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第十一章 解呪
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風呂は大きなものだった。広い湯船と洗い場があり、ジェナスと一緒でもよいかと伺いをたてられた。
実はソランは嫌だった。ジェナスもマリーもたわわな胸をしている。それはもう柔らかそうで、食べたらおいしそうなのだ。赤ちゃんのお尻やほっぺたもよくそう思うのだが、殿下にあれこれ触れられてからはそれに別の意味が付け加わって、人の体を見るのも、見られるのも、何だかものすごく恥ずかしくなってしまっていた。
けれど、ジェナスを待たせるのは心苦しい。それで了承をしたのだが、他人を気にしている余裕はすぐになくなった。マリーの指揮下、三人がかりで体中を丹念に洗われたのだ。
まずはきめ細かくよく泡立てられた石鹸で優しく隅から隅まで撫でるように洗われ、次に頭皮と髪にたっぷりとオイルを塗られてタオルでまとめ、湯船に入った。
汗が出て暑くて堪らないと訴えると、冷たい飲み物をあてがわれたが、出ることは許されなかった。これ以上は我慢できないというところでやっと洗い場に上がると、今度は念入りに髪を洗われ、そしてそれがすむと、痛いと悲鳴をあげるほど体中をこすられた。
ソランはほとんど泣いていた。あまりの痛みに生理的に涙が滲むのと、羞恥心を許さない容赦ない仕打ちのせいだ。
風呂場から出たら出たで、次はよく暖められた部屋で体中にオイルを塗られた。それで嫌だと言っているのに、全身をマッサージされたのだ。
もう一度洗い流し、化粧水を叩き込まれ、髪を梳られ、爪を整えて磨かれ。軽い化粧に、裾の長いドレスと殿下に贈られた真珠の装身具とを身に着け。
すべてが終わった頃には、ソランは疲れきって魂が抜けたようになっていた。
「ソラン様、呆けてないで、しゃんとなさってください」
マリーはあれだけのことをしておいて、まだ満足していないようだった。
「気高く美しい国一番の淑女としてふるまってください」
淑女。淑女なんぞ、くそくらえだった。ソランには一番向いてないものだ。
「マリー、現実を見ましょうよ。どんなにやらせても、魚は逆立ちできないでしょう?」
キエラで覚えてきた無理な事の例えである。
「ソラン様に必要ならば、私は魚にだって逆立ちさせます」
マリーは胸を張って言った。ソランは泣きたくなった。そう言われると、マリーならやりかねない気がした。つまりは、ソランもマリーの意気込みからは逃げられそうになかった。
長椅子の背に寄りかかって、さらにぐったりとしたソランに、マリーは拳を握って主張した。
「だって、悔しいったらないじゃないですかっ。ソラン様ほどの美女も淑女もいないのに、熊か猪の化身みたいに言われてっ。私っ、私には、我慢できませんっ」
何の話かわからず、でも、係わり合いにならない方がよさそうな話題だと見当をつけて、聞き流して目をそらした。それでもマリーの主張は止まらなかった。
「クアッド殿の剣を折ったからって、あのゴツイオヤジよりゴツイと思われているんですよっ。殿下は女性に興味がなかったから、さぞ女性離れした容姿だろうって」
「それはその通りでしょう」
ソランは溜息混じりに呟いた。淑女とは様々なテクニックの権化だ。それが息をするのと同じようにできてこそ本物の淑女なのであり、ソランなど素では話にならないレベルだ。気を抜けば、すぐに女性らしくない仕草が出てしまう。そうすればどうしたって女装にしか見えないだろう。
「まだそんなことを言っているんですか!?」
マリーは足音高く部屋の隅に行くと、手鏡を持ってやってきた。
「見なさい! これがあなたよ!」
手鏡をつきつけられ、ソランは仕方なくそれに目をやった。憂い顔のなんとも言えない色っぽい美女がこちらを見つめ返していた。素直に感心して褒める。
「また化粧のテクニックが上がったね」
「違うでしょう! 化粧は少し色を添えただけ! ほとんどスッピンなのよ、これは! 私のソランは綺麗なの! 美の神リエンナも裸足で逃げ出す美女なのに!」
突然、わっと泣きだす。私のソランなのにぃっ。あのムッツリスケベ、私のソランに何しやがったぁぁぁっ。ぐすぐすと鼻を啜る合間に吐き出された言葉は、要約すると、そういうことらしかった。
なんだかよくわからなかったが、殿下に対抗心を燃やしているらしい。それはいつものことなので、特に気にすることもなく、体を起こして、いずまいを整えた。
「私に関する噂がいろいろ出ているようですね。どこでどんなものが出回っているのか、報告してちょうだい」
マリーは鼻をかんでからソランの傍に跪いた。それへと耳を傾けるようにすると、小声で話しはじめる。
「主に王都での噂です。ここは王都からの旅行客が多いので、先程のような騒ぎになったと思われます。ただ、噂の伝播にはクレアの商人だけでなく、神殿も関わっているようですので、国内に波及するのは時間の問題だと思われます」
「ええ。それで?」
「大筋では、エランサの侵攻に第二王子とその婚約者が逸(いち)早(はや)く駆けつけ、追い払ったというものです。その中で、ソラン様の軍功が大きく取り上げられています。先程も申し上げましたとおり、一人で千人の敵を薙ぎ払ったと。また、百人の乙女を助け出したとも。そこから人物像が想像されて、殿下のそれまでの所業や、ソラン様が男装をなさっていたこと、視察で殿下をお救い申し上げたり、クアッド殿と手合わせした時の状況などから、熊や猪の化身のような語りようで」
そこでマリーは涙声になり、鼻を啜りあげた。
「王都は第二王子の凱旋を待つ人たちであふれています。王都を訪れた者は噂を聞いて、所用をすませても帰らずに、噂をその目で確かめようと待っているのです」
ソランは身を起こして、マリーを見つめた。
「熊も猪も素手で倒したことがあるのは知ってるでしょう? 美味しくいただいたじゃないの」
「そういう問題じゃ、ありませんっ」
冗談に紛らわそうとしたが、失敗したようだ。溜息を吐きつつ、正攻法に出る。
「あのね、虚飾はすぐに剥がれ落ちるものよ。背伸びしたってしかたないでしょう」
「ソラン様がお綺麗なのは、虚飾じゃありません」
「そんなもの、歳をとれば変わるでしょう。それに、為してもいない軍功を誇ることもできません。王都へ帰る時は、軍服にしてちょうだい。私は目立つ必要はありません。今回の指揮を執られたのは殿下で、私はその命に従っただけです。軍に所属する以上、当然のことです」
マリーは不服気に唇を尖らせた。恨みがましい目で見上げてくる。
「お願いね、マリー」
マリーの好きな笑顔でにっこりとしてみせると、なんとも複雑そうに眉を顰めて、不承不承、わかりました、と答えたのだった。
実はソランは嫌だった。ジェナスもマリーもたわわな胸をしている。それはもう柔らかそうで、食べたらおいしそうなのだ。赤ちゃんのお尻やほっぺたもよくそう思うのだが、殿下にあれこれ触れられてからはそれに別の意味が付け加わって、人の体を見るのも、見られるのも、何だかものすごく恥ずかしくなってしまっていた。
けれど、ジェナスを待たせるのは心苦しい。それで了承をしたのだが、他人を気にしている余裕はすぐになくなった。マリーの指揮下、三人がかりで体中を丹念に洗われたのだ。
まずはきめ細かくよく泡立てられた石鹸で優しく隅から隅まで撫でるように洗われ、次に頭皮と髪にたっぷりとオイルを塗られてタオルでまとめ、湯船に入った。
汗が出て暑くて堪らないと訴えると、冷たい飲み物をあてがわれたが、出ることは許されなかった。これ以上は我慢できないというところでやっと洗い場に上がると、今度は念入りに髪を洗われ、そしてそれがすむと、痛いと悲鳴をあげるほど体中をこすられた。
ソランはほとんど泣いていた。あまりの痛みに生理的に涙が滲むのと、羞恥心を許さない容赦ない仕打ちのせいだ。
風呂場から出たら出たで、次はよく暖められた部屋で体中にオイルを塗られた。それで嫌だと言っているのに、全身をマッサージされたのだ。
もう一度洗い流し、化粧水を叩き込まれ、髪を梳られ、爪を整えて磨かれ。軽い化粧に、裾の長いドレスと殿下に贈られた真珠の装身具とを身に着け。
すべてが終わった頃には、ソランは疲れきって魂が抜けたようになっていた。
「ソラン様、呆けてないで、しゃんとなさってください」
マリーはあれだけのことをしておいて、まだ満足していないようだった。
「気高く美しい国一番の淑女としてふるまってください」
淑女。淑女なんぞ、くそくらえだった。ソランには一番向いてないものだ。
「マリー、現実を見ましょうよ。どんなにやらせても、魚は逆立ちできないでしょう?」
キエラで覚えてきた無理な事の例えである。
「ソラン様に必要ならば、私は魚にだって逆立ちさせます」
マリーは胸を張って言った。ソランは泣きたくなった。そう言われると、マリーならやりかねない気がした。つまりは、ソランもマリーの意気込みからは逃げられそうになかった。
長椅子の背に寄りかかって、さらにぐったりとしたソランに、マリーは拳を握って主張した。
「だって、悔しいったらないじゃないですかっ。ソラン様ほどの美女も淑女もいないのに、熊か猪の化身みたいに言われてっ。私っ、私には、我慢できませんっ」
何の話かわからず、でも、係わり合いにならない方がよさそうな話題だと見当をつけて、聞き流して目をそらした。それでもマリーの主張は止まらなかった。
「クアッド殿の剣を折ったからって、あのゴツイオヤジよりゴツイと思われているんですよっ。殿下は女性に興味がなかったから、さぞ女性離れした容姿だろうって」
「それはその通りでしょう」
ソランは溜息混じりに呟いた。淑女とは様々なテクニックの権化だ。それが息をするのと同じようにできてこそ本物の淑女なのであり、ソランなど素では話にならないレベルだ。気を抜けば、すぐに女性らしくない仕草が出てしまう。そうすればどうしたって女装にしか見えないだろう。
「まだそんなことを言っているんですか!?」
マリーは足音高く部屋の隅に行くと、手鏡を持ってやってきた。
「見なさい! これがあなたよ!」
手鏡をつきつけられ、ソランは仕方なくそれに目をやった。憂い顔のなんとも言えない色っぽい美女がこちらを見つめ返していた。素直に感心して褒める。
「また化粧のテクニックが上がったね」
「違うでしょう! 化粧は少し色を添えただけ! ほとんどスッピンなのよ、これは! 私のソランは綺麗なの! 美の神リエンナも裸足で逃げ出す美女なのに!」
突然、わっと泣きだす。私のソランなのにぃっ。あのムッツリスケベ、私のソランに何しやがったぁぁぁっ。ぐすぐすと鼻を啜る合間に吐き出された言葉は、要約すると、そういうことらしかった。
なんだかよくわからなかったが、殿下に対抗心を燃やしているらしい。それはいつものことなので、特に気にすることもなく、体を起こして、いずまいを整えた。
「私に関する噂がいろいろ出ているようですね。どこでどんなものが出回っているのか、報告してちょうだい」
マリーは鼻をかんでからソランの傍に跪いた。それへと耳を傾けるようにすると、小声で話しはじめる。
「主に王都での噂です。ここは王都からの旅行客が多いので、先程のような騒ぎになったと思われます。ただ、噂の伝播にはクレアの商人だけでなく、神殿も関わっているようですので、国内に波及するのは時間の問題だと思われます」
「ええ。それで?」
「大筋では、エランサの侵攻に第二王子とその婚約者が逸(いち)早(はや)く駆けつけ、追い払ったというものです。その中で、ソラン様の軍功が大きく取り上げられています。先程も申し上げましたとおり、一人で千人の敵を薙ぎ払ったと。また、百人の乙女を助け出したとも。そこから人物像が想像されて、殿下のそれまでの所業や、ソラン様が男装をなさっていたこと、視察で殿下をお救い申し上げたり、クアッド殿と手合わせした時の状況などから、熊や猪の化身のような語りようで」
そこでマリーは涙声になり、鼻を啜りあげた。
「王都は第二王子の凱旋を待つ人たちであふれています。王都を訪れた者は噂を聞いて、所用をすませても帰らずに、噂をその目で確かめようと待っているのです」
ソランは身を起こして、マリーを見つめた。
「熊も猪も素手で倒したことがあるのは知ってるでしょう? 美味しくいただいたじゃないの」
「そういう問題じゃ、ありませんっ」
冗談に紛らわそうとしたが、失敗したようだ。溜息を吐きつつ、正攻法に出る。
「あのね、虚飾はすぐに剥がれ落ちるものよ。背伸びしたってしかたないでしょう」
「ソラン様がお綺麗なのは、虚飾じゃありません」
「そんなもの、歳をとれば変わるでしょう。それに、為してもいない軍功を誇ることもできません。王都へ帰る時は、軍服にしてちょうだい。私は目立つ必要はありません。今回の指揮を執られたのは殿下で、私はその命に従っただけです。軍に所属する以上、当然のことです」
マリーは不服気に唇を尖らせた。恨みがましい目で見上げてくる。
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