31 / 39
31話:羨ましいなら代わって欲しい
しおりを挟む
野外学習のグループ分けをした後から、事ある毎に第二王子殿下率いる側近候補達は私達に積極的に接触してくるようになった。そんな私達を見てAクラス以外のクラスの子女は羨ましそうな、悔しそうな顔を向けているのに直ぐに気がつく。いや、むしろ気がつかない方が可笑しい。
Aクラスのクラスメイトの令嬢達は私達がそれとなく穏便にお断りをしようとしていた事を間近で見ていたので普段通りに接してくれているのが有り難かった。
もう本当に羨ましかったら代わるわよ、本気で!
此方としては大好きな友人と穏やかな学園生活を希望しているのに真っ向から邪魔された気分なのに。
......まぁ本人には勿論言えないけど.....
「本当に鬱陶しいですわ」
マリア、正直すぎ.....気持ちはわかるけど.....
「......聞かれたら不味いですわ。いくら本当の事でもここでは口に出さない方が良いと思いますわ」
エリーゼもマリアに続いて意外と容赦がないんだよね
「それもそうですわね」
「野外学習が終わるまでですし、私達が大人になって我慢しませんと」
もし私が二人にこんな事言われたら確実に死にそう。ピンポイントで抉って来てるわ......
「そうね、どうせ明日には野外学習が行われるのだしそれまでですものね。漸くまた三人でゆっくり出来ますわ」
そう、何だかんだで野外学習は明日なのだ。あれから魔法学の授業では野外学習の為にグループに別れ、各自どのような魔法を使えるか、剣等の武器は使えるか等の打ち合わせが行われていた。野外授業では魔獣との戦闘も予想されるのでグループの仲間がどれぐらい動けるのかを把握しておく事は凄く重要なんだとか。
勿論、実際に野外学習を行っている最中に打ち合わせしていた通りに各々が動けるかはわからないが、事前にある程度知っているのと知らないのとでは行動パターンが限られてしまうそうだ。より多くの手段を講じておくのは魔獣対策には特に有効なんだとか。
それを生徒に教える為の実地訓練なんだろうなぁと思う。
私も聖女だった頃はよく魔獣退治に同行していたけどそれは殆どが騎士に護られての上だった。きっと彼らもこんな風に学園生の時に訓練したんだろうなぁと思うと懐かしい想いが溢れてくる。
「そっか、明日いよいよ野外学習なんだよね。何事もなく無事に終わってくれると良いよね」
「.....そうですわね。毎年少なからず怪我人が出てるそうですものね」
「第二王子殿下含め、私達も誰一人怪我人が出ないように慎重に頑張りましょう」
私とマリアとエリーゼは笑顔で頷き合う。
そして野外学習の当日になった。
Aクラスのクラスメイトの令嬢達は私達がそれとなく穏便にお断りをしようとしていた事を間近で見ていたので普段通りに接してくれているのが有り難かった。
もう本当に羨ましかったら代わるわよ、本気で!
此方としては大好きな友人と穏やかな学園生活を希望しているのに真っ向から邪魔された気分なのに。
......まぁ本人には勿論言えないけど.....
「本当に鬱陶しいですわ」
マリア、正直すぎ.....気持ちはわかるけど.....
「......聞かれたら不味いですわ。いくら本当の事でもここでは口に出さない方が良いと思いますわ」
エリーゼもマリアに続いて意外と容赦がないんだよね
「それもそうですわね」
「野外学習が終わるまでですし、私達が大人になって我慢しませんと」
もし私が二人にこんな事言われたら確実に死にそう。ピンポイントで抉って来てるわ......
「そうね、どうせ明日には野外学習が行われるのだしそれまでですものね。漸くまた三人でゆっくり出来ますわ」
そう、何だかんだで野外学習は明日なのだ。あれから魔法学の授業では野外学習の為にグループに別れ、各自どのような魔法を使えるか、剣等の武器は使えるか等の打ち合わせが行われていた。野外授業では魔獣との戦闘も予想されるのでグループの仲間がどれぐらい動けるのかを把握しておく事は凄く重要なんだとか。
勿論、実際に野外学習を行っている最中に打ち合わせしていた通りに各々が動けるかはわからないが、事前にある程度知っているのと知らないのとでは行動パターンが限られてしまうそうだ。より多くの手段を講じておくのは魔獣対策には特に有効なんだとか。
それを生徒に教える為の実地訓練なんだろうなぁと思う。
私も聖女だった頃はよく魔獣退治に同行していたけどそれは殆どが騎士に護られての上だった。きっと彼らもこんな風に学園生の時に訓練したんだろうなぁと思うと懐かしい想いが溢れてくる。
「そっか、明日いよいよ野外学習なんだよね。何事もなく無事に終わってくれると良いよね」
「.....そうですわね。毎年少なからず怪我人が出てるそうですものね」
「第二王子殿下含め、私達も誰一人怪我人が出ないように慎重に頑張りましょう」
私とマリアとエリーゼは笑顔で頷き合う。
そして野外学習の当日になった。
0
お気に入りに追加
212
あなたにおすすめの小説
プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~
笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。
鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。
自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。
傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。
炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!
転生少女、運の良さだけで生き抜きます!
足助右禄
ファンタジー
【9月10日を持ちまして完結致しました。特別編執筆中です】
ある日、災害に巻き込まれて命を落とした少女ミナは異世界の女神に出会い、転生をさせてもらう事になった。
女神はミナの体を創造して問う。
「要望はありますか?」
ミナは「運だけ良くしてほしい」と望んだ。
迂闊で残念な少女ミナが剣と魔法のファンタジー世界で様々な人に出会い、成長していく物語。
とある辺境伯家の長男 ~剣と魔法の異世界に転生した努力したことがない男の奮闘記 「ちょっ、うちの家族が優秀すぎるんだが」~
海堂金太郎
ファンタジー
現代社会日本にとある男がいた。
その男は優秀ではあったものの向上心がなく、刺激を求めていた。
そんな時、人生最初にして最大の刺激が訪れる。
居眠り暴走トラックという名の刺激が……。
意識を取り戻した男は自分がとある辺境伯の長男アルテュールとして生を受けていることに気が付く。
俗に言う異世界転生である。
何不自由ない生活の中、アルテュールは思った。
「あれ?俺の家族優秀すぎじゃね……?」と……。
―――地球とは異なる世界の超大陸テラに存在する国の一つ、アルトアイゼン王国。
その最前線、ヴァンティエール辺境伯家に生まれたアルテュールは前世にしなかった努力をして異世界を逞しく生きてゆく――
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない
兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。
ペット(老猫)と異世界転生
童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
転生したらチートすぎて逆に怖い
至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん
愛されることを望んでいた…
神様のミスで刺されて転生!
運命の番と出会って…?
貰った能力は努力次第でスーパーチート!
番と幸せになるために無双します!
溺愛する家族もだいすき!
恋愛です!
無事1章完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる