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真相⑫

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 「いらっしゃい、マリアンヌさん。……今日は前と、ご様子が違うような……?」
 ステラ伯爵家のエントランスでマリアンヌを出迎えたコリンヌは、早くも先日会った時との違いに気づいた。
「い、いやあ……セレナの家で色々ありまして」
スタン侯爵家侍女軍団ビューティー部隊に磨かれたとは言えない。
「? どうぞ、家族に紹介するわ」
と、屋敷に招き入れられた。

―――話をする条件が、私の同席とはね。

 “不安だから、一緒にいてて”
婚約者との現状を家族に打ち明ける条件がそれだった。
 自分がいてて、役に立つのだろうかは疑問だが、特に拒否する理由もない為承諾したマリアンヌ。
 その場で家に連絡し、時間を取ってもらうよう手続きがとれた。

 ステラ伯爵家は、シックな内装の年季を感じさせる建物だった。
「古いでしょう? 改装したいんだけど皆で研究や学問にお金を使ってしまうからなかなかで」
「こちらに比べたら、うちの実家なんてほったて小屋ですよ」
 更に近くに牛小屋と馬小屋があるのだから、まさにザ・田舎である。
と、そんな話をしている間に、家族がいるという応接間に到着した。

「コリンヌです。マリアンヌさんがいらっしゃったのでご案内しました」
 コンコン、と控えめなノックをした後、コリンヌが扉を開ける。
 キィ、という扉の音に、マリアンヌの気持ちも引き締まる。

これから“智の家門”と対面するのだ。

 代々王家に重んじられ、王家に“智の家門”と呼ばれる程の知力の持ち主。

 そんな頭脳集団(シンクタンク)がいるという事実に、マリアンヌの中の自信が揺れる。

―――コリンヌ様、ちゃんと説得できるかな?
 私はそんな彼女を、きちんとフォロー出来るかな??

 そんな迷いを胸にしている内に、コリンヌが扉の前で立ち止まる。コンコン、とノックした後、

「コリンヌです、マリアンヌさんが来てくれました」

すぐさま、シャキッと背筋を伸ばす。さあ、ご対面だ――。
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