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第3章 お披露目会

第57話 ボウリング

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 俺達男5人はお風呂を出て2階に来ている。
 すると女子達が遅れてやって来た。
 みんな、『良いお風呂だったね』、とか『さっぱりしたわ』と言っている。

「どうしたのエリアス君?2階にみんなを集めて」
「アリッサさん、ゲームでもしましょうか?」
「ゲーム??」
「えぇ、勝敗を決める遊びで、ボウリングと言います」

「「「 ボウリング?? 」」」

 レーンが6本あるのを見ただけでは分からないだろう。

 まず説明をしないと。
「レーンの上にピンの的が10本あって、手前に頂点がある正三角形に並べられています。ピンを狙ってボールを転がして倒したピンの数の合計を競う遊びです 」

「「「へ~~!! 」」」

 みんなわからないまま返事をする。

「1回の投球で10本全てのピンを倒すことを『ストライク』と言います。得点は点数で競い10本倒すと10点を獲得できます。2回目からの前回の投球で倒したピンの数がボーナス得点として加算されます。ではやってみますね。2投球でワンセットです」

 俺はそう言うと手本に一球投げてみた。
 ボールに指を3本入れ親指を12時の方向に向け、進行方向をしっかりイメージしてスイングするように投げる。

 ゴロ、ゴロ、ゴロ、ゴロ、ゴロ、ゴロ、
 カコ~~~ン!!
 見事、真中だけ倒れ両脇が残ってしまった…、見本のはずが、恥ずかしい…。
 そして2投目で右側のピンを倒した…。

 し~~~~ん!!

 すると間を開けてみんなが騒ぎ出す。
「す、すごい!!」
「凄いわ、エリアス君」
「楽しそう!!」
 そ、そうかな。それは良かった…、デヘヘ。

 それからは6レーンを2人ずつで使い12人で楽しんだ。
 自動でピンが並べられ、ボールリターンでボールが戻ってくる。

 この世界は娯楽が少なく、まして遊ぶ設備などが無い。
 みんな夢中になって投げ続けた。

 あぁ、アリッサさん。ボールは下から投げるもので上から投げては駄目ですよ!!
 アレックさん、2ボールで1セットですから。
 え?3回投げれば全部倒せるのに?て言われても。




 みんなとても喜んで、楽しんでくれている。
 俺は調子に乗りストレージの中の、『創生魔法』であるものを創った。
 みんなが投げるのに夢中になっている間にこっそりとだ。

 バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
  バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!

 俺は叩く!叩く!!
「なにしてるの、エリアス君?」
 みんなが集まってくる。
「俺ですか、ゴブリン叩きゲームですよ」
「ゴブリン叩きゲーム?!」
「この穴から顔を出すゴブリンを、このハンマーで叩くんです」
 俺は叩く真似をした。
「そして叩いた数を競う遊びです」

「私やります~!!」
「私もやりたい!!」

 バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
  バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!

「ゴブリンめ、このゴブリンめ!!」

 バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
   バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
    バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
  バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!

 エメリナさん、そんなに強く叩かないでください!!
 穴から出てくるゴブリンの頭を叩く遊びで、倒すゲームではありませんから!!
 駄目ですよ。壊れますから…。

 さすがに12人に対して遊ぶ機器が1台では少ないか。
 もう1台創るか。
 俺はストレージの中でもう1台、別の物を創り外に出した。

 ドン!!
「わぁ、今度はなにかなエリアス君、あははは!!」
 なぜかアリッサさんが、諦めた様に笑ってる。
 どうしたんだ?

「これはベアベアパニックです。5匹並んだブラッディベアをハンマーで叩いて撃退します。一定のラインまでブラッディベアが出てくると、噛まれたことになり減点となります。ゲーム後半はブラッディベアが『怒り』スピードが速くなります。制限時間があり、その間に40匹以上叩くと更に延長されます。そしてその日のハイスコアは『本日のスゴウデ』として記録され奥の画面に5位まで表示されます。スコアを出した時に任意で自分の名前を入力でき、次に誰かに抜かされるまで消えることはありません」
 ここまで一気に俺は話した。
「では、やってみせますね」
 
 ブラッディベアが穴から手前に顔を出す。
 出たり戻ったり。
 ややデフォルメしてブラッディベアは可愛くしてある。

 バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
  バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!

 後半になるとスピードが速くなる。

バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
    バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!
    バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!! 
  バン!バン!バンバン!!バン!バンバン!!

「負けるな、エリアス!!」
「頑張ってエリアス君!!」
 みんなが周りから応援してくれる。
 なぜか嬉しかった。

 そしてゲームが終わった。

「はい、これで終わりです。今日は俺が初めてやったのでハイスコアとなり、このように名前を入力します」
 俺はブラッディベアが出てくる、穴の上にあるボードに自分の名前を入力する。
 すると奥の画面に『本日のスゴウデ・エリアス・450点』と表示された。

「「「 おぉ~~!! 」」」

「これは次の人がこのスコアを抜けば、名前が変わるのか?」
「えぇ、そうです」
 誰かが聞いてくる。
 もう誰でも良いです。

「私やる!!」
「私も~」
「私が先よ」
 
 そしてワイワイ、ガヤガヤみんなで騒いでみんなで笑って楽しんだ。
 みんなが見ていない隙を見て、ゴブリン叩きゲームも改良した。
 少し可愛くデフォルメしこちらも、順位を5位まで表示できるようにした。


 楽しい時間はあっという間に過ぎていく…。
 そして礼拝堂の22時の鐘がなる。
 ゴォ~~~~ン!!

「困りましたな…」
「えぇ、そうですね」
 誰かがポツリと言う。

 この世界は街灯が無い。
 真っ暗な夜道を歩いて帰るのは、襲われる可能性がありとても危険だった。
「ではみなさん。今夜は泊まって行ってください」
「えっ、泊まれるの?」
「凄いわ~!」
 女子達が騒ぎ始める。

「ですが個室は寝具のご用意がありませんので、今夜は3階で寝て頂きます」

「3階で寝るの?!私達の初めての夜が…」
 アリッサさんが小さな声で何か言っている。
 そしてオルガさんが、肩に手を置いて何か言っている。

「はい、みなさん。3階へ行きましょう」
 そう言いながら俺達は3階の階段を上った。
 
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