51 / 135
第2章 勇者の選択
18 真星月子2
しおりを挟む
「あれは──」
異空間……なのか!?
そこから、何かが飛び出してくる。
しゅううっ、と細く息を吐き出す、そいつ。
俺たちの前に降り立ったのは、トカゲのような顔を持つ、身長三メートルほどの怪物だった。
「『リザードソルジャー』か!」
叫ぶ俺。
異世界のモンスターである『リザードソルジャー』。
それがなぜこの世界に現れたのか。
あの扉は、まさか異世界につながっている……!?
「さがって、先輩!」
月子が俺をかばうように前へ出た。
彼女の態度に恐怖は感じられなかった。
現実にはありえない怪物を前にしても、驚くほど冷静だ。
闘志をみなぎらせてリザードソルジャーを見据えている。
「お前こそ下がるんだ。危ない──」
「ふふっ、ボクをなめないでよねっ」
言うなり、月子が地を蹴った。
その動きは、まさしく閃光。
「流派・月光流星拳──【基本の正拳突き】!」
がごぉっ!
爆音にも似た大音響とともに、月子の拳がリザードソルジャーを吹き飛ばす。
一撃、だった。
みぞおちに重いパンチを食らったリザードソルジャーは、苦鳴すら上げず、その場に崩れ落ちた。
「す、すごいな」
さすがに俺も呆然となる。
俺の【近接格闘・レベル13】とまではいかないものの、レベル7~8くらいはありそうだ。
一流の魔力を持つ凪沙さんといい、超人的な格闘能力を持つ月子といい、異世界に行っても十分生きていけそうな人材だった。
オカ研おそるべし……!
と──、
るおおおおおううううぐああおおおおおおおおおんっ!
どう猛な吠え声とともに、扉の向こうの空間が揺らいだ。
そこから新たな影が飛び出してくる。
山羊を思わせる顔に、皮膜状の翼、黒い剛毛に覆われた巨躯、しなやかな四肢、そして長大な尾──。
『レッサーデーモン』だ。
こんな奴までこっちの世界に現れるとは……!
異空間……なのか!?
そこから、何かが飛び出してくる。
しゅううっ、と細く息を吐き出す、そいつ。
俺たちの前に降り立ったのは、トカゲのような顔を持つ、身長三メートルほどの怪物だった。
「『リザードソルジャー』か!」
叫ぶ俺。
異世界のモンスターである『リザードソルジャー』。
それがなぜこの世界に現れたのか。
あの扉は、まさか異世界につながっている……!?
「さがって、先輩!」
月子が俺をかばうように前へ出た。
彼女の態度に恐怖は感じられなかった。
現実にはありえない怪物を前にしても、驚くほど冷静だ。
闘志をみなぎらせてリザードソルジャーを見据えている。
「お前こそ下がるんだ。危ない──」
「ふふっ、ボクをなめないでよねっ」
言うなり、月子が地を蹴った。
その動きは、まさしく閃光。
「流派・月光流星拳──【基本の正拳突き】!」
がごぉっ!
爆音にも似た大音響とともに、月子の拳がリザードソルジャーを吹き飛ばす。
一撃、だった。
みぞおちに重いパンチを食らったリザードソルジャーは、苦鳴すら上げず、その場に崩れ落ちた。
「す、すごいな」
さすがに俺も呆然となる。
俺の【近接格闘・レベル13】とまではいかないものの、レベル7~8くらいはありそうだ。
一流の魔力を持つ凪沙さんといい、超人的な格闘能力を持つ月子といい、異世界に行っても十分生きていけそうな人材だった。
オカ研おそるべし……!
と──、
るおおおおおううううぐああおおおおおおおおおんっ!
どう猛な吠え声とともに、扉の向こうの空間が揺らいだ。
そこから新たな影が飛び出してくる。
山羊を思わせる顔に、皮膜状の翼、黒い剛毛に覆われた巨躯、しなやかな四肢、そして長大な尾──。
『レッサーデーモン』だ。
こんな奴までこっちの世界に現れるとは……!
0
お気に入りに追加
2,142
あなたにおすすめの小説
ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。
途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。
さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。
魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。
一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。
スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!
KeyBow
ファンタジー
日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】
変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。
【アホが見ーる馬のけーつ♪
スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】
はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。
出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!
行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。
悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!
一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!
勇者がパーティーを追放されたので、冒険者の街で「助っ人冒険者」を始めたら……勇者だった頃よりも大忙しなのですが!?
シトラス=ライス
ファンタジー
漆黒の勇者ノワールは、突然やってきた国の皇子ブランシュに力の証である聖剣を奪われ、追放を宣言される。
かなり不真面目なメンバーたちも、真面目なノワールが気に入らず、彼の追放に加担していたらしい。
結果ノワールは勇者にも関わらずパーティーを追い出されてしまう。
途方に暮れてたノワールは、放浪の最中にたまたまヨトンヘイム冒険者ギルドの受付嬢の「リゼ」を救出する。
すると彼女から……「とっても強いそこのあなた! 助っ人冒険者になりませんか!?」
特にやることも見つからなかったノワールは、名前を「ノルン」と変え、その誘いを受け、公僕の戦士である「助っ人冒険者」となった。
さすがは元勇者というべきか。
助っ人にも関わらず主役級の大活躍をしたり、久々に食事やお酒を楽しんだり、新人の冒険者の面倒を見たりなどなど…………あれ? 勇者だったころよりも、充実してないか?
一方その頃、勇者になりかわったブランシュは能力の代償と、その強大な力に振り回されているのだった……
*本作は以前連載をしておりました「勇者がパーティーをクビになったので、山に囲まれた田舎でスローライフを始めたら(かつて助けた村娘と共に)、最初は地元民となんやかんやとあったけど……今は、勇者だった頃よりもはるかに幸せなのですが?」のリブート作品になります。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
恋人を寝取られ死刑を言い渡された騎士、魔女の温情により命を救われ復讐よりも成り上がって見返してやろう
灰色の鼠
ファンタジー
騎士として清くあろうとし国民の安寧を守り続けようとした主人公カリヤは、王都に侵入した魔獣に襲われそうになった少女を救うべく単独で撃破する。
あれ以来、少女エドナとは恋仲となるのだが「聖騎士」の称号を得るための試験を間近にカリヤの所属する騎士団内で潰し合いが発生。
カリヤは同期である上流貴族の子息アベルから平民出身だという理由で様々な嫌がらせを受けていたが、自身も聖騎士になるべく日々の努力を怠らないようにしていた。
そんなある日、アベルに呼び出された先でカリヤは絶望する。
恋人であるエドナがアベルに寝取られており、エドナが公爵家令嬢であることも明かされる。
それだけに留まらずカリヤは令嬢エドナに強姦をしたという濡れ衣を着せられ国王から処刑を言い渡されてしまう———
『殺す』スキルを授かったけど使えなかったので追放されました。お願いなので静かに暮らさせてください。
晴行
ファンタジー
ぼっち高校生、冷泉刹華(れいぜい=せつか)は突然クラスごと異世界への召喚に巻き込まれる。スキル付与の儀式で物騒な名前のスキルを授かるも、試したところ大した能力ではないと判明。いじめをするようなクラスメイトに「ビビらせんな」と邪険にされ、そして聖女に「スキル使えないならいらないからどっか行け」と拷問されわずかな金やアイテムすら与えられずに放り出され、着の身着のままで異世界をさまよう羽目になる。しかし路頭に迷う彼はまだ気がついていなかった。自らのスキルのあまりのチートさゆえ、世界のすべてを『殺す』権利を手に入れてしまったことを。不思議なことに自然と集まってくる可愛い女の子たちを襲う、残酷な運命を『殺し』、理不尽に偉ぶった奴らや強大な敵、クラスメイト達を蚊を払うようにあしらう。おかしいな、俺は独りで静かに暮らしたいだけなんだがと思いながら――。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる