は生活魔法レベルです、例えば…」
 そうエリアス君は言うと、人差し指の先に小さい炎を出していた。

「そしてストレージの魔素を魔力に変換して足すと…」
 ボウッ!!
 人差し指の先に抱えきれないくらいの、大きな炎の球が出来ていた。
 そしてすぐに、それはなくなった。

「威力が無い分、魔力量で補う攻撃方法です」
「そ、そう。凄いわね…」
 私はそう答えるのがやっとだった。

 エリアス君のやっていることは、指先くらいしか炎が出せないから、魔力を集めてその1万個分の炎を出します、と言っているようなものだ。
 ファイヤーボール1発は大した攻撃ではないけど、同じ威力の魔法を同時に1,000発撃てたらそれは大破壊を招くのと同じだ。

 これは魔力制御を教えた方がいいのかしら?
 でも待って、これで制御を教えたら彼は少ない魔力で大魔法を放てることになる。
 そして魔素を収納して、魔力は無限にあるとしたら…。
 ぶるぶる。

 やはり制御は教えないほうが良いかな。
 彼は生産系で頑張った方がいいかもしれない。
 彼が作るものは、生活を便利にして人々から喜ばれるわ。

 コルネールがエリアス君のことを気になるのがわかるわ。
 ラミア族は魔力がご馳走だから、エリアス君を気に入ったのね。
 気をつけないと、どんどん女性が増えていくような気がする。

 話は終わりエリアス君はまた厨房に入っている。
 私はオルガさんと作っているのを、見守ることにした。
 森で採って来たクミン、チリーペッパー、ターメリック、オールスパイス、コリアンダー、カルダモンをハンドル式の製粉機でゴリゴリ粉末にしている。

 スパイスの匂いが辺りに立ち込め、さっき食べたばかりなのに食欲をそそるわ。

「エリアス君、なにを作っているの?」
「角切りオークカレーです」
「カレーの肉野菜炒めとどう違うの?」
「オークカレーはルータイプなので、スープに近いかもしれません」
「むこうの世界に居た時は、毎週土曜日はカレーの日で、母が作るカレーが大好きだったな」
「そんなにカレーが好きなの?」
「えぇ、毎日カレーでも飽きませんから」
「それは、さすがにね~」
 そんな他愛のないことを話して過ごした。




 さあ今日も、eaエリアス30分クッキングの始まりだよ~!!

 タラッタ、タタタ、♬タラッタ、タタタ、タタタ、タタタタッタンタタ♫
 タッタタタッタ、タッタタタッタ、♫タッタタタッタ、タッタラタタラタンン♫

 材料はオーク肉、玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモだよ。

 まずはオーク肉は、おろし生姜、おろしニンニク、胡椒、赤ワインを手で、もみ込みそのまましばらくおきま~す。
 玉ねぎはみじん切り、ニンジンは皮をむいて2cm角に切っておこう!

 フライパンにサラダ油を引いて熱して、玉ねぎを色づくまで弱火で炒めたらいったん取り出そう!
 同じフライパンにサラダ油を足し、もみ込んでおいたオーク肉を加え、火を強めて炒めよう!
 肉の表面に少し焼き色がついたら大きめにカットしたジャガイモとニンジンを加えて炒め、玉ねぎを戻し、6種のスパイスを加え全体に行き渡るように炒めよう!

 水を加え沸騰したらアクを取り除き、中火で15分煮込もう!
 最後に水で研いだ小麦粉を入れよう!
 トロミを付けたら、はいゴロっと野菜のオークカツカレーのできあがり!!


「できたのねエリアス君」
「えぇ、できました。アリッサさん」
「とても良い匂いだな。もう食べれるのか?」
「オルガさん駄目ですよ。お昼を食べたばかりですから、これは夕食分ですよ」
「待ちきれないな。エリアスがカレーは毎日でも良いというのが分かる気がする」

「夕方まで時間があるから、2階に行ってまたみんなで遊びましょうか?」
 そして俺達3人は2階に上がり、ゲームをして楽しんだ。

 夕方になり余分に作って置いたオークカツを出した。
 少し底に丸みがある皿に入れ、その上からオークカツカレーをかける。

 これでご飯があればと、俺は思った。
 この世界には米が無い、どこかにあれば良いけれど。
 仕方が無いので、パンにつけて食べるか。


 これからはアリッサさんとオルガさんと3人で、この世界を生きていくんだ。
 そう俺は強く決心をした。

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 読んで頂いてありがとうございます。
 次回からやっと王都編です。

 物語はまったり、のんびりと進みます。
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