67 / 254
第3章 お披露目会
第67話 ゴロっと野菜のオークカツカレー
しおりを挟む
私はアリッサ。
冒険者ギルドの受付を辞め、今日からエリアス君専属のエージェントになる。
だからこれからはいつも一緒。うふっ。
そしてエリアス君の生い立ちや、能力を聞いた。
そして聞き捨てならないことを聞いた。
「魔素を収納して、魔力に変換するてどういうこと?」
「その言葉のままです。魔素は魔力の元なので森に来た時は収納しておきます」
「それでどうするの?」
「俺の魔法は生活魔法レベルです、例えば…」
そうエリアス君は言うと、人差し指の先に小さい炎を出していた。
「そしてストレージの魔素を魔力に変換して足すと…」
ボウッ!!
人差し指の先に抱えきれないくらいの、大きな炎の球が出来ていた。
そしてすぐに、それはなくなった。
「威力が無い分、魔力量で補う攻撃方法です」
「そ、そう。凄いわね…」
私はそう答えるのがやっとだった。
エリアス君のやっていることは、指先くらいしか炎が出せないから、魔力を集めてその1万個分の炎を出します、と言っているようなものだ。
ファイヤーボール1発は大した攻撃ではないけど、同じ威力の魔法を同時に1,000発撃てたらそれは大破壊を招くのと同じだ。
これは魔力制御を教えた方がいいのかしら?
でも待って、これで制御を教えたら彼は少ない魔力で大魔法を放てることになる。
そして魔素を収納して、魔力は無限にあるとしたら…。
ぶるぶる。
やはり制御は教えないほうが良いかな。
彼は生産系で頑張った方がいいかもしれない。
彼が作るものは、生活を便利にして人々から喜ばれるわ。
コルネールがエリアス君のことを気になるのがわかるわ。
ラミア族は魔力がご馳走だから、エリアス君を気に入ったのね。
気をつけないと、どんどん女性が増えていくような気がする。
話は終わりエリアス君はまた厨房に入っている。
私はオルガさんと作っているのを、見守ることにした。
森で採って来たクミン、チリーペッパー、ターメリック、オールスパイス、コリアンダー、カルダモンをハンドル式の製粉機でゴリゴリ粉末にしている。
スパイスの匂いが辺りに立ち込め、さっき食べたばかりなのに食欲をそそるわ。
「エリアス君、なにを作っているの?」
「角切りオークカレーです」
「カレーの肉野菜炒めとどう違うの?」
「オークカレーはルータイプなので、スープに近いかもしれません」
「むこうの世界に居た時は、毎週土曜日はカレーの日で、母が作るカレーが大好きだったな」
「そんなにカレーが好きなの?」
「えぇ、毎日カレーでも飽きませんから」
「それは、さすがにね~」
そんな他愛のないことを話して過ごした。
さあ今日も、ea30分クッキングの始まりだよ~!!
タラッタ、タタタ、♬タラッタ、タタタ、タタタ、タタタタッタンタタ♫
タッタタタッタ、タッタタタッタ、♫タッタタタッタ、タッタラタタラタンン♫
材料はオーク肉、玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモだよ。
まずはオーク肉は、おろし生姜、おろしニンニク、胡椒、赤ワインを手で、もみ込みそのまましばらくおきま~す。
玉ねぎはみじん切り、ニンジンは皮をむいて2cm角に切っておこう!
フライパンにサラダ油を引いて熱して、玉ねぎを色づくまで弱火で炒めたらいったん取り出そう!
同じフライパンにサラダ油を足し、もみ込んでおいたオーク肉を加え、火を強めて炒めよう!
肉の表面に少し焼き色がついたら大きめにカットしたジャガイモとニンジンを加えて炒め、玉ねぎを戻し、6種のスパイスを加え全体に行き渡るように炒めよう!
水を加え沸騰したらアクを取り除き、中火で15分煮込もう!
最後に水で研いだ小麦粉を入れよう!
トロミを付けたら、はいゴロっと野菜のオークカツカレーのできあがり!!
「できたのねエリアス君」
「えぇ、できました。アリッサさん」
「とても良い匂いだな。もう食べれるのか?」
「オルガさん駄目ですよ。お昼を食べたばかりですから、これは夕食分ですよ」
「待ちきれないな。エリアスがカレーは毎日でも良いというのが分かる気がする」
「夕方まで時間があるから、2階に行ってまたみんなで遊びましょうか?」
そして俺達3人は2階に上がり、ゲームをして楽しんだ。
夕方になり余分に作って置いたオークカツを出した。
少し底に丸みがある皿に入れ、その上からオークカツカレーをかける。
これでご飯があればと、俺は思った。
この世界には米が無い、どこかにあれば良いけれど。
仕方が無いので、パンにつけて食べるか。
これからはアリッサさんとオルガさんと3人で、この世界を生きていくんだ。
そう俺は強く決心をした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
次回からやっと王都編です。
物語はまったり、のんびりと進みます。
冒険者ギルドの受付を辞め、今日からエリアス君専属のエージェントになる。
だからこれからはいつも一緒。うふっ。
そしてエリアス君の生い立ちや、能力を聞いた。
そして聞き捨てならないことを聞いた。
「魔素を収納して、魔力に変換するてどういうこと?」
「その言葉のままです。魔素は魔力の元なので森に来た時は収納しておきます」
「それでどうするの?」
「俺の魔法は生活魔法レベルです、例えば…」
そうエリアス君は言うと、人差し指の先に小さい炎を出していた。
「そしてストレージの魔素を魔力に変換して足すと…」
ボウッ!!
人差し指の先に抱えきれないくらいの、大きな炎の球が出来ていた。
そしてすぐに、それはなくなった。
「威力が無い分、魔力量で補う攻撃方法です」
「そ、そう。凄いわね…」
私はそう答えるのがやっとだった。
エリアス君のやっていることは、指先くらいしか炎が出せないから、魔力を集めてその1万個分の炎を出します、と言っているようなものだ。
ファイヤーボール1発は大した攻撃ではないけど、同じ威力の魔法を同時に1,000発撃てたらそれは大破壊を招くのと同じだ。
これは魔力制御を教えた方がいいのかしら?
でも待って、これで制御を教えたら彼は少ない魔力で大魔法を放てることになる。
そして魔素を収納して、魔力は無限にあるとしたら…。
ぶるぶる。
やはり制御は教えないほうが良いかな。
彼は生産系で頑張った方がいいかもしれない。
彼が作るものは、生活を便利にして人々から喜ばれるわ。
コルネールがエリアス君のことを気になるのがわかるわ。
ラミア族は魔力がご馳走だから、エリアス君を気に入ったのね。
気をつけないと、どんどん女性が増えていくような気がする。
話は終わりエリアス君はまた厨房に入っている。
私はオルガさんと作っているのを、見守ることにした。
森で採って来たクミン、チリーペッパー、ターメリック、オールスパイス、コリアンダー、カルダモンをハンドル式の製粉機でゴリゴリ粉末にしている。
スパイスの匂いが辺りに立ち込め、さっき食べたばかりなのに食欲をそそるわ。
「エリアス君、なにを作っているの?」
「角切りオークカレーです」
「カレーの肉野菜炒めとどう違うの?」
「オークカレーはルータイプなので、スープに近いかもしれません」
「むこうの世界に居た時は、毎週土曜日はカレーの日で、母が作るカレーが大好きだったな」
「そんなにカレーが好きなの?」
「えぇ、毎日カレーでも飽きませんから」
「それは、さすがにね~」
そんな他愛のないことを話して過ごした。
さあ今日も、ea30分クッキングの始まりだよ~!!
タラッタ、タタタ、♬タラッタ、タタタ、タタタ、タタタタッタンタタ♫
タッタタタッタ、タッタタタッタ、♫タッタタタッタ、タッタラタタラタンン♫
材料はオーク肉、玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモだよ。
まずはオーク肉は、おろし生姜、おろしニンニク、胡椒、赤ワインを手で、もみ込みそのまましばらくおきま~す。
玉ねぎはみじん切り、ニンジンは皮をむいて2cm角に切っておこう!
フライパンにサラダ油を引いて熱して、玉ねぎを色づくまで弱火で炒めたらいったん取り出そう!
同じフライパンにサラダ油を足し、もみ込んでおいたオーク肉を加え、火を強めて炒めよう!
肉の表面に少し焼き色がついたら大きめにカットしたジャガイモとニンジンを加えて炒め、玉ねぎを戻し、6種のスパイスを加え全体に行き渡るように炒めよう!
水を加え沸騰したらアクを取り除き、中火で15分煮込もう!
最後に水で研いだ小麦粉を入れよう!
トロミを付けたら、はいゴロっと野菜のオークカツカレーのできあがり!!
「できたのねエリアス君」
「えぇ、できました。アリッサさん」
「とても良い匂いだな。もう食べれるのか?」
「オルガさん駄目ですよ。お昼を食べたばかりですから、これは夕食分ですよ」
「待ちきれないな。エリアスがカレーは毎日でも良いというのが分かる気がする」
「夕方まで時間があるから、2階に行ってまたみんなで遊びましょうか?」
そして俺達3人は2階に上がり、ゲームをして楽しんだ。
夕方になり余分に作って置いたオークカツを出した。
少し底に丸みがある皿に入れ、その上からオークカツカレーをかける。
これでご飯があればと、俺は思った。
この世界には米が無い、どこかにあれば良いけれど。
仕方が無いので、パンにつけて食べるか。
これからはアリッサさんとオルガさんと3人で、この世界を生きていくんだ。
そう俺は強く決心をした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んで頂いてありがとうございます。
次回からやっと王都編です。
物語はまったり、のんびりと進みます。
10
お気に入りに追加
266
あなたにおすすめの小説
【完結】ご都合主義で生きてます。-ストレージは最強の防御魔法。生活魔法を工夫し創生魔法で乗り切る-
ジェルミ
ファンタジー
鑑定サーチ?ストレージで防御?生活魔法を工夫し最強に!!
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
しかし授かったのは鑑定や生活魔法など戦闘向きではなかった。
しかし生きていくために生活魔法を組合せ、工夫を重ね創生魔法に進化させ成り上がっていく。
え、鑑定サーチてなに?
ストレージで収納防御て?
お馬鹿な男と、それを支えるヒロインになれない3人の女性達。
スキルを試行錯誤で工夫し、お馬鹿な男女が幸せを掴むまでを描く。
※この作品は「ご都合主義で生きてます。商売の力で世界を変える」を、もしも冒険者だったら、として内容を大きく変えスキルも制限し一部文章を流用し前作を読まなくても楽しめるように書いています。
またカクヨム様にも掲載しております。
完結【進】ご都合主義で生きてます。-通販サイトで異世界スローライフのはずが?!-
ジェルミ
ファンタジー
32歳でこの世を去った相川涼香は、異世界の女神ゼクシーにより転移を誘われる。
断ると今度生まれ変わる時は、虫やダニかもしれないと脅され転移を選んだ。
彼女は女神に不便を感じない様に通販サイトの能力と、しばらく暮らせるだけのお金が欲しい、と願った。
通販サイトなんて知らない女神は、知っている振りをして安易に了承する。そして授かったのは、町のスーパーレベルの能力だった。
お惣菜お安いですよ?いかがです?
物語はまったり、のんびりと進みます。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
完結【清】ご都合主義で生きてます。-空間を切り取り、思ったものを創り出す。これで異世界は楽勝です-
ジェルミ
ファンタジー
社畜の村野玲奈(むらの れな)は23歳で過労死をした。
第二の人生を女神代行に誘われ異世界に転移する。
スキルは剣豪、大魔導士を提案されるが、転移してみないと役に立つのか分からない。
迷っていると想像したことを実現できる『創生魔法』を提案される。
空間を切り取り収納できる『空間魔法』。
思ったものを創り出すことができ『創生魔法』。
少女は冒険者として覇道を歩むのか、それとも魔道具師としてひっそり生きるのか?
『創生魔法』で便利な物を創り富を得ていく少女の物語。
物語はまったり、のんびりと進みます。
※カクヨム様にも掲載中です。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
【完結】僕は今、異世界の無人島で生活しています。
コル
ファンタジー
大学生の藤代 良太。
彼は大学に行こうと家から出た瞬間、謎の光に包まれ、女神が居る場所へと転移していた。
そして、その女神から異世界を救ってほしいと頼まれる。
異世界物が好きな良太は二つ返事で承諾し、異世界へと転送された。
ところが、女神に転送された場所はなんと異世界の無人島だった。
その事実に絶望した良太だったが、異世界の無人島を生き抜く為に日ごろからネットで見ているサバイバル系の動画の内容を思い出しながら生活を開始する。
果たして良太は、この異世界の無人島を無事に過ごし脱出する事が出来るのか!?
※この作品は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さん、「ノベリズム」さんとのマルチ投稿です。
【心】ご都合主義で生きてます。-商品開発は任せてください。現代知識を使い時代を駆け上る。-
ジェルミ
ファンタジー
現代知識を使いどこまで飛躍できるのか。少年は時代を駆け上る。
25歳でこの世を去った男は、異世界の女神に誘われ転生を選ぶ。
男が望んだ能力は剣や魔法ではなく現代知識だった。
商会を駆使し現代知識を開花させ時代を駆け上る。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
いらないスキル買い取ります!スキル「買取」で異世界最強!
町島航太
ファンタジー
ひょんな事から異世界に召喚された木村哲郎は、救世主として期待されたが、手に入れたスキルはまさかの「買取」。
ハズレと看做され、城を追い出された哲郎だったが、スキル「買取」は他人のスキルを買い取れるという優れ物であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる