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第一章
11:お茶会
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王妃様のお茶会会場の庭園へ王弟殿下のカーディナル様に抱っこされて戻ると王妃様とお母様が驚いた顔をして此方を見ていた。
.....当然だよね。王弟殿下がいきなり小さい子を抱っこしてきたら誰でも驚よね。護衛の騎士さん達も驚いてたぐらいだし....
「カーディナル王弟殿下、我が家のルテウスが何か粗相でも?」
「いや、迷子になっていたので此方に送って来ただけだ」
....お母様酷い....僕粗相なんてしない....
まぁ王弟殿下と王妃様の手前そう言わなきゃいけないことぐらいは僕もわかる。
「そうでしたか....。王弟殿下のお手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした。ルテウス、此方にいらっしゃい」
お母様がそう言って僕に両手を広げるが、何となくカーディナル王弟殿下と離れがたくて手を伸ばす事に躊躇する。そんな僕を王妃様は目敏く気が付いたのか愉しそうな表情でカーディナル王弟殿下を見ている。
「あら~随分ルテウス君に懐かれたのね!カーディナル」
「....懐く....」
ちらりと僕に視線向けたカーディナル王弟殿下にどんな表情を見せて良いのかわからなくて、きっと今の僕は変な顔をしていたことだろう。そんな僕をフッと笑みを浮かべ今度こそお母様に渡すと僕の小さな手を取り軽く触れるだけのキスをした。
「....また今度」
それだけ言って踵を返し、カーディナル王弟殿下は庭園を護衛騎士と共に出ていったのだ。
「きゃ~!!あのカーディナルがルテウス君にチュッてしたわよ!!?見た!?ミナレット!」
「え、ええ.....王弟殿下ってあんな方だったかしら....?」
「まさか!スッゴク真面目で寡黙で恋の噂なんて聞いたことがないくらい堅物で陛下だって心配してるぐらいなのよ!....それだけルテウス君を気に入ったって事かしら?」
「それは.....大変光栄だけど年齢が離れ過ぎてないかしら?」
「あら、カーディナルは18歳だからルテウス君とは13歳差ね。ルテウス君が18歳になる頃にはカーディナルは31歳でしょ?貴族の結婚としては丁度良いぐらいじゃないかしら?....本当は息子の婚約者になって欲しかったけどカーディナルが相手なら仕方ないわよね!」
王妃様は大興奮し、お母様は疑問だらけのような表情をしている。そして僕はお母様の腕の中できっと真っ赤になっていただろう。
....でもまた逢えるんだ.....
その事が嬉しくて、お母様達が僕の頭上で何やら話が盛り上がっていたが全く内容が耳に入ってこず、僕はにやけそうになる顔をお茶会が終わるまで維持するのが大変だった。
.....当然だよね。王弟殿下がいきなり小さい子を抱っこしてきたら誰でも驚よね。護衛の騎士さん達も驚いてたぐらいだし....
「カーディナル王弟殿下、我が家のルテウスが何か粗相でも?」
「いや、迷子になっていたので此方に送って来ただけだ」
....お母様酷い....僕粗相なんてしない....
まぁ王弟殿下と王妃様の手前そう言わなきゃいけないことぐらいは僕もわかる。
「そうでしたか....。王弟殿下のお手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした。ルテウス、此方にいらっしゃい」
お母様がそう言って僕に両手を広げるが、何となくカーディナル王弟殿下と離れがたくて手を伸ばす事に躊躇する。そんな僕を王妃様は目敏く気が付いたのか愉しそうな表情でカーディナル王弟殿下を見ている。
「あら~随分ルテウス君に懐かれたのね!カーディナル」
「....懐く....」
ちらりと僕に視線向けたカーディナル王弟殿下にどんな表情を見せて良いのかわからなくて、きっと今の僕は変な顔をしていたことだろう。そんな僕をフッと笑みを浮かべ今度こそお母様に渡すと僕の小さな手を取り軽く触れるだけのキスをした。
「....また今度」
それだけ言って踵を返し、カーディナル王弟殿下は庭園を護衛騎士と共に出ていったのだ。
「きゃ~!!あのカーディナルがルテウス君にチュッてしたわよ!!?見た!?ミナレット!」
「え、ええ.....王弟殿下ってあんな方だったかしら....?」
「まさか!スッゴク真面目で寡黙で恋の噂なんて聞いたことがないくらい堅物で陛下だって心配してるぐらいなのよ!....それだけルテウス君を気に入ったって事かしら?」
「それは.....大変光栄だけど年齢が離れ過ぎてないかしら?」
「あら、カーディナルは18歳だからルテウス君とは13歳差ね。ルテウス君が18歳になる頃にはカーディナルは31歳でしょ?貴族の結婚としては丁度良いぐらいじゃないかしら?....本当は息子の婚約者になって欲しかったけどカーディナルが相手なら仕方ないわよね!」
王妃様は大興奮し、お母様は疑問だらけのような表情をしている。そして僕はお母様の腕の中できっと真っ赤になっていただろう。
....でもまた逢えるんだ.....
その事が嬉しくて、お母様達が僕の頭上で何やら話が盛り上がっていたが全く内容が耳に入ってこず、僕はにやけそうになる顔をお茶会が終わるまで維持するのが大変だった。
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