9 / 272
第一章 貧乏辺境領ジェナシスにおいて
3-4
しおりを挟む
収穫祭に武闘大会が開かれるのは、英雄の君が将軍位にあったことによる。つまり、領民の祖先は彼の部下であり、全員軍人であったらしい。
弓技、剣技、組み手、乗馬、暗器投げ。このうち剣技の部は実際のところ異種武器戦だ。槍、棒、鎖鎌、斧に鞭等何でもありで、それぞれに名手がいたらしく、家名に関係なく才能のある者に技を受け継いできた。
例えばイアルは両刃の大剣の名手で優勝もしているが、槍の使い手でもある。マリーは組み手も強いが、なんといっても圧巻なのが弓技だ。五十メートル先の甲冑を着せた人形の面覆いの目出し部分を射抜く。
ただし、今年は二人とも出場しない。領外での仕事が決まっている者は、大事を取って出場できない決まりになっているからだ。
ソランもまた、出場したことはない。『守るべき御方に剣は向けられない』せいだ。それでも鍛錬を欠かしたことはなかった。イアルと剣を交えれば五回に四回は勝てる腕前だ。
乗馬も巧い。他もそこそここなす。ただし弓は苦手で、なぜか人型に当てられない。いっそ目をつぶって射った方が当たるという始末だった。
競技は午後三時くらいまで行われ、それぞれの優勝者には、ソランから女神マイラを象ったメダルが与えられた。
人々が衣服の乱れを改め、日が傾きはじめた頃、マリーとイアルの結婚申請がなされた。
マリーの両親には王都の屋敷を守ってもらっているので、残念ながら立ち会わせることができなかったが、二人共に将来は必ず領内でも中心的役割を果たすだろう人物であることは確かで、そういった二人が家庭を持ち身を固めるのを、領民たちが喜ばないわけがない。
イアルの申請で始まり、領主によって承認され、ソランから祝福を与えられると、まわりを囲んだ人々から、どっと歓声があがった。誰彼となく近寄り、新郎の背や腕を叩き、もみくちゃにし、新婦に声をかけては抱擁とキスを贈った。
その後は無礼講だ。用意された料理と酒に舌鼓を打ちながら、交代で音楽を奏で、ダンスを踊る。ソランの前には、例年通り、乙女たちの長蛇の列ができていた。
バイオリンを主役に、いくぶんスローテンポのロマンティックな曲が奏でられはじめ、特設された広場の中央に、イアルがマリーの手を取り進み出ていった。
一度手を離し、お互い優雅に礼をする。イアルの手が差し伸べられ、それにたおやかにマリーの手がのせられると、歩み寄り、踊りはじめたのだった。
ソランはイアルの表情を見て、自分で分量を間違えて作った極甘のクッキーを食べたみたいな心地になった。対するマリーときたら、立場上笑顔を保っているが、鳥肌が立っているようなのがうかがえる。そうは言っても体技に優れた二人のダンスは美しく、曲の終わりとともに衆人の歓呼を得た。
ソランに向かって二人は手を繋いだままやってきた。前まで来たところで膝を折り、深々と礼をする。それからイアルはマリーを導き、ソランの手に渡した。その年結婚したばかりの新婦が、ソランとのダンスの一番手を得るのは、毎年の恒例だった。
「大丈夫、マリー?」
中央に進み出ながら尋ねる。アップテンポの賑やかな曲に切り替えられ、ソランたちだけでなく、老いも若きも大勢のカップルが出てくる。
「なんなのかしら、もう。急にあんな態度ばかり、調子が狂うわ」
本気で困惑している様子なのが微笑ましくて、ソランは笑みを浮かべた。
「まあ、確かに箍が外れてしまっているようだけど、ベタ惚れされてるからね」
マリーが真っ赤になって、ぐっと言葉に詰まる。
「そんなのは、知らないわ」
ソランは小さく声をあげて笑った。
いつから好きだったのかと、ぜんぜん気が付かなかったんだけどと付け加えて、何日か前に、イアルに聞いた。そうしたら、ずいぶん昔からだと答えていた。
三年前、ソランの留学に付いて領地を離れることになった時は、まだ十三歳だったマリーを口説くわけにもいかず、気が気でなかったと。
今のマリーは、まさに花開かんとしている蕾のようだ。初々しく美しく可愛らしい。イアルが躊躇していられなかったのもわかる。
――彼は、この手の中の愛しい花を、どうしても手に入れたかったのだ。
ソランはふいに、イアルの心をなぞるように納得した。
「ああ、なんだか、このままマリーを攫ってしまいたくなったな」
漠然とした焦燥に駆られて囁く。私だけの花だったのに、と狭量な思いに囚われる。同時に、こんな気持ちになった上に、こんなことを言っている自分を恥じる。なのに。
マリーが満面の笑みになって抱きついてきた。
「もちろん、いつでも、ついて行くわ!」
とたんに重い気持ちが霧散し、イアルが不憫になった。
「イアルが泣きそうだから、やっぱりやめておく」
「ひどいわ、ソラン。ぬか喜びさせて!」
「うん。ごめんね」
ソランは、マリーの好きな笑顔でニコリと笑ってみせた。
マリーは、いつもソランの気弱な台詞を冗談にして笑い飛ばしてくれる。いつでも一番傍で気遣ってくれる。
「もうっ。しかたのない人ね」
ソランの笑顔を喜んでくれる。ソランがマリーの笑顔を喜ぶように。他の誰を愛しても、どこに行っても、離れ離れになっても。きっと変わらない。
抱き合ったまま、ただリズムに合わせて体を揺する。温かく心が通じ合ったこのひとときを、歳をとってもずっと忘れない気がした。
曲が主節に戻り、終盤にさしかかってきたのを悟る。
「残念、もう終わりだ。……ふふ。見て。イアルが苛々しているのを取り繕っているよ。私にまで嫉妬してどうするんだろうね」
マリーを抱きしめながら、くるりと回って、イアルの前で止まった。離れようとしない二人を見て、笑顔の仮面がますます固まっていく。面白いので、黙って待つ。
「……そろそろ、私の妻を返していただけますか」
とうとうイアルが折れて、言った。
「もちろん」
妻、の言葉に反応して、またもや真っ赤になっているマリーを押し出す。
「幸せになれるよ、マリー」
イアルの腕の中に彼女を押し付けた。彼に抱きとめられながら、目を瞠っている。
「もしもの時は、二人でイアルを懲らしめればいいから」
片目をつむってみせると、くすっと笑い返してきた。
「お気遣いなく。そんな事態には陥りませんから」
イアルの渋い声に、ソランは冗談だと機嫌よく手を振って、自分を待つ乙女たちの列へと踵を返した。
ソランは、健気で可愛いお嬢さんたちを独り占めし、同年輩の寂しい男どもと軽口を叩き合い、子供たちを優しく抱きしめ、ご婦人方には気遣われ、気のいい小父さんたちにかまわれているうちに、夜は更け、祭りはお開きになった。
冷えてきた夜風に酔いを醒ましながら、ソランは領主館の玄関先で佇んだ。少し小高いそこから領地を見下ろす。
ランプの光が所々でちらちらしている。みんなが家路についている明かりだ。祭りの眩かった松明が消され、だからこそ月光に浮かびあがった光景を、目に焼きつける。
その記憶が、後にどんな困難に直面した時も、ソランを照らす光となったのだった。
弓技、剣技、組み手、乗馬、暗器投げ。このうち剣技の部は実際のところ異種武器戦だ。槍、棒、鎖鎌、斧に鞭等何でもありで、それぞれに名手がいたらしく、家名に関係なく才能のある者に技を受け継いできた。
例えばイアルは両刃の大剣の名手で優勝もしているが、槍の使い手でもある。マリーは組み手も強いが、なんといっても圧巻なのが弓技だ。五十メートル先の甲冑を着せた人形の面覆いの目出し部分を射抜く。
ただし、今年は二人とも出場しない。領外での仕事が決まっている者は、大事を取って出場できない決まりになっているからだ。
ソランもまた、出場したことはない。『守るべき御方に剣は向けられない』せいだ。それでも鍛錬を欠かしたことはなかった。イアルと剣を交えれば五回に四回は勝てる腕前だ。
乗馬も巧い。他もそこそここなす。ただし弓は苦手で、なぜか人型に当てられない。いっそ目をつぶって射った方が当たるという始末だった。
競技は午後三時くらいまで行われ、それぞれの優勝者には、ソランから女神マイラを象ったメダルが与えられた。
人々が衣服の乱れを改め、日が傾きはじめた頃、マリーとイアルの結婚申請がなされた。
マリーの両親には王都の屋敷を守ってもらっているので、残念ながら立ち会わせることができなかったが、二人共に将来は必ず領内でも中心的役割を果たすだろう人物であることは確かで、そういった二人が家庭を持ち身を固めるのを、領民たちが喜ばないわけがない。
イアルの申請で始まり、領主によって承認され、ソランから祝福を与えられると、まわりを囲んだ人々から、どっと歓声があがった。誰彼となく近寄り、新郎の背や腕を叩き、もみくちゃにし、新婦に声をかけては抱擁とキスを贈った。
その後は無礼講だ。用意された料理と酒に舌鼓を打ちながら、交代で音楽を奏で、ダンスを踊る。ソランの前には、例年通り、乙女たちの長蛇の列ができていた。
バイオリンを主役に、いくぶんスローテンポのロマンティックな曲が奏でられはじめ、特設された広場の中央に、イアルがマリーの手を取り進み出ていった。
一度手を離し、お互い優雅に礼をする。イアルの手が差し伸べられ、それにたおやかにマリーの手がのせられると、歩み寄り、踊りはじめたのだった。
ソランはイアルの表情を見て、自分で分量を間違えて作った極甘のクッキーを食べたみたいな心地になった。対するマリーときたら、立場上笑顔を保っているが、鳥肌が立っているようなのがうかがえる。そうは言っても体技に優れた二人のダンスは美しく、曲の終わりとともに衆人の歓呼を得た。
ソランに向かって二人は手を繋いだままやってきた。前まで来たところで膝を折り、深々と礼をする。それからイアルはマリーを導き、ソランの手に渡した。その年結婚したばかりの新婦が、ソランとのダンスの一番手を得るのは、毎年の恒例だった。
「大丈夫、マリー?」
中央に進み出ながら尋ねる。アップテンポの賑やかな曲に切り替えられ、ソランたちだけでなく、老いも若きも大勢のカップルが出てくる。
「なんなのかしら、もう。急にあんな態度ばかり、調子が狂うわ」
本気で困惑している様子なのが微笑ましくて、ソランは笑みを浮かべた。
「まあ、確かに箍が外れてしまっているようだけど、ベタ惚れされてるからね」
マリーが真っ赤になって、ぐっと言葉に詰まる。
「そんなのは、知らないわ」
ソランは小さく声をあげて笑った。
いつから好きだったのかと、ぜんぜん気が付かなかったんだけどと付け加えて、何日か前に、イアルに聞いた。そうしたら、ずいぶん昔からだと答えていた。
三年前、ソランの留学に付いて領地を離れることになった時は、まだ十三歳だったマリーを口説くわけにもいかず、気が気でなかったと。
今のマリーは、まさに花開かんとしている蕾のようだ。初々しく美しく可愛らしい。イアルが躊躇していられなかったのもわかる。
――彼は、この手の中の愛しい花を、どうしても手に入れたかったのだ。
ソランはふいに、イアルの心をなぞるように納得した。
「ああ、なんだか、このままマリーを攫ってしまいたくなったな」
漠然とした焦燥に駆られて囁く。私だけの花だったのに、と狭量な思いに囚われる。同時に、こんな気持ちになった上に、こんなことを言っている自分を恥じる。なのに。
マリーが満面の笑みになって抱きついてきた。
「もちろん、いつでも、ついて行くわ!」
とたんに重い気持ちが霧散し、イアルが不憫になった。
「イアルが泣きそうだから、やっぱりやめておく」
「ひどいわ、ソラン。ぬか喜びさせて!」
「うん。ごめんね」
ソランは、マリーの好きな笑顔でニコリと笑ってみせた。
マリーは、いつもソランの気弱な台詞を冗談にして笑い飛ばしてくれる。いつでも一番傍で気遣ってくれる。
「もうっ。しかたのない人ね」
ソランの笑顔を喜んでくれる。ソランがマリーの笑顔を喜ぶように。他の誰を愛しても、どこに行っても、離れ離れになっても。きっと変わらない。
抱き合ったまま、ただリズムに合わせて体を揺する。温かく心が通じ合ったこのひとときを、歳をとってもずっと忘れない気がした。
曲が主節に戻り、終盤にさしかかってきたのを悟る。
「残念、もう終わりだ。……ふふ。見て。イアルが苛々しているのを取り繕っているよ。私にまで嫉妬してどうするんだろうね」
マリーを抱きしめながら、くるりと回って、イアルの前で止まった。離れようとしない二人を見て、笑顔の仮面がますます固まっていく。面白いので、黙って待つ。
「……そろそろ、私の妻を返していただけますか」
とうとうイアルが折れて、言った。
「もちろん」
妻、の言葉に反応して、またもや真っ赤になっているマリーを押し出す。
「幸せになれるよ、マリー」
イアルの腕の中に彼女を押し付けた。彼に抱きとめられながら、目を瞠っている。
「もしもの時は、二人でイアルを懲らしめればいいから」
片目をつむってみせると、くすっと笑い返してきた。
「お気遣いなく。そんな事態には陥りませんから」
イアルの渋い声に、ソランは冗談だと機嫌よく手を振って、自分を待つ乙女たちの列へと踵を返した。
ソランは、健気で可愛いお嬢さんたちを独り占めし、同年輩の寂しい男どもと軽口を叩き合い、子供たちを優しく抱きしめ、ご婦人方には気遣われ、気のいい小父さんたちにかまわれているうちに、夜は更け、祭りはお開きになった。
冷えてきた夜風に酔いを醒ましながら、ソランは領主館の玄関先で佇んだ。少し小高いそこから領地を見下ろす。
ランプの光が所々でちらちらしている。みんなが家路についている明かりだ。祭りの眩かった松明が消され、だからこそ月光に浮かびあがった光景を、目に焼きつける。
その記憶が、後にどんな困難に直面した時も、ソランを照らす光となったのだった。
0
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる