27 / 87
第五章 まだまだ転
及ばぬ鯉の滝登り
しおりを挟む
八島さんは私の前で片膝をつき、無造作に玉手箱を畳の上に置くと、私の顔を下からのぞきこんできた。
「ずいぶん怖い思いをさせてしまいましたね。申し訳ございません」
右手をとられ、握られる。温かな、確かな感触に、心に急に何かがこみあげてくる。私はその手を、ぎゅっと握り返した。
……そう。本当に、本当に、怖かったのだ。八島さんが怪我したらどうしようって。……死んじゃったら、どうしようって……。
「ごめんなさい。勝手に、玉手箱を開けてしまって」
途中で涙声になってしまい、口を噤んだ。うつむいて瞬きを繰りかえす。おかげで涙はこぼれなかったけれど、そのかわりに鼻に全部流れ込んでしまったみたいで、息が苦しくなった。私はみっともなく何度もずるずると鼻をすすった。
「あのような場所に置いておいた私の落ち度です」
横に首を振った。無責任な好奇心で、彼を危ない目に合わせてしまったのは私だ。でも、今は言葉にしたら、嗚咽になってしまいそうだった。
そういえば、と、握って握られている彼の左手を、指先だけに握りなおして開かせる。持ち上げて、もう片方の手で掌をなでて、しっかり確かめる。どこも切れていない。皮膚の一枚すら。赤い線もついていない。私は大きく息をついた。
「よかった」
それと一緒に、ぱたりと涙が畳に落ちた。いけない。安心したら、ゆるんでしまった。謝らなければならないのは私の方なのに。泣いたりなんかしたら、八島さんは全力で慰めてくれようとするのに。
私は彼の手を離して、あわてて目元をぐいとこすった。
「そのようにされたら、痛くなってしまわれますよ」
八島さんは、さっとハンカチを取り出して、そっと目元に押しあててくれた。その気遣いと優しさに、よけいに泣けてくる。
おかげで、とうとう目と鼻が決壊した。いっぺんに、ぶわっといろんなものがあふれだしてきて。
「うぅぅぅぅぅ~」
私は目元を押さえてくれている上からハンカチを押さえつけ、目と鼻に押しつけた。けれど、泣き声だけは唇を噛んで押し殺した。それが、不甲斐ない涙に対する精一杯の抵抗だった。
「千世様」
甘やかに名を呼ばれて、かすかな衣擦れの音が耳に届く。上半身全体が温かいものに包まれて、馴染みの感覚に抱きしめられたのだと知れた。大きな手が、慰めるように穏やかに後頭部をなでてくれる。
「はやく申し上げておけばよかったですね。ご心配にはおよばないのです。支配地のものは、上位に位置する支配者を、けっして傷つけることはできません。布津御霊も例外ではありません」
なんだ、そうだったのか、と少しだけほっとした心持ちになった。なにも危ないことなどなかった。そう思ったら、ようやく彼の体温が体に染み入ってきた。
それでも、泣いているせいだけでなく、顔を上げることはできなかった。だって、合わせる顔がないよ。
馬鹿なことやらかして、自分では収拾できなくて、呼びつけて助けてもらった上に、ろくに謝ることもできずに、グズグズ泣いている。大人だとかご主人様だとか言う前に、人として駄目すぎる。
「千世様。どうかご自分を責められないでください。あなたのために、私がいるのです。あれほどに一心に呼ばれて、どれほど私が嬉しかったか、おわかりになりますか?」
頭をなでていた手が、滑り降りてきて頬を包みこんだ。あたたかい。
「千世様」
呼ばれて、私はハンカチを押し付ける手に力をこめた。とてもではないが、今は人様に見せられる顔じゃない。というか、鼻水が。これを取られたら、したたり落ちる。
「千世様」
八島さんの体が少し動いた気配がして、こめかみに柔らかいものが触れた。ちゅ、と音がして、一拍おき、今度はもうちょっと眦に近い場所に、また柔らかいものが触れる。
「千世様?」
頬に、吐息がかかった。
……ななななななにしてんだろう、この人!?
かーっと胸から熱がのぼってきて、耳まで熱くなる。
ふっと笑ったような息が聞こえて、その声がなんだか妙に色っぽく耳朶から入って首筋をくすぐり、私は反射的に身をすくめた。
「千世様、どうか名を呼んでいただけませんか?」
チセサマ。砂糖でまぶされたような囁きとともに、おでこに唇が降ってくる。一回じゃない。左と真ん中と右と、それからまた名前を囁かれて、ハンカチの上から瞼にも。
ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待ってー!!
なんなの、どうしたの、なにしてるの!?
左右の瞼が終わった後にやってきた鼻の頭の上に、私はパニックに陥った。
そこには大量の鼻水が染み込んでますー!!!
「八島さん!」
一歩後ろに引いて、思わず彼を制止する声をあげた。いや、片腕でがっちり上半身を抱かれているので、足が畳の上を滑っただけだったけれども。
「はい」
ハンカチの上から覗き見れば、至福とでもいいたげな笑みに、心臓がズキューっと引き絞られた。胸から体中に痛苦しい疼きがはしる。
「あなたの笑みを誰にもくれてやりたくなくて、こちらにお連れしましたが、もうあのように私だけを求めて呼んでくださることもなかろうと、諦めていたのです」
え? こっちに来たのは、私が美女になっちゃって、此岸では働けそうになかったからじゃなかったの?
あ、それは私の理由で、八島さんは、
そこまで考えて、その理由とやらの意味に理解が追いついて、私はさっきの比にならないほどの、疼きと熱さにみまわれた。
あなたの笑みを誰にもくれてやりたくないって、どどどどどうして、この執事は、無自覚に女殺しな口説き文句を吐くのかなーーーっ!?
口説いてないって、わかってはいるけどね!
怒るだけマヌケだって、何度も思い知っているけどね!!
それでも何度だってキュン死しそうになるのは、しかたないじゃん、口説かれ慣れてないんだからさー!!
八島さんが笑みを深める。頬に添えられた手に軽く顔を押されて、右に向かされた。何かなと思いながらもおとなしくされるがままにしていたら、左耳に、ごく小さく、くすりと笑う息遣いが聞こえた。
「そんなお可愛らしい顔をなさると」
ぴちゃ、と濡れた音がして、耳たぶがくすぐったくなる。んん!? と肩をすくめたとたん、硬いものにはさまれて、熱く濡れたものがチロチロとはった。
顔をしっかり押さえられていて動かせないので、目だけで確認するけど、やっぱり見えない。でも、私の首筋に顔を埋めている八島さんの耳元は見えて。
まさかね、まさかねええええ!? と思っているうちに、硬いものが角度を変えて当たり、大きく耳の後ろを、……舐められたぁぁっ!?
「あっ」
首筋から背中に、ぞくう、ときて、あ、というか、は、というか、なんだか変に息の抜けた、聞きようによっては悩ましい声が、勝手に口からこぼれでた。びっくりして、自分の口をふさぐ。
それから、どん、と八島さんの胸を叩いた。どん、どん、どん、どん、と何度も。焦燥にかられて。
だって、味見されてる。味見されてるよぉおおおおっ。
「お、おいしくないですよ、私!」
「おいしいですよ」
何言ってる、この人外ーーーーっ!!
「まろやかで、あまやかです」
いやあああああああっ。
「た、食べないで、食べないでぇ……」
うぇぇぇぇぇ、と半泣きになりつつ、言わずにはおれなかった。
「大切な千世様を食べたりいたしません。お約束したではないですか」
うん。したよね、したよね、だけど、言ってることとやってることが違うと思うんだよ、首噛まないで、舐めないでぇぇぇぇっ。
怖いのに、なんだか噛まれているところから変なざわめきが広がって、体にうまく力が入らない。一舐めされるたびに、すう、すう、と力が抜ける。おかげで、押しのけたいはずの八島さんによりかかってすがってる状態で、もう、何がなにやら。
「や、八島さぁんっ」
私はわけがわからなくなって、八島さんを呼んだ。
ただし、呼んでからはっとした。私、馬鹿かもしれない。困った時の八島さん頼みは、時と場合を選ばないと。今呼んでどうするの。
「はい。千世様」
しかし、奇跡的に効いた、らしい。彼が首筋から顔をあげ、私の瞳を覗きこんだのだ。
この好機を逃してはいけない。私は強く思った。彼の意識をそらすモノを、何か、何か言わなきゃ。
「お……」
「お?」
「おやつ食べてお茶飲んでから、お昼寝したいです!」
「かしこまりました」
彼がニコリと笑って、体を立てた。通常運転のその微笑みに、私は心底脱力して、くたくたとへたり……こむつもりが、引き寄せられて支えられるままに、彼の胸元によりかかった。
「ずいぶん怖い思いをさせてしまいましたね。申し訳ございません」
右手をとられ、握られる。温かな、確かな感触に、心に急に何かがこみあげてくる。私はその手を、ぎゅっと握り返した。
……そう。本当に、本当に、怖かったのだ。八島さんが怪我したらどうしようって。……死んじゃったら、どうしようって……。
「ごめんなさい。勝手に、玉手箱を開けてしまって」
途中で涙声になってしまい、口を噤んだ。うつむいて瞬きを繰りかえす。おかげで涙はこぼれなかったけれど、そのかわりに鼻に全部流れ込んでしまったみたいで、息が苦しくなった。私はみっともなく何度もずるずると鼻をすすった。
「あのような場所に置いておいた私の落ち度です」
横に首を振った。無責任な好奇心で、彼を危ない目に合わせてしまったのは私だ。でも、今は言葉にしたら、嗚咽になってしまいそうだった。
そういえば、と、握って握られている彼の左手を、指先だけに握りなおして開かせる。持ち上げて、もう片方の手で掌をなでて、しっかり確かめる。どこも切れていない。皮膚の一枚すら。赤い線もついていない。私は大きく息をついた。
「よかった」
それと一緒に、ぱたりと涙が畳に落ちた。いけない。安心したら、ゆるんでしまった。謝らなければならないのは私の方なのに。泣いたりなんかしたら、八島さんは全力で慰めてくれようとするのに。
私は彼の手を離して、あわてて目元をぐいとこすった。
「そのようにされたら、痛くなってしまわれますよ」
八島さんは、さっとハンカチを取り出して、そっと目元に押しあててくれた。その気遣いと優しさに、よけいに泣けてくる。
おかげで、とうとう目と鼻が決壊した。いっぺんに、ぶわっといろんなものがあふれだしてきて。
「うぅぅぅぅぅ~」
私は目元を押さえてくれている上からハンカチを押さえつけ、目と鼻に押しつけた。けれど、泣き声だけは唇を噛んで押し殺した。それが、不甲斐ない涙に対する精一杯の抵抗だった。
「千世様」
甘やかに名を呼ばれて、かすかな衣擦れの音が耳に届く。上半身全体が温かいものに包まれて、馴染みの感覚に抱きしめられたのだと知れた。大きな手が、慰めるように穏やかに後頭部をなでてくれる。
「はやく申し上げておけばよかったですね。ご心配にはおよばないのです。支配地のものは、上位に位置する支配者を、けっして傷つけることはできません。布津御霊も例外ではありません」
なんだ、そうだったのか、と少しだけほっとした心持ちになった。なにも危ないことなどなかった。そう思ったら、ようやく彼の体温が体に染み入ってきた。
それでも、泣いているせいだけでなく、顔を上げることはできなかった。だって、合わせる顔がないよ。
馬鹿なことやらかして、自分では収拾できなくて、呼びつけて助けてもらった上に、ろくに謝ることもできずに、グズグズ泣いている。大人だとかご主人様だとか言う前に、人として駄目すぎる。
「千世様。どうかご自分を責められないでください。あなたのために、私がいるのです。あれほどに一心に呼ばれて、どれほど私が嬉しかったか、おわかりになりますか?」
頭をなでていた手が、滑り降りてきて頬を包みこんだ。あたたかい。
「千世様」
呼ばれて、私はハンカチを押し付ける手に力をこめた。とてもではないが、今は人様に見せられる顔じゃない。というか、鼻水が。これを取られたら、したたり落ちる。
「千世様」
八島さんの体が少し動いた気配がして、こめかみに柔らかいものが触れた。ちゅ、と音がして、一拍おき、今度はもうちょっと眦に近い場所に、また柔らかいものが触れる。
「千世様?」
頬に、吐息がかかった。
……ななななななにしてんだろう、この人!?
かーっと胸から熱がのぼってきて、耳まで熱くなる。
ふっと笑ったような息が聞こえて、その声がなんだか妙に色っぽく耳朶から入って首筋をくすぐり、私は反射的に身をすくめた。
「千世様、どうか名を呼んでいただけませんか?」
チセサマ。砂糖でまぶされたような囁きとともに、おでこに唇が降ってくる。一回じゃない。左と真ん中と右と、それからまた名前を囁かれて、ハンカチの上から瞼にも。
ちょっと待って、ちょっと待って、ちょっと待ってー!!
なんなの、どうしたの、なにしてるの!?
左右の瞼が終わった後にやってきた鼻の頭の上に、私はパニックに陥った。
そこには大量の鼻水が染み込んでますー!!!
「八島さん!」
一歩後ろに引いて、思わず彼を制止する声をあげた。いや、片腕でがっちり上半身を抱かれているので、足が畳の上を滑っただけだったけれども。
「はい」
ハンカチの上から覗き見れば、至福とでもいいたげな笑みに、心臓がズキューっと引き絞られた。胸から体中に痛苦しい疼きがはしる。
「あなたの笑みを誰にもくれてやりたくなくて、こちらにお連れしましたが、もうあのように私だけを求めて呼んでくださることもなかろうと、諦めていたのです」
え? こっちに来たのは、私が美女になっちゃって、此岸では働けそうになかったからじゃなかったの?
あ、それは私の理由で、八島さんは、
そこまで考えて、その理由とやらの意味に理解が追いついて、私はさっきの比にならないほどの、疼きと熱さにみまわれた。
あなたの笑みを誰にもくれてやりたくないって、どどどどどうして、この執事は、無自覚に女殺しな口説き文句を吐くのかなーーーっ!?
口説いてないって、わかってはいるけどね!
怒るだけマヌケだって、何度も思い知っているけどね!!
それでも何度だってキュン死しそうになるのは、しかたないじゃん、口説かれ慣れてないんだからさー!!
八島さんが笑みを深める。頬に添えられた手に軽く顔を押されて、右に向かされた。何かなと思いながらもおとなしくされるがままにしていたら、左耳に、ごく小さく、くすりと笑う息遣いが聞こえた。
「そんなお可愛らしい顔をなさると」
ぴちゃ、と濡れた音がして、耳たぶがくすぐったくなる。んん!? と肩をすくめたとたん、硬いものにはさまれて、熱く濡れたものがチロチロとはった。
顔をしっかり押さえられていて動かせないので、目だけで確認するけど、やっぱり見えない。でも、私の首筋に顔を埋めている八島さんの耳元は見えて。
まさかね、まさかねええええ!? と思っているうちに、硬いものが角度を変えて当たり、大きく耳の後ろを、……舐められたぁぁっ!?
「あっ」
首筋から背中に、ぞくう、ときて、あ、というか、は、というか、なんだか変に息の抜けた、聞きようによっては悩ましい声が、勝手に口からこぼれでた。びっくりして、自分の口をふさぐ。
それから、どん、と八島さんの胸を叩いた。どん、どん、どん、どん、と何度も。焦燥にかられて。
だって、味見されてる。味見されてるよぉおおおおっ。
「お、おいしくないですよ、私!」
「おいしいですよ」
何言ってる、この人外ーーーーっ!!
「まろやかで、あまやかです」
いやあああああああっ。
「た、食べないで、食べないでぇ……」
うぇぇぇぇぇ、と半泣きになりつつ、言わずにはおれなかった。
「大切な千世様を食べたりいたしません。お約束したではないですか」
うん。したよね、したよね、だけど、言ってることとやってることが違うと思うんだよ、首噛まないで、舐めないでぇぇぇぇっ。
怖いのに、なんだか噛まれているところから変なざわめきが広がって、体にうまく力が入らない。一舐めされるたびに、すう、すう、と力が抜ける。おかげで、押しのけたいはずの八島さんによりかかってすがってる状態で、もう、何がなにやら。
「や、八島さぁんっ」
私はわけがわからなくなって、八島さんを呼んだ。
ただし、呼んでからはっとした。私、馬鹿かもしれない。困った時の八島さん頼みは、時と場合を選ばないと。今呼んでどうするの。
「はい。千世様」
しかし、奇跡的に効いた、らしい。彼が首筋から顔をあげ、私の瞳を覗きこんだのだ。
この好機を逃してはいけない。私は強く思った。彼の意識をそらすモノを、何か、何か言わなきゃ。
「お……」
「お?」
「おやつ食べてお茶飲んでから、お昼寝したいです!」
「かしこまりました」
彼がニコリと笑って、体を立てた。通常運転のその微笑みに、私は心底脱力して、くたくたとへたり……こむつもりが、引き寄せられて支えられるままに、彼の胸元によりかかった。
0
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
なし崩しの夜
春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。
さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。
彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。
信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。
つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる