上 下
20 / 135
第1章 勇者の帰還

20 レベルアップへの道2

しおりを挟む
 その後、警察の事情聴取とかでけっこうな時間を取られ、俺は夜になって自宅に帰りついた。

「うーん……」

 俺は一人、考え込んでいた。
 今後の方針を。

 強盗の体から出た黒いモヤ──あれはなんだったのか。
 調べておいた方がよさそうだ。

 それともう一つ。
 強盗を取り押さえる際、かすり傷とはいえ、指を切られてしまったのが気になる。

「ステータス開示オープン──スキル表示」

 俺はあらためて現状のステータスを確認した。
 今回はスキル部分だけを表示させる。

───────────────────────────────────
 名前   :夏瀬彼方
 固有スキル:【経験値効率・極大】
 汎用スキル:【サーチ・レベル1】
      :【近接格闘・レベル3】
      :【知力ブースト・レベル1】
      :【ジャンプ・レベル1】
      :【リペア・レベル1】
      :【威圧・レベル3】
      :【気配遮断・レベル1】
───────────────────────────────────

「現代日本じゃ、異世界みたいな危機が訪れることはないだろうけど、もう少し鍛えてみるか……」

 さすがに強盗事件に日常的に出くわすことはないにせよ、たとえば、俺をいじめていたグループの存在もあるし、この間の姫宮たちが何か逆襲してくるかもしれない。

 それにコンビニ強盗を倒したときに出てきた黒いモヤ──【傀儡】のスキルらしき現象も気になる。

「強くなるに越したことはないし、こっちの世界で便利に使えそうなスキルをいくつか取得しておきたいな」

 勇者時代のレベル700オーバーとはいかなくても、もう少し自分のレベルを上げていこう。
 そのためには経験値稼ぎが重要だ。

 ただ歩いているだけでも、それなりのポイントは入る。
 でも、やっぱり戦闘での経験値に比べれば微々たるものである。

 実際、コンビニ強盗を倒した直後、普段の数倍の経験値が入ったからな。
 今後、効率よく稼ぐには何がいいだろうか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【短編集】リアル・ラブドールの憂鬱

ジャン・幸田
SF
 ラブドールに中の人はいない! はずだが、実は我がキジネコ・サービスが提供するサービスは本物の女の子が入っている。そんな、中の人にされた女の子の苦悩とは? *小説家になろうのアダルトコンテンツに同名で連載している作品と同じです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

進学できないので就職口として機械娘戦闘員になりましたが、適正は最高だそうです。

ジャン・幸田
SF
 銀河系の星間国家連合の保護下に入った地球社会の時代。高校卒業を控えた青砥朱音は就職指導室に貼られていたポスターが目に入った。  それは、地球人の身体と機械服を融合させた戦闘員の募集だった。そんなの優秀な者しか選ばれないとの進路指導官の声を無視し応募したところ、トントン拍子に話が進み・・・  思い付きで人生を変えてしまった一人の少女の物語である!  

俺の名前『にゅめょりと』が変だとして、勇者パーティーから追放された。魔王がすぐそこまで来てるんですが…?

宮富タマジ
ファンタジー
「お前は名前が変だから追放する!」 勇者パーティのガルディアスが 勇者の『にゅめょりと』を睨みながら言った。 『にゅめょりと』は驚いて叫ぶ。 「え? なんで? 俺は勇者なのに?」 「お前の『にゅめょりと』って名前 変だし呼びにくいんだよ お前の名前 どう読めばいいか分からん!」 「そ、そんな…… 名前で追放なんて 理不尽じゃないか?」 「理不尽じゃないよ 戦闘中とか呼びづらくて困るんだよ」 「……」 「それに、みんな、お前の名前が嫌いなんだよ」 「え?」 「名前がひらがなでかっこ悪い お前の名前を呼ぶとき こっちが恥ずかしくなるんだ」 「い、言い方、ひどくないか……」

【短編集】恋愛のもつれで物に変えられた男女の運命は!?

ジャン・幸田
恋愛
 短編のうち、なんらかの事情で人形などに変化させられてしまう目に遭遇した者たちの運命とは!?  作品の中にはハッピーエンドになる場合とバットエンドになる場合があります。  人を人形にしたりするなど状態変化する作品に嫌悪感を持つ人は閲覧を回避してください。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

めでたく婚約破棄で教会を追放されたので、神聖魔法に続いて魔法学校で錬金魔法も極めます。……やっぱりバカ王子は要らない? 返品はお断りします!

向原 行人
ファンタジー
教会の代表ともいえる聖女ソフィア――つまり私は、第五王子から婚約破棄を言い渡され、教会から追放されてしまった。 話を聞くと、侍祭のシャルロットの事が好きになったからだとか。 シャルロット……よくやってくれたわ! 貴女は知らないかもしれないけれど、その王子は、一言で表すと……バカよ。 これで、王子や教会から解放されて、私は自由! 慰謝料として沢山お金を貰ったし、魔法学校で錬金魔法でも勉強しようかな。 聖女として神聖魔法を極めたし、錬金魔法もいけるでしょ! ……え? 王族になれると思ったから王子にアプローチしたけど、思っていた以上にバカだから無理? ふふっ、今更返品は出来ませーん! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

転生したのに何も出来ないから、、喫茶店を開いてみた

k
ファンタジー
新島 仁 30歳 俺には昔から小さな夢がある まずはお金を貯めないと何も出来ないので高校を出て就職をした グレーな企業で気付けば10年越え、ベテランサラリーマンだ そりゃあ何度も、何度だって辞めようと思ったさ けど、ここまでいると慣れるし多少役職が付く それに世論や社会の中身だって分かって来るモノであって、そう簡単にもいかない訳で、、 久しぶりの連休前に友人達と居酒屋でバカ騒ぎをしていた ハズ、だったのだが   記憶が無い 見た事の無い物体に襲われ 鬼に救われ 所謂異世界転生の中、まずはチート能力を探す一般人の物語である。 本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい。

処理中です...