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第十章 バートリエ事変
閑話 地上の星
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空気のいいとは言えない船内から甲板に出て、イアルは夜空を見上げていた。慣れたと思った潮の匂いが鼻をつき、なんだかずいぶん遠くに来た気がした。領地があるはずの方へと視線を下ろせば、長い桟橋の向こう、陸地には篝火がいくつも見え、これほど人がいることにも違和感を覚える。
北方のど僻地の小さな領地。領民はハレイ山脈の手前にある小さな台地に、しがみつくようにして暮らしている。住民全員が知り合いで、家族のようなものだ。貧しく厳しい暮らしだが、平凡な日常を幸せだと思える、そんな所だ。
領民は日々、女神マイラの恩寵に感謝し、女神と世界を救い給うた神に報いんがため、ジェナスの後裔たる神官を守り、祈りを捧げる。代々の神官もまた、領地と領民を愛し、善政を布いてきた。
十数年前までその存在さえ知られていなかった人々。
……ソランは、そう信じている。先祖が本当に盗賊をしていたと思っている。
けれどそれは、事実ではあっても真実ではない。それをソランは知らない。
前御領主は、言っても言わなくてもイアルの好きにしていいと仰った。今更である、と。確かに今となってはどうでもいいことである。聞いたところで何も変わらない真実など、覚えているだけでも鬱陶しい。そんな思いをソランにさせる必要はないと思っていた。
王都アティアナが築かれた時から、ジェナシス領の人間が女神の神託に従い、英雄の君の血筋たるウィシュタリア王家の敵となりうる者を、陰で屠ってきたなど、ジェナスとウィシュタリアの血が一つとなろうとしている今では。
「寒いねえ」
ディーの声がして、イアルはそちらへ顔を向けた。
「飲む?」
酒瓶を振られるが、いいえ、と答える。
「ありがとうございます。でも、任務中なので」
「そう言うと思った。腕が立つ人は大変だよね」
気にした風もなく、ディーは一人で酒に口を付けた。
イアルは領地を出てから、酒は一滴たりとも飲んでいない。飲む気になれない。何かがあった時に、酔っていたからでは悔やんでも悔やみきれないからだ。
マリーと約束したからだけではない。イアル自身がそうせずにはいられないのだ。マリーと出会えなかったら、これが恋だと勘違いしていたに違いないだろうくらいには、ソランに対して愛情も執着もある。不毛なことにならなくてよかったと、心底思う。
他に運命の相手がいるとわかっている女になんて、恋などしたいわけがない。
「ねえ、どうしてごねなかったの? 一言もなかったよね?」
手すりに寄りかかってイアルとは反対側を向き、気楽に尋ねてきた。これがディーのスタイルだとわかっている。冗談から深刻な話まで、全部がこの調子だ。
これはどういうつもりなのだろうかと考える。純粋な好奇心か、黙って別の手を打つなという牽制か、それとも探りを入れているのか。なんにしても、今回は気楽だった。ない腹など探られようもないのだから。
彼は味方である。腹の探り合いなどしても仕方ないので、他意のないことをわかってもらうのは、こちらの務めだろう。イアルはしばらく考えて、口を開いた。
「領地で地滑りが起きたことがあって、領民が生き埋めになりました」
「ん? うん、それで?」
突然変えた話題にも、聞き上手の彼は、ソツなく相槌を打ってくる。イアルはちらちらと瞬く篝火を見ながら、当時のことを思い出す。
「現場に駆けつけ、皆で土を取り除いているうちに、ぽっかりと穴が現れたんです。土の雪崩れ込んだ所は、木や下生えの多いところで、そういうのが覆いになって、その下に空間ができていました。それで呼び掛けると、奥の方から声が聞こえて、生存者がいるのがわかったんです」
「うん」
「ところがその穴は小さく、とても大人が入れる大きさではありませんでした。その上、それ以上掘り進めようとすると、雪崩れた土だから崩れ落ちてくるんです。そうかといって土を全部取り除いていれば、どのくらいかかるかわからない。中の者は足が挟まれて動けないし感覚もないという。時間がかかれば命は助かっても、足を失う覚悟をしなければなりませんでした。実際、父は、ああ、当時、私の父は領主代行をしていたのですが、周囲から慎重に取り除いていくように指示しました。けれどソランは」
うっかり思い出の中の通りに呼び捨ててしまったの気づき、思わず口を噤む。それにディーは無言で肩をすくめてみせた。堅苦しい話をしているわけではない。まあいいか、と思い直し、続きを話す。
「自分なら中に入れると言いだしました。まだ十一歳でしたし、背が伸びはじめる前で、小さかったんです。皆は外から掘り進めてくれ、と、自分は中で彼の足を掘り出してみようと言いました」
「止めたんでしょ?」
「いいえ」
ディーは目の高さに酒瓶を持ち上げ、ちゃぷちゃぷと音を立てて振った。ははっと笑う。
「ソラン様に甘いとは聞いていたけど、それほどとは! 呆れたね!」
皮肉なのか、本当に面白がっているだけなのか、イアルには見当がつかなかった。どちらでもかまわなかった。そこにいたイアルですらそう思うのだから。それでも、
「止められなかったんです。私たちには逆らえなかった」
「十一歳の子供に?」
「ええ」
「次期領主なのに? 危険な目にあわせるとわかっていて?」
「そうです」
あはははは。
星が無数に瞬く夜空に、ディーの笑い声が吸いこまれていく。
「今回も同じなんだ?」
どこか実感のこもった声で聞いてくる。
そう、同じ目をしている。イアルたちには見えない何かを見据えて、確信を持っている目。行くべき道が、やるべきことが見えているかのような。いや、ような、ではなく見えているのだろう。だから、本当はそれほど心配もしていない。
ソランが囮として、バートリエ内の男たちに一人で決闘を申し込むのだと決まっても。たぶん、それがあるべき道なのだ。
「あー、やだやだ。心臓に悪い主なんぞ、持ちたくないよねえ。胃に穴があくのが先か、禿げるのが先か、まったく、嫌になっちゃうよねえ」
それほど深刻そうでもなく、ぼやいている。それが嫌なら、臣従などしなければいいだけの話だからだ。ディーもイアルも、己の好きで彼らを主と仰いでいる。それどころか、出会えたことに感謝すらしている。誰にも文句は言えないのだ。
「まあ、わかったよ。ソラン様がああなったときは、逆らうべきじゃないわけね。覚えとくよ」
そして右手を差し出してくる。
「これから長い付き合いになるから。改めて、よろしく」
殿下の副官とその妃の副官。確かに二人は、巻き込まれ度合いが同じになるだろう。
イアルは素直にディーの手を握った。お互いにどちらからともなく軽く振りあう。
「こちらこそよろしくお願いします」
ふと、俺たちはあの人たちに巻き込まれて、いったいどこまで行くのだろうと思う。もしかして、エランサを越え、いつかエーランディアまで行くのだろうか。それもいいか、と思う自分の在りように、苦笑が零れた。
ソランの行くところにイアルも行く。それだけの話だ。愛しているマリーと離れているのは我慢できるのに、どうしてソランの傍を離れることは考えられないのか、自分でも全然理解できないのだが。
「いや、まいった、酒ごときじゃこの寒さは凌げないよ。俺はもう中に入るよ」
ディーが身を縮めて寒そうにして言った。
「私はもう少しここにいます」
「そう? じゃ、お先に」
ディーを見送り、再び星空を見上げる。領地でも王都でもここでも、同じ星々を掲げる夜空を。
どこに行こうと、同じ空の下。きっと、彼女の傍に居さえすれば。
星々もそうだと笑っているみたいだった。数え切れないほどたくさんの星が、どれもきれいに瞬いている。あたかも天上が地上を祝福しているように。
イアルは空に向かって白い息を吐き出し、星と一緒になって静かに笑った。
北方のど僻地の小さな領地。領民はハレイ山脈の手前にある小さな台地に、しがみつくようにして暮らしている。住民全員が知り合いで、家族のようなものだ。貧しく厳しい暮らしだが、平凡な日常を幸せだと思える、そんな所だ。
領民は日々、女神マイラの恩寵に感謝し、女神と世界を救い給うた神に報いんがため、ジェナスの後裔たる神官を守り、祈りを捧げる。代々の神官もまた、領地と領民を愛し、善政を布いてきた。
十数年前までその存在さえ知られていなかった人々。
……ソランは、そう信じている。先祖が本当に盗賊をしていたと思っている。
けれどそれは、事実ではあっても真実ではない。それをソランは知らない。
前御領主は、言っても言わなくてもイアルの好きにしていいと仰った。今更である、と。確かに今となってはどうでもいいことである。聞いたところで何も変わらない真実など、覚えているだけでも鬱陶しい。そんな思いをソランにさせる必要はないと思っていた。
王都アティアナが築かれた時から、ジェナシス領の人間が女神の神託に従い、英雄の君の血筋たるウィシュタリア王家の敵となりうる者を、陰で屠ってきたなど、ジェナスとウィシュタリアの血が一つとなろうとしている今では。
「寒いねえ」
ディーの声がして、イアルはそちらへ顔を向けた。
「飲む?」
酒瓶を振られるが、いいえ、と答える。
「ありがとうございます。でも、任務中なので」
「そう言うと思った。腕が立つ人は大変だよね」
気にした風もなく、ディーは一人で酒に口を付けた。
イアルは領地を出てから、酒は一滴たりとも飲んでいない。飲む気になれない。何かがあった時に、酔っていたからでは悔やんでも悔やみきれないからだ。
マリーと約束したからだけではない。イアル自身がそうせずにはいられないのだ。マリーと出会えなかったら、これが恋だと勘違いしていたに違いないだろうくらいには、ソランに対して愛情も執着もある。不毛なことにならなくてよかったと、心底思う。
他に運命の相手がいるとわかっている女になんて、恋などしたいわけがない。
「ねえ、どうしてごねなかったの? 一言もなかったよね?」
手すりに寄りかかってイアルとは反対側を向き、気楽に尋ねてきた。これがディーのスタイルだとわかっている。冗談から深刻な話まで、全部がこの調子だ。
これはどういうつもりなのだろうかと考える。純粋な好奇心か、黙って別の手を打つなという牽制か、それとも探りを入れているのか。なんにしても、今回は気楽だった。ない腹など探られようもないのだから。
彼は味方である。腹の探り合いなどしても仕方ないので、他意のないことをわかってもらうのは、こちらの務めだろう。イアルはしばらく考えて、口を開いた。
「領地で地滑りが起きたことがあって、領民が生き埋めになりました」
「ん? うん、それで?」
突然変えた話題にも、聞き上手の彼は、ソツなく相槌を打ってくる。イアルはちらちらと瞬く篝火を見ながら、当時のことを思い出す。
「現場に駆けつけ、皆で土を取り除いているうちに、ぽっかりと穴が現れたんです。土の雪崩れ込んだ所は、木や下生えの多いところで、そういうのが覆いになって、その下に空間ができていました。それで呼び掛けると、奥の方から声が聞こえて、生存者がいるのがわかったんです」
「うん」
「ところがその穴は小さく、とても大人が入れる大きさではありませんでした。その上、それ以上掘り進めようとすると、雪崩れた土だから崩れ落ちてくるんです。そうかといって土を全部取り除いていれば、どのくらいかかるかわからない。中の者は足が挟まれて動けないし感覚もないという。時間がかかれば命は助かっても、足を失う覚悟をしなければなりませんでした。実際、父は、ああ、当時、私の父は領主代行をしていたのですが、周囲から慎重に取り除いていくように指示しました。けれどソランは」
うっかり思い出の中の通りに呼び捨ててしまったの気づき、思わず口を噤む。それにディーは無言で肩をすくめてみせた。堅苦しい話をしているわけではない。まあいいか、と思い直し、続きを話す。
「自分なら中に入れると言いだしました。まだ十一歳でしたし、背が伸びはじめる前で、小さかったんです。皆は外から掘り進めてくれ、と、自分は中で彼の足を掘り出してみようと言いました」
「止めたんでしょ?」
「いいえ」
ディーは目の高さに酒瓶を持ち上げ、ちゃぷちゃぷと音を立てて振った。ははっと笑う。
「ソラン様に甘いとは聞いていたけど、それほどとは! 呆れたね!」
皮肉なのか、本当に面白がっているだけなのか、イアルには見当がつかなかった。どちらでもかまわなかった。そこにいたイアルですらそう思うのだから。それでも、
「止められなかったんです。私たちには逆らえなかった」
「十一歳の子供に?」
「ええ」
「次期領主なのに? 危険な目にあわせるとわかっていて?」
「そうです」
あはははは。
星が無数に瞬く夜空に、ディーの笑い声が吸いこまれていく。
「今回も同じなんだ?」
どこか実感のこもった声で聞いてくる。
そう、同じ目をしている。イアルたちには見えない何かを見据えて、確信を持っている目。行くべき道が、やるべきことが見えているかのような。いや、ような、ではなく見えているのだろう。だから、本当はそれほど心配もしていない。
ソランが囮として、バートリエ内の男たちに一人で決闘を申し込むのだと決まっても。たぶん、それがあるべき道なのだ。
「あー、やだやだ。心臓に悪い主なんぞ、持ちたくないよねえ。胃に穴があくのが先か、禿げるのが先か、まったく、嫌になっちゃうよねえ」
それほど深刻そうでもなく、ぼやいている。それが嫌なら、臣従などしなければいいだけの話だからだ。ディーもイアルも、己の好きで彼らを主と仰いでいる。それどころか、出会えたことに感謝すらしている。誰にも文句は言えないのだ。
「まあ、わかったよ。ソラン様がああなったときは、逆らうべきじゃないわけね。覚えとくよ」
そして右手を差し出してくる。
「これから長い付き合いになるから。改めて、よろしく」
殿下の副官とその妃の副官。確かに二人は、巻き込まれ度合いが同じになるだろう。
イアルは素直にディーの手を握った。お互いにどちらからともなく軽く振りあう。
「こちらこそよろしくお願いします」
ふと、俺たちはあの人たちに巻き込まれて、いったいどこまで行くのだろうと思う。もしかして、エランサを越え、いつかエーランディアまで行くのだろうか。それもいいか、と思う自分の在りように、苦笑が零れた。
ソランの行くところにイアルも行く。それだけの話だ。愛しているマリーと離れているのは我慢できるのに、どうしてソランの傍を離れることは考えられないのか、自分でも全然理解できないのだが。
「いや、まいった、酒ごときじゃこの寒さは凌げないよ。俺はもう中に入るよ」
ディーが身を縮めて寒そうにして言った。
「私はもう少しここにいます」
「そう? じゃ、お先に」
ディーを見送り、再び星空を見上げる。領地でも王都でもここでも、同じ星々を掲げる夜空を。
どこに行こうと、同じ空の下。きっと、彼女の傍に居さえすれば。
星々もそうだと笑っているみたいだった。数え切れないほどたくさんの星が、どれもきれいに瞬いている。あたかも天上が地上を祝福しているように。
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