リンの異世界満喫ライフ

水月

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209:久し振りの

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屋敷に戻り、カノープスさんが宮廷魔導師団の副長に連絡を取る為に客間へと戻っていく背中を師匠と2人で見届けた後は久し振りに師匠のご家族と一緒にサロンでお茶をする事になった。

皆それぞれ仕事をしているから全員が集まる機会って余り無かったんだよね。大抵1人か2人は居ない事が多い。なので珍しく今日は全員が屋敷に居たのは奇跡と言っても良いぐらいだろう。

「あら?カノープスはどうしたの?」

師匠の家族は当然カノープスさんとは旧知の仲で、師匠が冒険者をやっていた時代に良くエルフの国に来た際には屋敷に泊まったりしてたそうで今でも連絡を取り合うぐらいには仲良くしているのだそうだ。

そりゃあ居心地が良くて宮廷に帰りたくなくなるよね。気持ちが凄く良くわかる。

ミルザムさんが部屋の中にカノープスさんの姿が無い事に気がついて師匠の方に顔を向けた。

「あいつなら宮廷魔導師団から緊急の連絡が入って今確認中だよ」
「あらまぁ......せっかくの休暇なのに相変わらず大変なのね」
「一応賢者だし、魔導師長だからな。仕方ないんじゃないのか?」
「.....そうねぇ。嫌なら辞めれば良いのだし....今まで辞めなかったのは本人だものね」

うん。
ミルザムさんの正論、何気に厳しいな!?

「.....辞めたくても賢者の称号がある彼は辞めにくい事もあるだろう?」

流石に好き勝手言われているカノープスさんが可哀想になったのかアダラさんがフォローに回った。

ウェズンさんとアルドラさんは完全に巻き込まれまいと話題にスルーをしてお茶を楽しんでいた。本当に自由人だなぁ.....エルフって。


「いや、カノープスは自分が嫌なら何があっても辞める性格だから単純に今までは辞め時じゃなかったんだろうな」
「ああ、確かにそう言われてみればそうだな。好き嫌いはお前に似てハッキリしているからなぁ」
「.....父さん、これでもギルドマスターをやって我慢強さは覚えたんだよ。冒険者は癖の強い奴らが多いからな」

師匠はギルドマスター時代を思い出しているのか苦い顔を見せた。

「.....もうギルドマスターはやりたくないな。あんな人の言う事を聞かない冒険者相手によくやってたと自分でも思うよ」
「.....師匠、面倒見が良いから適任だと思うけど....」

その面倒見の良さに実際に私も助けられた部分があるんだしね。私から見たら師匠はギルドマスターに向いてたと思うんだけどなぁ....。ああでもギルドマスターって完全に中間管理職だから精神的に来るものがありそうだから私には無理だな。

「いや、冒険者の方が自由があるし今更またギルドマスターに戻れって言われても無理だな。今の生活が楽すぎて苦行だとわかってる仕事に戻る奴なんていないだろ.....安定な収入があっても戻る気がしないな」
「ううーん、確かに?」

そうだよね。今の楽しい自由な生活を知ったらもう戻れないと言うか戻りたくないよね。取り敢えず生活出来るだけの収入なら冒険者活動を普通にしてれば大丈夫なぐらいには冒険者ランクも上がったしね。


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