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先輩侍女さん達の助言
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「お前は正しいよ」
ベッドに横たわったリリアンさんは、ウトウトしながら私に言った。
「……うん、もーちょっと左。あ! そこそこ! 気持ちいい……!」
私はリリアンさんの上に乗るような体勢で、肩を中心に背中をマッサージしている。親指に力を込めてギュ、ギュ、と押す度に、リリアンさんは“くぅ~”と呻くけど嫌がっているわけではない。
大人になったら、私もこんなに疲れるのかな、などと思いながら話を続けた。
「やっぱり平民の私が養女では、カトレア公爵家にご迷惑にしかなりませんよね」
「それは全然、問題ないわ」
机に向かって、薬学の本を読んでいたマリーさんが答えてくれる。
私を含む侍女3人は、同じ部屋で寝起きしている。護衛なのに、旦那様のお近くにいなくて良いのか? と訊いたけど、邸内はセキュリティー万全だし、同性のアントニオさんの方が都合が良いらしい。まぁ確かにご入浴中やお着替えの時までご一緒するのは問題ありだし、そこまで賊が近付けば、旦那様の魔法で対応可能だ。
私はというと、初めて自分用のベッドや机のある生活にありがたみしか感じない。枕をギューッとしたり、机を撫でてニコニコしてしまう。その度に2人に、呆れや哀れみの含んだ目で見られるけど気にしない。
「あー……本読んでたら肩こっちゃったわ。チヨ、後で私もお願い」
「もう良いよ、あたし寝るわ。ふわ~……」
リリアンさんの目が閉じられたので、椅子に座るマリーさんの肩に手をかけた。
これも、見習いの役目。――と言うより、どちらかと言えば私がやりたくてやっている。お2人は護衛も兼ねた私と違って、ずっと屋敷のお仕事ばっかりだ。少しは労りたい。
「で、さっきの話なんだけど、あなたが公爵家にお世話になる事自体は、問題ないのよ。ここでの様子を見ていても、きっと公爵令嬢として必要な教養は、完璧に身につけられるわ。……でもね」
モミモミモミ。
「ん、ちょっと弱めでお願い。――あそこの使用人は、そうはいかないでしょう。知ってる? 公爵家で働く侍女達は大抵、低位貴族の令嬢よ。いくら主人の決めた事でも、自分達を同等か格下の人間が特別扱いされるのを受け容れられる筈はないもの……」
「……そんなものですか?」
自分に比較される相手がいない私は、あまりそこは分からない。妬んでも仕方ない、他人は他人だ。
「……そぉよぉ……行ったら絶対あなた、いじめられていたわ……」
「そうですか、良かった。でもそんな事がなくても、カトレア嬢の申し出は断ってました。私は、旦那様の、ってアレ? マリーさん」
マリーさんが椅子に座ったままウトウトしている。ここで寝ないで欲しい。
「マリーさん、寝るならベッドに行って下さい」
ユサユサ、と肩を揺する。でも起きてくれず、“ん……”と言うだけで、ぐにゃり、と寝ぼけた体が椅子から落ちそうになるのを両腕で何とか支える。
「ぐー…………っ」
そうだ、この手があった。
私はマリーさんの座っている椅子の背を持って、そのまま前に押して動く。ベッドの前に着いたところで椅子を傾けてポイッとベッドの上に乗せた。
私も寝ましょう。おやすみなさい……。
「お久しぶりです、ジェシカ師匠」
ギルドで師匠と待ち合わせ。今日は久々の冒険者稼業だ。師匠とシドさん3人での魔獣討伐。
久しぶりに会った師匠は、相変わらずの美人さんで。私の顔を見るやニマ、と笑って何故かほっぺたをつまんできた。
「よ、チヨ。ずいぶん肌つやが良くなったじゃないか、公爵は良いもん食べさせてくれてるようだな」
「……ちょっと食べ過ぎかと思う位、頂いています」
これだけでイイかな? と思って少なめに盛っても、マーサさん達に更に足されてしまう。
『あなたは成長期なのだから、この程度は食べなさい』
良いのかな? と旦那様を見てもむしろ嬉しそうにしている。
『お前がこの家の食料を全て食べたとしても困らないから、無理ないだけ食べなさい』
無理ないだけと言われても自分の皿にある以上、貧乏性というか、もったいない精神から全て食べてしまう。
ただリリアンさんが、自分のお皿の野菜を依ってぽいぽいっと下さるのは嫌いだからだな~と睨んでいる。実際後から怒られているし。
そんななので私の見た目は結構変わった。背も伸びたし、肉も付いた。
後は――。
「……髪色、えらく変わったじゃないか。前はチリチリで鉛色だったのに」
そう、髪。前は細くてボサボサだったのが、今は太く濃くなりつつある。
ついでに言うと、わずかだけど……背が伸び出している。
ちょっとくすぐったい気持でいると、コツン、と頭の上に何かが落ちた。
木の実? 見上げると梁に止まっている黒い鳥が見える。
「コウ!」
私が呼ぶと飛び降りて、肩に乗ってきた。そう言えばコウも小さくなった感じ。前はもっと顔が埋まりそうな位大きな翼だったのに。
「来てくれたんだ」
「カア」
自然に口元がほころぶ。羽を撫でたら頭にスリスリされる。気持ちいい。
「……時にチヨ、先日言いそびれた話なんだが……」
シドさんが口を開く。
「お前の義姉のことだが……」
「? シドさん、義姉の事を知ってるんですか?」
「いや……」
首を傾げた私に彼はう~ん……と唸って腕を組む。
「こっちは知らないのに、やたら俺のいる場所に姿を見せるんだ。で、訳の分からない会話をして去って行くんだが……」
あ・それ……“親密度上げ”だ。と以前小耳に挟んだ話から思う。
義姉がヒロインだという“乙女ゲーム”。
その中で重要なのが“親密度上げ”だそうで、それが高いか低いかで“イベント”が起こせるかが決まるらしい。
で、その親密度を上げる方法は色々あり、その中で最も効果が少ないのが“挨拶”だ。ただ対象者のいる場所に行っては挨拶をしたり会話したり。そんなのでも何度もしていれば上がる――って話を聞いたことがある。
「で……酒場なんかにも来るんだが、あそこには物騒な奴らもいる。だから何度も“ここはお前さんのようなお嬢様が来るところじゃねえ”って忠告してるんだが……どうしてだか何度も来る」
シドさんが真面目な顔で、お姉さんに忠告する場面を想像する。
夕暮れか夜の酒場で。
カッコいいけど、ちょっとワイルドなお兄さんが真面目な顔で言うのだ。
『ここはお前さんのようなお嬢様が来るところじゃねえ』
「……喜びそうですね……」
「何だそりゃ?」
シドさんは理解出来ないようで当然だ。でも義姉は違う。だって彼女曰く、自分は“ヒロイン”なのだ。自分だけは何があっても大丈夫と思い込んでいるんだろう。
「……で、俺が心配した通り、最近ヤバい奴らが目を付けているようでな……。もしお前の家族なら、言ってやって欲しかったんだが……」
何しろ本人に忠告しても、平然としているという。
「何だそれ。その子、あの男爵の娘だろう? 危機管理出来てんのか?」
ジェシカ師匠が隣で呆れているけど、私は何となく姉の奇行の理由が分かった。
明らかにゲームのイベントだ。だって酒場で悪い奴に絡まれている処を、カッコいい男の人が助けてくれるとか、いかにも女の子が喜びそうじゃないか。
きっと義姉はそれを狙っているんだ。
「チヨ、行くよ」
「あ、はい」
師匠に促され、気持を切り替える。ここからは仕事だ。しくじれば自分だけじゃない、皆が犠牲になる。
ギルドの扉から出て、新たなる戦いの場へと心を移した。
ベッドに横たわったリリアンさんは、ウトウトしながら私に言った。
「……うん、もーちょっと左。あ! そこそこ! 気持ちいい……!」
私はリリアンさんの上に乗るような体勢で、肩を中心に背中をマッサージしている。親指に力を込めてギュ、ギュ、と押す度に、リリアンさんは“くぅ~”と呻くけど嫌がっているわけではない。
大人になったら、私もこんなに疲れるのかな、などと思いながら話を続けた。
「やっぱり平民の私が養女では、カトレア公爵家にご迷惑にしかなりませんよね」
「それは全然、問題ないわ」
机に向かって、薬学の本を読んでいたマリーさんが答えてくれる。
私を含む侍女3人は、同じ部屋で寝起きしている。護衛なのに、旦那様のお近くにいなくて良いのか? と訊いたけど、邸内はセキュリティー万全だし、同性のアントニオさんの方が都合が良いらしい。まぁ確かにご入浴中やお着替えの時までご一緒するのは問題ありだし、そこまで賊が近付けば、旦那様の魔法で対応可能だ。
私はというと、初めて自分用のベッドや机のある生活にありがたみしか感じない。枕をギューッとしたり、机を撫でてニコニコしてしまう。その度に2人に、呆れや哀れみの含んだ目で見られるけど気にしない。
「あー……本読んでたら肩こっちゃったわ。チヨ、後で私もお願い」
「もう良いよ、あたし寝るわ。ふわ~……」
リリアンさんの目が閉じられたので、椅子に座るマリーさんの肩に手をかけた。
これも、見習いの役目。――と言うより、どちらかと言えば私がやりたくてやっている。お2人は護衛も兼ねた私と違って、ずっと屋敷のお仕事ばっかりだ。少しは労りたい。
「で、さっきの話なんだけど、あなたが公爵家にお世話になる事自体は、問題ないのよ。ここでの様子を見ていても、きっと公爵令嬢として必要な教養は、完璧に身につけられるわ。……でもね」
モミモミモミ。
「ん、ちょっと弱めでお願い。――あそこの使用人は、そうはいかないでしょう。知ってる? 公爵家で働く侍女達は大抵、低位貴族の令嬢よ。いくら主人の決めた事でも、自分達を同等か格下の人間が特別扱いされるのを受け容れられる筈はないもの……」
「……そんなものですか?」
自分に比較される相手がいない私は、あまりそこは分からない。妬んでも仕方ない、他人は他人だ。
「……そぉよぉ……行ったら絶対あなた、いじめられていたわ……」
「そうですか、良かった。でもそんな事がなくても、カトレア嬢の申し出は断ってました。私は、旦那様の、ってアレ? マリーさん」
マリーさんが椅子に座ったままウトウトしている。ここで寝ないで欲しい。
「マリーさん、寝るならベッドに行って下さい」
ユサユサ、と肩を揺する。でも起きてくれず、“ん……”と言うだけで、ぐにゃり、と寝ぼけた体が椅子から落ちそうになるのを両腕で何とか支える。
「ぐー…………っ」
そうだ、この手があった。
私はマリーさんの座っている椅子の背を持って、そのまま前に押して動く。ベッドの前に着いたところで椅子を傾けてポイッとベッドの上に乗せた。
私も寝ましょう。おやすみなさい……。
「お久しぶりです、ジェシカ師匠」
ギルドで師匠と待ち合わせ。今日は久々の冒険者稼業だ。師匠とシドさん3人での魔獣討伐。
久しぶりに会った師匠は、相変わらずの美人さんで。私の顔を見るやニマ、と笑って何故かほっぺたをつまんできた。
「よ、チヨ。ずいぶん肌つやが良くなったじゃないか、公爵は良いもん食べさせてくれてるようだな」
「……ちょっと食べ過ぎかと思う位、頂いています」
これだけでイイかな? と思って少なめに盛っても、マーサさん達に更に足されてしまう。
『あなたは成長期なのだから、この程度は食べなさい』
良いのかな? と旦那様を見てもむしろ嬉しそうにしている。
『お前がこの家の食料を全て食べたとしても困らないから、無理ないだけ食べなさい』
無理ないだけと言われても自分の皿にある以上、貧乏性というか、もったいない精神から全て食べてしまう。
ただリリアンさんが、自分のお皿の野菜を依ってぽいぽいっと下さるのは嫌いだからだな~と睨んでいる。実際後から怒られているし。
そんななので私の見た目は結構変わった。背も伸びたし、肉も付いた。
後は――。
「……髪色、えらく変わったじゃないか。前はチリチリで鉛色だったのに」
そう、髪。前は細くてボサボサだったのが、今は太く濃くなりつつある。
ついでに言うと、わずかだけど……背が伸び出している。
ちょっとくすぐったい気持でいると、コツン、と頭の上に何かが落ちた。
木の実? 見上げると梁に止まっている黒い鳥が見える。
「コウ!」
私が呼ぶと飛び降りて、肩に乗ってきた。そう言えばコウも小さくなった感じ。前はもっと顔が埋まりそうな位大きな翼だったのに。
「来てくれたんだ」
「カア」
自然に口元がほころぶ。羽を撫でたら頭にスリスリされる。気持ちいい。
「……時にチヨ、先日言いそびれた話なんだが……」
シドさんが口を開く。
「お前の義姉のことだが……」
「? シドさん、義姉の事を知ってるんですか?」
「いや……」
首を傾げた私に彼はう~ん……と唸って腕を組む。
「こっちは知らないのに、やたら俺のいる場所に姿を見せるんだ。で、訳の分からない会話をして去って行くんだが……」
あ・それ……“親密度上げ”だ。と以前小耳に挟んだ話から思う。
義姉がヒロインだという“乙女ゲーム”。
その中で重要なのが“親密度上げ”だそうで、それが高いか低いかで“イベント”が起こせるかが決まるらしい。
で、その親密度を上げる方法は色々あり、その中で最も効果が少ないのが“挨拶”だ。ただ対象者のいる場所に行っては挨拶をしたり会話したり。そんなのでも何度もしていれば上がる――って話を聞いたことがある。
「で……酒場なんかにも来るんだが、あそこには物騒な奴らもいる。だから何度も“ここはお前さんのようなお嬢様が来るところじゃねえ”って忠告してるんだが……どうしてだか何度も来る」
シドさんが真面目な顔で、お姉さんに忠告する場面を想像する。
夕暮れか夜の酒場で。
カッコいいけど、ちょっとワイルドなお兄さんが真面目な顔で言うのだ。
『ここはお前さんのようなお嬢様が来るところじゃねえ』
「……喜びそうですね……」
「何だそりゃ?」
シドさんは理解出来ないようで当然だ。でも義姉は違う。だって彼女曰く、自分は“ヒロイン”なのだ。自分だけは何があっても大丈夫と思い込んでいるんだろう。
「……で、俺が心配した通り、最近ヤバい奴らが目を付けているようでな……。もしお前の家族なら、言ってやって欲しかったんだが……」
何しろ本人に忠告しても、平然としているという。
「何だそれ。その子、あの男爵の娘だろう? 危機管理出来てんのか?」
ジェシカ師匠が隣で呆れているけど、私は何となく姉の奇行の理由が分かった。
明らかにゲームのイベントだ。だって酒場で悪い奴に絡まれている処を、カッコいい男の人が助けてくれるとか、いかにも女の子が喜びそうじゃないか。
きっと義姉はそれを狙っているんだ。
「チヨ、行くよ」
「あ、はい」
師匠に促され、気持を切り替える。ここからは仕事だ。しくじれば自分だけじゃない、皆が犠牲になる。
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