上 下
191 / 250
六章 家族団欒

28話 肉野菜鍋

しおりを挟む
俺はおっさんがなんか言おうとしてたのを無視して今は森の中に来ている。
周りには木が鬱蒼と茂っていて敵がどこにいるかもわからない状態だが、何かがいる気配はする。

「目で見えないってことは……下か!」

俺がそう考え下を見ると地面がボコーン!と隆起した。
いちはやく察知した俺はその場を跳びのき隆起した地面から出た顔をとりあえず蹴り飛ばした。
その魔物?は胴体を残して頭だけが飛び、断末魔もあげることなく絶命した。

「なんだこいつ?」

その見た目はまるで蛇のように細長かったが顔がどっからどう見ても魚だった。しかもしっかりエラもついてる。なんだこれ?

「まぁいいや。美味そうでもないし今度ギルドに売るか」

俺は蛇もどきを異次元倉庫にしまい美味しそうな魔物を探しに森を散策した。

しばらく魔物を探してゴブリンなんかを倒していると猪が出てきた。見た目が黒だから確かダークボアってやつか。コイツは闇魔法が得意だって聞いたが美味しいのだろうか?俺はそう考えながら手に鎌を構えて猪を魂斬で討伐した。
どうせなら綺麗な状態で食べたいからな。

俺は猪を異次元倉庫にしまい念のためもう2匹ほど狩った後、ゴブリンやオークを狩りながらドワーフたちのとこに戻った。

「戻ったぞ~」
「お、戻ってきたのか。にしても早かったな」
「そうか?まぁさっさと食おうぜ」

俺はそう言いながら巨大な土鍋を錬金魔術で作り焚き火を炊いて準備をしていく。
さっき狩ってきた猪(ブラックボア)や豚(オークも取り出して薄く切り、異次元倉庫で溜まってた山菜(適当に山に入った時に見つけてたものや店で買ったけど結局料理してなかったものなど)を水で洗って肉ごと纏めて鍋に突っ込んだ。

その一連の流れを見ていたドワーフやエルフは口をあんぐりと開け出来上がりつつある料理を楽しみにしてかよだれまで垂らしていた。

調味料で軽く味付けをして、それは完成した。

「できたぞ。名付けて肉野菜鍋だな」
「いやそのまんまだろ!」

いいツッコミありがとう。と心の中で感謝しながら俺たちは巨大な土鍋を囲んだ。ってことはせず、流石にそれだと偏りが出てしまうためここは公平に俺がついでやることにした。まぁおかわりとかわざわざ来られるのはめんどいから結構大きめのお椀に注いでやりそれを一人一人に渡していった。
ドワーフは肉をもっと多くしてくれと言ってきてエルフはイメージ通り草食系だったのかあんまり肉を好んで食べる奴がいなかったからエルフにはドワーフの分の野菜を多く注いでやりドワーフにはエルフの分の肉を多めに注いでやった。

「「「「我が守り神である精霊に感謝を」」」」

ドワーフとエルフたちはそう言って食事を食べ始めた。この言葉は人族でいう『いただきます』だな。地域によってそれは変わっていると精霊神様が言ってたがここら辺は一緒なのか?。

「なあハイゼ」
「なんだアスト?」
「さっきのやつってどこもいっしょなのか?」
「いいや、たまたま俺たちが一緒なだけで他の街を作ってるエルフや同胞なんかは違うんじゃねぇか。俺もよくはしらねぇがあるとこては『我が守護霊なる精霊に感謝を』だとか『我らの母である精霊神様に感謝を』なんかと言ってるとこがあるな」
「それならもう最後のやつに統一した方がよくないか?」
「精霊神様が本当にいるなら別だが見たこともねぇ奴に感謝するってのは俺はしないな。自分で見たものを信じるからな」
「じゃあ守護霊なんかは見たことあるのか?」
「そういうのは子供の頃に一度だけ見れるようになるんだよ。人間でいうところの鑑定の儀みたいなものだな。俺んとこでは精霊の儀ってんだ」

あーなんか聞いたことがあるな。人間は5歳を迎えると、鑑定の儀ってのをする義務があってそれを受けることによって自分でステータスを見れるようになるんだっけか。

「お前のはどんな守護霊だったんだ?」
「俺のは統率の守護霊だったよ」
へぇ、てか守護霊って何だ?」
「まぁ知らないのも無理はないか。一から説明してやるよ」
「頼む」

俺は肉野菜鍋を食べながら種族の違いによるステータスの違いを聞いていく。神界ではそういうの教えてくれなかったからな。教えてくれたのはどんな種族がいるかとかどんな性格が多いだのとかだったし。
しおりを挟む
感想 505

あなたにおすすめの小説

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

【創造魔法】を覚えて、万能で最強になりました。 クラスから追放した奴らは、そこらへんの草でも食ってろ!

久乃川あずき(桑野和明)
ファンタジー
次世代ファンタジーカップ『面白スキル賞』受賞しました。 2022年9月20日より、コミカライズ連載開始です(アルファポリスのサイトで読めます) 単行本は現在2巻まで出ています。 高校二年の水沢優樹は、不思議な地震に巻き込まれ、クラスメイト三十五人といっしょに異世界に転移してしまう。 三ヶ月後、ケガをした優樹は、クラスメイトから役立たずと言われて追放される。 絶望的な状況だったが、ふとしたきっかけで、【創造魔法】が使えるようになる。 【創造魔法】は素材さえあれば、どんなものでも作ることができる究極の魔法で、優樹は幼馴染みの由那と快適な暮らしを始める。 一方、優樹を追放したクラスメイトたちは、木の実や野草を食べて、ぎりぎりの生活をしていた。優樹が元の世界の食べ物を魔法で作れることを知り、追放を撤回しようとするが、その判断は遅かった。 優樹は自分を追放したクラスメイトたちを助ける気などなくなっていた。 あいつらは、そこらへんの草でも食ってればいいんだ。 異世界で活躍する優樹と悲惨な展開になるクラスメイトたちの物語です。

神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~

雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件

フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。 だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!? 体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

処理中です...