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第4章 勇者の日常
10 揺らぐ封印2
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「──あ、そういえば」
雫たちと別れ、自宅アパートに向かう途中で俺は足を止めた。
「今日は遺跡に行く日か」
モンスターが出てくる扉を定期点検しているのだった。
いちおう調査チームが立ち入り禁止の表示をしているが、勘弁してもらおう。
アリアンのことも気になるけど、まず封印を見てくるか。
その後で【監視】スキルを使って、彼女の後を追ってみよう。
俺は遺跡に行くと、いつものように地下を通り、最深部までたどり着いた。
ちなみに道中の罠は地道に探して、全部取り除いてある。
誰かがここに迷いこむと危険だからな。
「あれ……?」
俺は扉の前で軽く眉を寄せた。
異世界からモンスターが出てこないように、ここには【空間封印】を施してある。
さらに、封印自体も定期的に張り直して強化してある。
だから、ちょっとやそっとじゃ解けないはずなんだけど──。
その【空間封印】が異様に弱まっていた。
嫌な感じがした。
扉に何か変化があったんだろうか?
「封印し直すか」
とりあえずスキルをかけ直す。
「でも、これだけでいいのかな……」
封印が弱まっているなら、補強の方法を別に考えたほうがいいかもしれない。
とはいえ、【空間封印】の代替や補助になるようなスキルは持ち合わせていないし、スキルツリーを探してもちょうどよいスキルが見当たらない。
「どうするかな……」
思案したそのとき、
「うぇーい、また会ったな」
「ここなら逃げ場はねーぞ」
「ぼっこぼこにしてやんよー」
五人ほどの集団がやって来た。
「お前ら……」
昼間のチャラ男たちだ。
なんで、こんなところに──?
雫たちと別れ、自宅アパートに向かう途中で俺は足を止めた。
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「あれ……?」
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だから、ちょっとやそっとじゃ解けないはずなんだけど──。
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扉に何か変化があったんだろうか?
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とはいえ、【空間封印】の代替や補助になるようなスキルは持ち合わせていないし、スキルツリーを探してもちょうどよいスキルが見当たらない。
「どうするかな……」
思案したそのとき、
「うぇーい、また会ったな」
「ここなら逃げ場はねーぞ」
「ぼっこぼこにしてやんよー」
五人ほどの集団がやって来た。
「お前ら……」
昼間のチャラ男たちだ。
なんで、こんなところに──?
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