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第1章 呪われた村

3 万物創生スキル3

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「えっ、あれ……?」

 ミルの姿はない。

 天界とやらに行ってしまったんだろうか。
 いろんなことが一度に起きて、まだ頭の中の整理が追いついていなかった。

「『万物創生スキル』……か」

 周囲には紫色をした不気味な霧が漂っていた。
 おどろおどろしい雰囲気は、楽園には程遠い気がするぞ。
 と、

「きゃぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 悲鳴が聞こえてきた。

「平穏で幸せな生活……とは程遠いような気がするぞ、神様ミル……」

 俺はため息をつく。

 が、放っておくわけにもいかない。
 助けに行かないと──。

 俺はその場に向かった。
 全長十メートルくらいの巨人が、女の子に襲いかかろうとしている。

「だめ、逃げて!」

 彼女は俺を見て、言った。

 自分だってモンスターに食われそうだっていうのに。
 他人を先に逃がそうと──。

「俺をオトリにしたあいつらとは大違いだな……」

 だったら、なおさら見捨てられない。

 見た感じ、あのモンスターは少なくともBランクくらいはありそうだ。
 Fランクの俺じゃ、どうあがいても太刀打ちできない。

「そうだ、このスキルなら──」

 万物創生スキル。

 どうやって使えばいいんだろう、と考えると頭の中に説明が浮かんだ。



『使い方:善行点ポイントと引き換えに、あらゆるものを生み出せる』



「あらゆるもの……って、何を生み出せばいいんだろ」

 剣を出したところで、俺の腕じゃどうにもならない。
 モンスターが棍棒を振り上げ、女の子を叩き潰そうとする。

「と、とにかく、あいつをぶっ飛ばすものを!」

 俺は夢中で叫んだ。

 ごうんっ!

 爆音。
 同時に、モンスターが粉々に吹き飛んだ。

「えっ……!?」

 呆然と辺りを見回す。
 モンスターがいた場所に、輝く槍が突き刺さっていた。



 創生ランク  :5
 創生物名称  :聖槍グングニール
 消費ポイント :50000
 現在のポイント:70000→20000


 空中にそんな文字が現れた。
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